あらすじ
第31話は、李雲の不可解な死を中心に展開します。李雲は不安な悪夢から目を覚まし、妻の沈瓶は病気のため布店を彼に任せるも、上の空であることに気付きます。長楽が持ってきた謎の手紙は、沈瓶に疑念を抱かせました。李雲は手紙の出所を探るため窮泉巷にある李門を訪ねますが、手がかりは得られず、その後不可解な死を遂げます。蘇無名は検死を行い、絞殺されたと断定しました。
盧凌風は捜査に乗り出し、陰阿婆から得た情報をもとに、紗の覆面をした女と醜女の目撃情報をつかみます。沈瓶は盧凌風に対し、李雲が賭博に興じていたことを打ち明けました。捜査は磚馬窯で進展を見せ、流れ者の瓦職人が容疑者として浮上します。職人は捜査員をあざ笑いますが、盧凌風と蘇無名はひるむことなく、真相究明に尽力します。捜査が進むにつれ、さらなる秘密が徐々に明らかになっていきます。
ネタバレ
李雲(りうん)は悪夢にうなされて目を覚ました。黒い紗(しゃ)で顔を隠した女が、顔に貼られた黄紙(こうし)を一枚ずつ剝がしながら何かを訴える夢で、冷や汗びっしょりだった。
妻の沈瓶(しんぴん)は病気がちで、布店(ぬのてん)の経営を李雲に任せていたが、彼の様子がおかしいことに気付いていた。物音で目を覚ました沈瓶は李雲を心配する。そこへ女中の長楽(ちょうらく)が、店の前で差出人不明の手紙を見つけたと言い入ってきた。
沈瓶が手紙を受け取ると、李雲は遠い親戚の李門(りもん)からのものだと説明する。しかし、沈瓶が借金のことを口にすると、李雲は動揺を見せた。
長楽が沈瓶に鶏肉のスープを用意すると、李雲は賭博(とばく)のことがバレるのではないかと焦る。沈瓶は優しく、悪友の方囧(ほうきょう)と付き合うのをやめ、道を踏み外さないように諭した。
翌日、李雲は李門を探しに窮泉巷(きゅうせんこう)へ行くが、住民は誰も李門のことを知らない様子で、ただ一人の老婆の挙動が奇妙だった。その後まもなく、李雲は謎の死を遂げる。蘇無名(そむめい)が検死を行い、溺死ではなく絞殺だと断定した。
盧凌風(ろりょうふう)は捜査を開始し、陰阿婆(いんあば)に話を聞く。李雲が李門を探しに来たことは分かったが、李門はこの辺りには住んでいないという。陰阿婆は、紗を被った女と奇妙な醜女(しゅうじょ)を見かけたとも証言した。
沈瓶は盧凌風を訪ね、夫の死について自分の推測を伝える。李雲が方囧と賭博をしていたことも打ち明けた。盧凌風は事件の真相究明を決意する。
一行は磚馬窯(せんばよう)で、事件現場と一緻する粘土の痕跡を発見し、逃亡中の瓦職人(かわらしょくにん)を容疑者として特定する。男は李雲殺害を認め、盧凌風と蘇無名を嘲笑した。蘇無名は老費(ろうひ)に李雲の死因について相談するが、精神的な緊張が原因の可能性は低いと判断された。
索龍(さくろう)が新たな証拠を掴み、瓦職人が事件に関与していることを示す。職人は李雲に会ったことを認め、複数の県で犯行を行っていると嘯(うそぶ)き、再び盧凌風と蘇無名を挑発する。しかし、二人は動揺することなく、李雲の無念を晴らすため、事件の真相解明に全力を注ぐ。
捜査が進むにつれ、蘇無名と盧凌風は徐々に真相に近づいていく。しかし、事件の裏にはさらに深い謎が隠されているのだった。
第31話の感想
第31話は、一見単純な殺人事件と思いきや、複雑な人間関係と隠された秘密が絡み合い、最後まで目が離せない展開でした。李雲の悪夢は、彼の精神状態の不安定さを象徴しているようで、これから起こる悲劇を予感させます。妻の沈瓶は病弱ながらも夫を心配し、良き妻であろうとする姿が印象的でした。しかし、李雲は賭博に溺れ、妻の愛情に真剣に向き合おうとしない。そんな彼の姿は、悲劇を招いた要因の一つと言えるでしょう。
盧凌風と蘇無名は、今回も抜群のコンビネーションで事件の真相に迫っていきます。陰阿婆の証言や磚馬窯で見つかった粘土の痕跡など、小さな手がかりも見逃さない彼らの洞察力はさすがです。瓦職人の挑発にも冷静さを失わず、地道な捜査を続ける姿勢は、真のプロフェッショナルと言えるでしょう。
しかし、瓦職人の自白にもかかわらず、どこか腑に落ちない点が残ります。本当に彼が真犯人なのでしょうか?それとも、さらに深い闇が隠されているのでしょうか?今後の展開が非常に気になります。特に、黒い紗の女と醜女の存在が謎めいており、事件との関連性が気になるところです。もしかしたら、李雲の悪夢と関係があるのかもしれません。
つづく