李蓉と裴文宣は拓跋燕の屋敷を後にし、そのまま秦家が隠遁する深山へと向かった。皇帝・李明の計らいにより、楊家は前世のように西北で勢力を取り戻すことはできず、むしろ権力を失っていた。この機に、李川は秦真真の紹介で秦臨を見つけ出し、彼を説得して下山させ、西北の情勢を安定させた。
皇后は皇権を強固にするため、秦真真を太子の側妃に迎え入れることを決めた。このことで李蓉は、自分の行動によって皆の運命が変わってしまったことを改めて実感する。彼女は裴文宣に秦真真の入宮について意見を求めるが、裴文宣は明確な態度を示さず、ただ秦臨が一日も早く朝政に関わり、歴史の悲劇の再来を防いでくれることを願うばかりだった。
二人は秦臨を訪ねるが、面会を拒否され、最初の試みは失敗に終わる。裴文宣は、秦臨は優れた将軍でありながらも、戦争を好まない人物だと説明する。疲れを見せる李蓉を、裴文宣は背負って下山し、馬車で屋敷へ戻る。しかし、屋敷の前で刑部督捕司郎中・黎奎に待ち伏せされ、拓跋燕殺害事件の捜査協力のため、裴文宣は連行されてしまう。
裴文宣が連行されると、李蓉はすぐに弟の李川に手紙を書き、九廬山にいる秦臨を探し出すよう依頼する。同時に自身は牢獄へ向かい、裴文宣と面会する。翌日、李川は秦臨に会うことは葉わなかったが、諦めずに外で待ち続ける。一方、蘇容卿は李蓉を助け、兵部から西北国境に関する全ての帳簿資料を取り寄せ、楊家の軍資金横領の証拠をさらに詳しく調べる。李蓉は帳簿を確認しながら、蘇容卿が拓跋燕の屋敷にいた理由を尋ね、彼が自分の身を案じて来てくれたことを知る。
李蓉は拓跋燕の屋敷を監視させ、李川からの連絡を待つ。努力の甲斐あって、楊家の軍資金横領の確たる証拠を掴んだ李蓉は、それを利用して拓跋燕に協力を迫る。その後、李蓉と裴文宣は隣同士の牢に入れられ、まるで夫婦のように支え合う。
一方、九廬山で数日待った李川は、ついに秦家の末娘・秦真真と出会う。二人は次第に惹かれ合い、秦真真は兄に李川の頼みを聞いてくれるよう約束する。秦臨は妹の純真さを心配し、利用されているのではないかと案じる。
牢獄の中で、李蓉は秦真真から婚約破棄の真相を聞く。秦真真は裴文宣を兄のように思っており、男女の感情はなく、婚約破棄も彼女の仕組んだことだった。それを聞いた李蓉は思わず笑みをこぼす。秦真真は続けて、秦臨が太子の品性を試していた真意を明かす。
李蓉は李川に、明日の早朝、父帝から西北督戦を命じられたら、必ず理由をつけて断るように、そして秦臨が前線に行くことは決して口外しないようにと警告する。李蓉と裴文宣が二人きりになった時、李蓉は秦真真と李川の出会いが早すぎたことを不安に思い、先の読めない未来に一抹の憂慮を抱く。
第7話の感想
第7話は、大きく分けて二つの展開が同時進行する構成となっていました。一つは李蓉と裴文宣を中心とした宮廷内の陰謀劇、もう一つは李川と秦真真の出会いを描いたロマンスの芽生えです。
李蓉と裴文宣は、拓跋燕の死をきっかけに窮地に陥りますが、逆境の中でも冷静さを失わず、協力して楊家の不正を暴こうと奔走します。牢獄という極限状態の中で、二人の絆はさらに深まり、夫婦のような信頼関係が築かれていく様子が印象的でした。特に、李蓉が疲れた時に裴文宣が背負って下山するシーンは、二人の深い愛情を感じさせる名場面と言えるでしょう。
一方、李川と秦真真の出会いは、今後の物語の展開を大きく左右する重要な出来事と言えるでしょう。純粋な秦真真と、誠実な李川。二人の惹かれ合う様子は微笑ましく、見ているこちらも心が温かくなりました。しかし、秦臨の心配するように、この出会いが今後の波乱を予感させるものでもあります。
つづく