あらすじ

第十二話は、蕭山しょうざん青羽農せいうのう、そして漣漪れんいの複雑に絡み合う感情と、迫り来る戦いの危機を中心に展開します。蕭山しょうざんは既に人妻となっていましたが、かつて命を救われたことから縁が生まれた青羽農せいうのうへの想いを断ち切れませんでした。孔七こうしち蕭山しょうざんの嫁入り道具の中から青羽農せいうのうの肖像画を見つけ、二人の間の物語が明らかになります。

一方、春妖しゅんよう寒生かんせいは、何者かが青羽農せいうのう漣漪れんいに薬を盛って関係を持たせようとしているのを発見し、漣漪れんいの知られざる素性が示唆されます。青羽農せいうのうから妾を迎えることを提案された蕭山しょうざんは、彼に勝負を挑み勝利しますが、漣漪れんいの介入により最終的に敗北を認めます。個人的な感情は傷つきましたが、蕭山しょうざんは大局を優先し、青羽農せいうのうと共に雪狼せつろう族への対抗策を練ります。

婚礼当日、春妖しゅんよう寒生かんせい青羽農せいうのうを狙った毒殺計画を阻止し、様々な勢力の暗闘が垣間見えます。蕭山しょうざんの物語は、愛と責任の間で揺れ動く彼女の葛藤と、愛する者を守ろうとする強い決意を描いています。

ネタバレ

第十二話、蕭山しょうざんの苦難と孔七こうしちの友情を中心に物語が展開します。

孔七こうしち春妖しゅんようの助言を受け入れ、雪蓮探しを一時中断。蕭山しょうざんのために夜食を用意し届けます。青羽農せいうのうに嫁いだ蕭山しょうざんは、兵法の研究を続け、再び戦場に出ることを望んでいる様子。しかし、青羽農せいうのうの妻として、以前のように雪駝族のために戦うことはできません。

孔七こうしち蕭山しょうざんの嫁入り道具を整理していると、青羽農せいうのうの肖像画を発見。数年前、蕭山しょうざんが軍を率いて出陣した際、倒れていた戦神・青羽農せいうのうを救い、密かに介抱した過去が明らかになります。蕭山しょうざんの父はこの行為に激怒し、青羽農せいうのうを天庭に引き渡そうとしました。蕭山しょうざん漣漪れんい青羽農せいうのうの行方を捜索するように依頼。この頃から蕭山しょうざん青羽農せいうのうに想いを寄せていました。

一方、春妖しゅんよう寒生かんせいは河辺で怪しい人物に遭遇。その人物は青羽農せいうのうに薬を盛る計画の証拠を隠滅しようとしますが、春妖しゅんようの術で証拠は復元されます。その薬は青羽農せいうのう漣漪れんいを同衾させるためのもの。漣漪れんい雪狼せつろう族のスパイの可能性が浮上しますが、確証はありません。雪蓮を取り戻すためには、雪駝族に潜むスパイを見つけ出す必要があります。

孔七こうしち蕭山しょうざんに自分の幸せのために積極的に行動するよう促しますが、蕭山しょうざんは拒否。青羽農せいうのう蕭山しょうざんを呼び出し、漣漪れんいを妾に迎えることを告げます。蕭山しょうざんは拒否し、青羽農せいうのうに勝負を挑みます。蕭山しょうざんが勝てば妾を迎えるのをやめるという条件で。蕭山しょうざんは優勢でしたが、漣漪れんいが身を挺して青羽農せいうのうを守り、蕭山しょうざんは敗北。怒りと悲しみで吐血します。

孔七こうしち春妖しゅんように助けを求めます。春妖しゅんよう蕭山しょうざんの心魔が青鳥であることを指摘しますが、今は小山しょうさんを救うために雪蓮探しに集中すべきだと言います。

蕭山しょうざんの夫から雪狼せつろう族の襲撃が迫っているとの知らせが届きます。蕭山しょうざん青羽農せいうのうとの共闘を要請するため、彼のもとへ向かいます。孔七こうしち蕭山しょうざんの献身的な姿に感動します。

青羽農せいうのうとの再会で、蕭山しょうざんは彼と漣漪れんいの婚礼が三日後だと知ります。しかし、私情を捨て、雪狼せつろう族への対策に集中。青羽農せいうのうも雪駝族への協力を承諾し、二人は作戦を練りますが、それを漣漪れんいに聞かれてしまいます。

婚礼当日、春妖しゅんよう寒生かんせいは様子を伺います。寒生かんせい漣漪れんい青羽農せいうのうを毒殺しようとしていることに気づき、春妖しゅんようが香囊に仕掛けられた毒を無効化します。その後、二人は漣漪れんいの部屋に潜入しますが、漣漪れんいに見つかってしまいます。

続く…

第12話の感想

第12話は、蕭山しょうざんの苦悩と葛藤が深く描かれた回でした。愛する青羽農せいうのうに嫁ぎながらも、彼の心は漣漪れんいへと傾き、妾として迎え入れようとする。蕭山しょうざんは、武人としての誇り、そして妻としてのプライドの間で揺れ動き、苦しい選択を迫られます。青羽農せいうのうとの勝負に挑む場面は、彼女の悲痛な決意がひしひしと伝わってきました。勝利を目前にしながらも、漣漪れんいをかばう青羽農せいうのうの姿を目の当たりにし、彼女の心はどれほど傷ついたことでしょうか。

一方、孔七こうしちは、そんな蕭山しょうざんを支えようとする健気な姿が印象的でした。春妖しゅんようの助言を受け入れながらも、友のために心を砕き、寄り添う姿は、真の友情を感じさせます。雪蓮探しを一時中断してまで蕭山しょうざんの世話を焼く姿は、彼女の優しさを物語っています。

また、物語の根幹に関わる雪蓮探しの進展はあまり見られませんでしたが、春妖しゅんよう寒生かんせいがスパイの陰謀を暴く場面は、緊張感があり、今後の展開への期待を高めました。漣漪れんいの真意、そして雪狼せつろう族との戦いの行方など、気になる点がいくつも残されています。

つづく