あらすじ
第十四話は、宿屋で突如起こった殺人事件を中心に展開します。藍挙子は煎餅と話し相手を求め、品物と交換しようとしましたが、その最中に女将が急死。宿屋にいた人々はパニックに陥ります。
間もなく到着する役人に備え、蘇無名たちは素早く死体を隠し、老費に役人の接待をさせて時間を稼ぎます。賈島は藍挙子と金餅の分配について話し合い、一方、桜桃は冷静に状況を見守っています。
捜査が進むにつれ、龍太は事件の調査に残ることを決め、皆にそれぞれの行動を説明するように求めます。全員の証言は一致していましたが、龍太は依然として蘇無名を疑っています。
緊迫した状況の中、藍挙子はついに宝物を差し出し、事件は進展を見せ始めます。この殺人事件によって、全員の運命が複雑に絡み合い、一人一人の行動や秘密が徐々に明らかになり、真相解明へと物語は進んでいきます。
ネタバレ
旅籠にて、藍挙子は女将に餅と美人のお相手を求め、手持ちの物を差し出していた。賈不島はそれを傍観するのみ。突然、女将が倒れ、姜山人は慌てて抱き起こすが、既に息絶えていることに気づく。桜桃は、3人の怪しい男が旅籠に入っていくのを目撃していた。そこに役人が現れ、皆、事件との関与を否定しようと躍起になる。
蘇無名は役人を迎え入れ、部屋を用意すると言って時間を稼ぎ、死体の処理を図る。龍太と共に店内へ入ると、死体は既に隠されており、老費に店番のふりをして役人をもてなすよう指示を出す。賈不島と藍挙子は、金餅の分け前について話し合っていた。役人を宥めるため、蘇無名と老費は料理を出すが、役人は満足していない様子。
裴喜君 は死体が発見されることを恐れるが、桜桃は落ち著いており、盧凌風と蘇無名がいるところでは何かが起こると言う。姜山人は盧凌風に対し、大雪で道が塞がっていなければ、こんな場所に来なかったし、事件に巻き込まれることもなかったと愚痴る。役人が去った後、蘇無名は扉の赤い布に違和感を覚えるが、老費に扉を閉めるよう指示し、店番を続けさせる。
蘇無名は店内を調べ、食材や食器の配置、建物の構造に疑問を抱く。酒場で様子を見ていた男は異変に気づき、部下に静かに外の様子を探るよう指示。煙突から煙が出ているだけで他に何も見当たらず、酒場に戻る。しかし、店を出ようとした時、部下の1人が仕掛けに触れてしまい、再び緊張が走る。老費は羊肉餅で役人の気を逸らし、皆は胸を撫で下ろす。
ソグド人が儀式を終え、女将を呼ぶが、蘇無名はとっさに嘘をつく。ソグド人は酒と羊肉餅を持って祠堂へ向かう。龍太は部下の一部を宿に残し、自身は立ち去ろうとするが、血まみれの賈不島が現れ、捜査のため留まることになる。龍太は皆に当夜の行動を尋ねる。皆の証言は一緻しているものの、龍太は蘇無名を疑う。蘇無名は、殺し屋を雇ったのかと問われ、潔白を証明するために死体を隠した水甕の傍に座り、盧凌風は思わず笑ってしまう。蘇無名の脱税の話に龍太は好感を持つが、事件の真相はまだ不明。
龍太は老費のボロボロの服を見て、蘇無名に優しく接するよう忠告する。老費はそれを利用し、蘇無名に圧力をかける。龍太は足跡を見せ、誰のものか尋ねる。藍挙子は非常に緊張した様子を見せる。蘇無名は龍太の鋭い観察眼を褒め、プレッシャーに負けた藍挙子は宝物を差し出し、事件は進展を見せる。
藍挙子が宝物を差し出したことで、龍太たちは事件の真相究明にさらに力を入れ始める。全ての細部は、誰か、あるいは何かを指し示しており、皆の運命はここで交錯する。
第14話の感想
第14話は、ミステリー要素が強く、ハラハラドキドキの展開で非常に楽しめました。冒頭から女将が殺害され、誰が犯人なのか、一体何が起こっているのか、全く予想がつかないまま物語が進んでいきます。登場人物それぞれが秘密を抱えているようで、疑心暗鬼に陥る様子が手に取るように伝わってきました。
特に印象的だったのは、蘇無名の機転と冷静さです。役人をうまく言いくるめ、時間を稼ぎながら死体を隠蔽するなど、頭の回転の速さと大胆な行動力に感嘆しました。また、老費のコミカルな演技も緊張感を和らげ、物語に良いアクセントを加えていました。
一方、賈不島の血まみれでの登場は衝撃的でした。彼が事件にどう関わっているのか、非常に気になるところです。藍挙子の挙動不審な様子も怪しく、彼もまた何かを隠しているように感じます。
つづく