あらすじ

第10話は、孔七こうしち小山しょうさんの楽しい外出と、寒生かんせい春妖しゅんようの微妙な心のやり取りを中心に描かれています。

孔七こうしちは花燈当てで見事な知恵を披露し、小山しょうさんの憧れの的となりました。そして、愛の象徴である同心結を贈られます。しかし、二人の様子は雪狼せつろう族に見張られていました。

一方、酒楼では、寒生かんせい春妖しゅんようが酒を酌み交わし、親密な雰囲気に。酔いつぶれた春妖しゅんようによって、それ以上の進展はありませんでした。そんな中、孔七こうしち小山しょうさんに告白しようとしたまさにその時、寒生かんせいが二人の間に割って入り、気まずい空気が流れます。

翌日、目覚めた春妖しゅんようは一行を青羽農せいうのうの元へ案内することを決意します。目的は氷火神石です。宮殿の中で、小山しょうさんは仕掛けを解いて神石を手に入れ、千年前の蕭氏三公主としての記憶を取り戻します。蘇った夫、青羽農せいうのうと対面した蕭山しょうざんは過去の憎しみを思い出しますが、青羽農せいうのうが生き延びていたのは彼女への償いのためだと知り、物語は大きな謎を残したまま幕を閉じます。

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ネタバレ

孔七こうしち小山しょうさんを連れ出し、街で楽しいひとときを過ごしました。花灯当てで孔七こうしちが見事な腕前を見せると、小山しょうさんはすっかり感心。店主から贈られた同心結びは、二人の仲をさらに深めるかのようでした。しかし、二人の行動は雪狼せつろう族に見張られており、その動向は逐一報告されていました。

一方、酒楼に残った寒生かんせい春妖しゅんようは酒を酌み交わしていました。春妖しゅんよう孔七こうしち小山しょうさんの仲が進展したのではと推測しますが、寒生かんせいはそこまで早くはないだろうとたしなめます。酔いが回った春妖しゅんようは、寒生かんせいに迫り「あなたは美しい」と囁き、そのまま寒生かんせいを抱き寄せようとしますが、そのまま倒れ込んでしまいます。寒生かんせいは戸惑いながらも、内心では期待を寄せていました。

孔七こうしち小山しょうさんに「私はあなたの家族だ。これからは君を守りたい」と告げ、告白しようとしたまさにその時、寒生かんせいが現れ、二人の雰囲気を壊してしまいます。寒生かんせいは自分の失態に後悔しました。

翌朝、春妖しゅんよう寒生かんせいのベッドで目を覚まし、昨夜の出来事に困惑します。普段は冷静な自分が、まさかあんな行動に出るとは…。気まずい雰囲気の中、隣の客が雪狼せつろう族の目撃情報を話しているのを耳にします。春妖しゅんようは事態を察し、急いで出発することを提案します。

一行は青羽農せいうのうへ向かいます。そこは、小山しょうさんが氷火神石を借り受けることができる場所でした。青羽農せいうのうに著くと、小山しょうさんは不思議なことに仕掛けを解き、まるで以前来たことがあるかのように振る舞います。千年前の記憶の断片が、小山しょうさんの脳裏に蘇り始めます。雪狼せつろう族も小山しょうさんの動きを察知し、氷火神石を奪うべく動き出しました。

春妖しゅんようたちは宮殿に入り、小山しょうさんは氷火神石の元へ向かいます。神石は玉座に座る青羽農せいうのうの目の前にありました。春妖しゅんよう小山しょうさんに、神石に触れると失われた記憶が全て戻るが、それは辛い記憶でもあると警告します。しかし小山しょうさんは、自分が神石に触れなければならないことを悟り、神石を手に取ります。すると、全ての記憶が蘇りました。千年前、蕭氏と雪狼せつろう族の戦い。小山しょうさんは蕭氏の三公主であり、青羽農せいうのう蕭山しょうざんの夫でした。その時、玉座の青羽農せいうのうが目を覚まします。蕭山しょうざんは憎しみを込めて青羽農せいうのうに詰め寄りますが、青羽農せいうのうは抵抗することなく、生きていたのは蕭山しょうざんに償いをするためだと告げます。

第10話の感想

第10話は、物語が大きく動き出す重要な回でした。孔七こうしち小山しょうさんの仲が深まる一方で、雪狼せつろう族の影が迫り、緊張感が高まります。特に、二人のデートシーンは微笑ましいながらも、どこか切ない雰囲気も漂っていました。同心結びの贈り物や、孔七こうしちの男らしい姿は、小山しょうさんの心を掴んだことでしょう。しかし、その幸せな時間も長くは続かない予感がします。

一方、寒生かんせい春妖しゅんようの酔っ払いシーンは、コミカルな展開で面白かったです。春妖しゅんようの意外な一面が見られたのも、興味深いポイントでした。普段は冷静沈著な彼女が、お酒に酔って感情を露わにする姿は、どこか可愛らしくもありました。寒生かんせいの戸惑いぶりも、見ていて微笑ましいです。

そして、物語の核心に迫る小山しょうさんの記憶。青羽農せいうのうで彼女は千年前の記憶を取り戻し、自分の本当の身分を知ることになります。氷火神石を手にした瞬間、彼女の表情が変わるシーンは、鳥肌が立つほど印象的でした。これから小山しょうさんがどのような選択をするのか、今後の展開が非常に気になります。

つづく