あらすじ
第27話は、青溪の身に降りかかった災難と失踪を軸に展開します。王鰍は、青溪が呉菜に絡まれているのを目撃し、助けに入りますが、揉み合いの末、呉菜を死なせてしまいます。蘇無名は盧凌風と共に捜査を進め、王鰍は青溪も自衛に加わったことを白状します。青溪を侍妾にしようと企てていた保康は、拒絶されたことに腹を立てていました。蘇無名は、保康と青溪の失踪に関連性があることに気づき、巧みな尋問によって、保康に青溪殺害の事実を認めさせます。
同時に、物語は寡婦、黄鼬、金豹といった他の登場人物たちの動きも描き、青溪の失踪の裏に、より複雑な人間関係と隠された真実が潜んでいることを示唆します。
そして最後に、蘇無名は青溪の真意と保康との間に一体何があったのかを深く探ろうと決意し、彼の類まれな推理力と冷静沈着な性格が際立ちます。
ネタバレ
王鰍は青溪がならず者・呉菜に絡まれているのを目撃し、助けに入りますが、揉み合いの末、誤って呉菜を殺してしまいます。青溪は恐怖に怯えますが、王鰍は彼女を落ち著かせ、先に帰らせ、道中何かあるかもしれないと案じます。
しかし、蘇無名と盧凌風が捜査を始めると、王鰍の証言には矛盾が生じます。呉菜の遺体には咬み傷だけでなく、様々な角度からの刀傷もあり、激しい格闘の痕跡が明らかでした。蘇無名の追及に、王鰍はついに青溪も背後から呉菜を斬りつけたことを自白します。青溪を守り、罪を一人で被ろうとした王鰍の思惑は外れました。
索龍は盧凌風の鋭い洞察力に感嘆し、近づこうとしますが、盧凌風は取り合いません。真相究明に専念します。二人は青溪が半月も行方不明になっていることに疑問を抱き、調査を深めます。蘇無名は保康に、青溪との関係や、彼女が恐怖のあまり逃亡した可能性について尋ねます。蘇無名は、青溪の失踪は単なる逃亡ではなく、もっと複雑な理由があると推測します。
保康は顔色を変え、目に凶暴な光を宿しますが、すぐに虚ろな表情になります。青溪が自分の側室になることを拒否したことを思い出し、複雑な感情に苛まれます。真実を隠すため、山で狩りをしていた際に虎に襲われ崖から落ち、足の重傷が治らないと嘘をつきます。蘇無名が名医を紹介しようとすると、保康は信じない様子で、強い疑念を抱いています。
その時、蘇無名は保康の傍らにいる猫に気づき、視線を猫と保康の間に行き来させます。何かを察知したようです。保康はさらに動揺し、猫に対して異常な恐怖や拒絶仮応を示します。蘇無名は静かに微笑み、「猫は心に邪念がないから、真実を恐れない」と言います。
一方、寡婦は保康の将来を心配し、彼を養ってくれる男を見つけ、自分もそこから利益を得たいと考えています。蘇無名がそれに応じないので、不満を抱きます。黄鼬が現れ、事態はさらに複雑になります。こっそり逃げようとした黄鼬は、王鰍の合図で盧凌風たちの存在に気づき、顔面蒼白になります。
金豹の登場で、青溪失踪の真相が明らかになります。青溪は金豹に保康の治療を頼みますが、保康はそれを誤解し、恨みます。索龍に問い詰められた金豹は、青溪は保康の健康を案じて頼みに来たのに、保康は嫉妬と猜疑心から青溪を恨んだと告白します。
最後に、蘇無名は保康を自ら尋問し、罠に嵌めていきます。保康は追及され、ついに青溪殺害を自白します。盧凌風はそれを見て、保康への怒りと蘇無名の知略への感嘆を覚えます。蘇無名は冷静に尋問を進めます。
青溪は黥夫に芍薬の刺青を入れようとします。蘇無名はこれに不審を抱き、保康が家に帰ったのを見て騙されたと感じ、青溪がその思いを込めて刺青を入れようとしたのではないかと推測します。盧凌風は蘇無名を老獪だとからかい、蘇無名は少し不機嫌になります。盧凌風は裴喜君 の身を案じ、夜市に行かないように言います。蘇無名は彼の心配を見抜き、正直に話すように諭します。桜桃は、盧凌風のおかげで美味しいものが食べられると冗談を言います。
第27話の感想
第27話は、一見単純な殺人事件と思いきや、複雑に絡み合った人間関係と隠された感情が徐々に明らかになる、見応えのあるエピソードでした。王鰍の男気と青溪への想いは切なく、彼が罪を被ろうとした行動は理解できますが、結果的に事態を悪化させてしまったのは皮肉でした。
蘇無名と盧凌風のコンビネーションは今回も抜群で、特に蘇無名の洞察力と推理力は圧巻。猫を使った心理戦は、彼の鋭い観察眼と巧妙な話術を象徴する印象的なシーンでした。保康の歪んだ愛情と嫉妬、そして青溪の悲劇的な結末は、人間の心の闇を深く描き出しており、見ていて胸が締め付けられました。
金豹の登場は、事件の真相解明に大きく貢献しましたが、同時に保康の心の闇をさらに深く浮き彫りにしました。青溪の善意が仇となり、悲劇を生んでしまったという事実は、非常に重く、考えさせられるものがあります。
つづく