あらすじ

第二話では、蘇無名そむめい狄仁傑てきじんけつの事件資料を調べている最中、新たな謎に巻き込まれる様子が描かれています。かつての仲間、桜桃おうとうとの再会を果たしますが、蘇無名そむめいが隠退の誓いを破ったことに対し、桜桃おうとうは不満を露わにします。それでも二人は協力し合い、事件の解決へと動き出します。

蘇無名そむめいは、自らを「名探偵の弟子」と名乗る三兄弟と出会い、彼らを率いて鬼市へと向かいます。そこで発見された遺体を調べますが、盧凌風ろりょうふうではないことが判明します。その後、喜君きくん はいきくんを緊急救助する場面も描かれています。

寺を訪れた蘇無名そむめいは、壁画が盧凌風ろりょうふうの身元に関する判断を誤らせている可能性に気づき、画師の秦孝白しん こうはくに降りかかった誤解を解くために介入します。

一方、盧凌風ろりょうふう老費ろうひの助けにより一命を取り留めます。蘇無名そむめいは手がかりを追い続け、最終的に大将軍が意識を失った盧凌風ろりょうふうを発見します。盧凌風ろりょうふうは昏睡する直前、金吾衛の兄弟たちへの申し訳ない気持ちを口にします。

このエピソードは、誤解を解き、真相を探求する過程と登場人物たちの複雑な感情を軸に展開され、蘇無名そむめいの知略と決断力が際立つ内容となっています。

ネタバレ

狄仁傑てきじんけつが残した事件記録を調べている蘇無名そむめい。傍らには優秀な捜査官へと成長した盧凌風ろりょうふうの姿があった…はずだった。ふと気配を感じて振り返ると、そこには不満げな表情の桜桃おうとうが立っていた。「隠居の誓いを破り、大理寺少卿に就くとはどういうことだ」と詰問する桜桃おうとうに、蘇無名そむめいは苦笑しながら事情を説明し、江湖の伝手で三人へ情報を伝えてくれるよう頼む。

一方、偽蘇無名そむめいを捕らえようと画策していた老賈ろうこ一行は、本人と鉢合わせになり面食らう。誤解が解けた蘇無名そむめいは、再び桜桃おうとうと協力し新たな事件へと挑むことになる。

街中で、「神探の弟子」を名乗る三人組に出会った蘇無名そむめい。彼らは蘇無名そむめいを熱烈に崇拝し、再び共に事件を解決したいと懇願する。蘇無名そむめいは彼らの願いを受け入れ、共に鬼市へと向かう。そこは秘密が渦巻く怪しい場所だった。鬼市で怪しげな老人を見つけ、死体に関する情報を得る。盧凌風ろりょうふうの価顔絵と照合するが、本人ではないと分かり安堵するのも束の間、喜君きくん はいきくんの助けを求める声が聞こえてきた。

急行した蘇無名そむめい喜君きくん はいきくんを救出。その後、老人の元へ戻り、巧みな話術で価顔絵の信憑性に疑問を抱かせる。京江寺の壁画の人物像を元に描かれた可能性を示唆し、盧凌風ろりょうふうとは別人であるという結論に至る。

寺で四大神獣が描かれた壁画を眺め、蘇無名そむめいは伝説上の生き物だと呟く。そして、中華の要素を仏教壁画に取り入れた秦孝白しん こうはくの技量を賞賛する。そこに秦孝白しん こうはくが現れる。場の異様な雰囲気に気づきながらも、彼は絵筆を動かし続け、傍らの弟弟子を叱責し騒ぎを起こす。息子を殺されたと思い込んだ孫望そん ぼうの父が秦孝白しん こうはくに襲いかかるが、蘇無名そむめいが仲裁に入る。この世に鬼神はいないと断言し、真犯人を必ず見つけ出すと宣言する。秦孝白しん こうはく蘇無名そむめいへの感謝を示すどころか、喜君きくん はいきくんの画才に惚れ込み弟子入りを勧めるが、断られると不機嫌になる。芸術は感情に左右されるべきではないと主張する秦孝白しん こうはく。最終的に、桜桃おうとうの説得により喜君きくん はいきくんは立ち去る。

蘇無名そむめい秦孝白しん こうはくの重要性を認識し、この才能ある画師を引き込もうと考える。秦孝白しん こうはく蘇無名そむめいの意図を理解し、礼を述べて去っていく。蘇無名そむめい秦孝白しん こうはくの安全と捜査のため、密かに護衛をつけるよう指示を出す。そして、秦孝白しん こうはくはプライドが高いため、監視されていると気づけば過激な行動に出る可能性があると警告する。この一件を聞いた公主は激怒し、画師の創作を邪魔する者、蘇無名そむめいの権限を疑う者たちに憤慨し、盧凌風ろりょうふうの身を案じる。

一方、老費ろうひの助けで一命を取り留めた盧凌風ろりょうふうは、「郭荘かく そうが蘇った」という知らせに複雑な心境を抱く。蘇無名そむめいは捜査を進める中で、孫望そん ぼうの死と馬夫人ば ふじんの関連性に気づく。盧凌風ろりょうふうを装い馬夫人ば ふじんに近づき、情報を探ろうとするが、馬夫人ば ふじん蘇無名そむめいの意図を見抜き、巧みに話題を逸らし名馬の話を始める。

常方じょうほう、陳実、張黔ちょうけんの三人は、蘇無名そむめいへの警戒心を強め、彼を避けようとする。蘇無名そむめいは単身鬼市へ行き、盧凌風ろりょうふうの行方を探る。そこで物乞いの少年から老費ろうひの情報を聞き出し、案内を頼む。

郭荘かく そうの「遺体」を前に、自責の念に駆られる盧凌風ろりょうふうは、一人で郭荘かく そうを連れ去ろうとする。盧凌風ろりょうふうの失踪に気づいた老費ろうひはすぐに報告。そして、気を失った盧凌風ろりょうふうを大将軍が見つける。意識を失う寸前、盧凌風ろりょうふうは金吾衛の仲間たちへの申し訳なさを口にするのだった。

第二話の感想

「唐朝詭事録<とうちょうきじろく>シーズン2-To the West-」第二話は、蘇無名そむめいの隠居生活からの復帰、そして新たな謎への挑戦が描かれる、波乱に満ちたエピソードでした。前シーズンで活躍した盧凌風ろりょうふうの不在が大きく影を落とし、その行方を探る蘇無名そむめいの焦燥感が伝わってきます。同時に、喜君きくん はいきくん桜桃おうとうといった馴染みのキャラクターの再登場は、ファンにとって嬉しいポイントでしょう。

特に印象的なのは、秦孝白しん こうはくという新たなキーパーソンの登場です。芸術至上主義を貫く孤高の画師であり、その独特の雰囲気は物語に新たな緊張感をもたらしています。蘇無名そむめいとの邂逅は、今後の展開を大きく左右しそうな予感を感じさせます。また、蘇無名そむめいを慕う「神探の弟子」三人組のコミカルな掛け合いも、重厚なストーリーの中で良いアクセントとなっています。

一方で、盧凌風ろりょうふうの不在理由や郭荘かく そうの「復活」など、新たな謎も提示されました。これらの謎がどのように解き明かされていくのか、今後の展開が非常に気になります。特に、盧凌風ろりょうふう郭荘かく そうの関係性、そして盧凌風ろりょうふうが抱える自責の念は、物語の大きな鍵となりそうです。

つづく