あらすじ

第四十話は、曹翁そうおう蘇無名そむめい盧凌風ろりょうふうの対話を中心に展開し、曹家の複雑な家族関係と過去の秘密が明らかになります。曹翁そうおうは自ら殺人を犯していないと断言しますが、刺史を守るため、自ら捕縛されることを選びます。蘇無名そむめい曹翁そうおうの自責の念と無念さを察知し、真犯人はまだ捕まっていないと指摘します。曹翁そうおうは血の繋がらない息子・多宝たほうへの複雑な思いや、亡くなった妻子のことへの追憶を語ります。

物語が進むにつれ、蘇無名そむめい盧凌風ろりょうふうは毒薬や多宝たほうが残した記録など、新たな手がかりを発見し、それらは全て李赤りせきが真犯人であることを示唆していました。一方、曹音そういんは法廷で夫の罪を認め、李赤りせきが外で妻妾を囲っていた事実を暴露し、彼女の深い悲しみと失望が露わになります。

最後に、賽賽さいさいが敦煌の美しさを紹介し、一行が西へ向かい都へと旅立つことを予感させます。盧凌風ろりょうふうは大唐のために尽力することを誓い、物語はより壮大な政治の舞台へと移っていきます。

ネタバレ

曹翁そうおう蘇無名そむめい盧凌風ろりょうふうが来たのに気づきながらも、自ら窓を封じて捕縛を受け入れると告げます。刺史に迷惑をかけたくないというのです。蘇無名そむめいは、曹翁そうおうの謙遜さを指摘し、本当に逃げたいならこんな警備では止められないはずだと笑います。さらに、真相も分からぬまま罪を認めるのは真犯人を野放しにすることになると諭します。

曹翁そうおうは殺人を否定しますが、蘇無名そむめいは彼の心に自責の念と無念さを感じ取ります。子供たちの行いは父親を守るためだったと理解を示します。曹翁そうおう多宝たほうが実子ではないと気づいていたものの、亡くなった長男に価た純粋さで可愛がっていたと告白します。盧凌風ろりょうふうは驚き、曹翁そうおうは続けて司徒梅との出会い、愛息の誕生、そして妻子の死という悲しい過去を語ります。

さらに、夢で長男に多宝たほうが自分の生まれ変わりだと告げられたことも明かします。だからこそ、多宝たほうを害することはできなかったのです。蘇無名そむめいは、曹笑笑そうそう多宝たほうを殺そうとしたものの、結局は実行に移せなかったと補足し、彼の葛藤を浮き彫りにします。

曹翁そうおうは驚きと怒りを露わにし、真犯人を知りたがります。薛環せつかんは師の計略に感嘆しますが、老費ろうひは計画がうまくいかず、事件がより複雑になったと頭を抱えます。狄仁傑てきじんけつの高弟ですら苦戦する難事件だと改めて実感します。

その時、盧凌風ろりょうふう賽賽さいさいから聞いた狄仁傑てきじんけつの威厳とその弟子の優秀さを思い出し、蘇無名そむめいと顔を見合わせます。二人は何か重要な手がかりに気づいたようです。老費ろうひは不思議そうに二人を見守ります。

一方、曹音そういん李赤りせきの秘密を子供が知ってしまったと周囲は推測しますが、そこに蘇無名そむめい盧凌風ろりょうふうが現れます。盧凌風ろりょうふう喜君きくん はいきくん賽賽さいさいの護衛を任せ、李赤りせきを探します。李赤りせきは得意げに無罪放免を主張しますが、老費ろうひ曹音そういんの妊娠を暴露し、場を騒然とさせます。

蘇無名そむめい李赤りせきの仕事場を調べ、毒薬を発見します。事態は急展開を迎えます。刺史が審問を始めると、李赤りせきは怯えた表情を見せます。そして、曹音そういんはなんと夫の罪を認め、新たな波乱を巻き起こします。蘇無名そむめい曹翁そうおうを利用し、李赤りせきが外に妻子がいる事実を曹音そういんに知らせます。曹音そういんは衝撃を受け、深い悲しみと失望に襲われます。彼女は夫が子供のために尽くしていると思っていたのに、実は曹家の財産を狙っていたと知り、裏切られたと感じます。子供のために真実を隠そうとしていましたが、李赤りせきの残酷さに絶望します。

何可可かかかのおかげで、蘇無名そむめい李赤りせき多宝たほうの食べ物をすり替えた真相を突き止めます。多宝たほうは亡くなりましたが、彼の残した記録が事件解決の鍵となり、李赤りせきの誤判による冤罪も明らかになります。刺史は深く後悔します。多宝たほうの言葉は、古い慣習を捨て、新たな時代へと進む唐の未来を暗示しています。曹翁そうおうは人々を導き、改革の先頭に立ちます。

賽賽さいさいは亡き弟の夢を胸に、敦煌の魅力を熱く語ります。盧凌風ろりょうふう蘇無名そむめい一行は西へ向かい、様々な経験をします。蘇無名そむめい盧凌風ろりょうふうが難しい選択を迫られることを予感し、一行は長安へ向かうことを決意します。盧凌風ろりょうふうは唐のために尽くすと誓い、長安では波乱が待ち受けています。公主は息子を案じ、何としてでも彼を守ろうとします。

第40話の感想

「唐朝詭事録<とうちょうきじろく>シーズン2-To the West-」第40話、ついに最終回を迎えた。様々な謎が絡み合い、最後まで息つく暇もない展開だった。特に、李赤りせきの悪行が明らかになるシーンは、曹音そういんの悲痛な叫びと共に、視聴者の心に深く刻まれただろう。多宝たほうの死という悲しい出来事を通して、真実が明らかになり、正義が果たされるカタルシスを感じた。

蘇無名そむめい盧凌風ろりょうふうのコンビは、今回も抜群の推理力と行動力で事件を解決へと導いた。二人の息の合った連携プレー、そして時にはぶつかり合いながらも互いを尊重する姿は、本作の魅力の一つと言える。特に、最終回で見せた、言葉ではなく表情で通じ合うシーンは、二人の強い絆を感じさせ、感動的だった。

一方で、事件の裏には、家族愛や親子の情といった人間の複雑な感情が描かれていた。曹翁そうおう多宝たほうに注いだ愛情、曹音そういんの子供を守るための行動、そして李赤りせきの歪んだ愛情表現。それぞれのキャラクターの心情が丁寧に描かれており、事件の真相が明らかになるにつれて、より一層胸を締め付けられた。

多宝たほうの残した記録が事件解決の鍵となったことは、大きな意味を持つ。彼の純粋な心、そして未来への希望が、暗い事件の中で一筋の光となり、唐の未来を照らしているようだった。最終回は、単なる事件解決ではなく、人間の心の奥底にある光と闇、そして未来への希望を描いた、感動的な物語だったと言えるだろう。

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