あらすじ
第15話は、蕭山が雪狼族に殺された後、孔七が深い自責の念と無力感に苛まれ、蕭山の運命を変えることは不可能だと悟る場面から始まります。蕭山の死を目の当たりにした青羽農は、雪駝族と同盟を結び、蕭山の墓を守ると誓います。孔七は春妖から雪蓮を受け取り、目の前の蕭山を生き返らせるか、過去に戻って小山を救うかの選択を迫られます。最終的に、孔七は歴史を書き換え、蕭山を救うことを決意します。
一方、春妖たちは千年後の世界へ戻る準備を進め、蕭氏から神石を入手しようと計画します。孔七は蕭山に会うことを躊躇しますが、最後には会う決意を固めます。蕭山は春妖に神石を貸し与え、共に食事をするよう誘います。彼女は五百年の孤独と孔七への親近感を吐露します。春妖は孔七を雪駝族のもとに残し、寒生は孔明灯を飛ばし、春妖への永遠の愛を表現します。
さらに、春妖は神石を使って鏡面を修復しますが、五色魔蓮を台座として必要とします。また、赤羽魚人の心臓の血を探すのにも難航します。寒生が宿書の作者であることが明らかになり、二人は前世からの縁を確かめ合います。魔気に襲われた寒生を春妖が救いますが、その際に寒生の体内に春妖の真気が存在し、彼女の精気を消耗させていることが判明します。真相を探るため、春妖は南淵国へ赴き、霊魄に運命を占ってもらいます。同時に、司命星君から、寒生は戒律を破ったために人間界へ落とされ、輪廻転生を繰り返している可能性があり、それが春妖と関係しているかもしれないことを告げられます。
ネタバレ
雪狼族に殺された蕭山。孔七は深い悲しみに暮れ、歴史を変えても蕭山の運命は変えられない現実に打ちひしがれ、自分の無力さを嘆く。青羽農もまた自らの死を悔やみ、蕭山の亡骸の前で雪駝族との永世の同盟を誓い、彼らのために尽くし、墓を守り続けると誓う。春妖は孔七に雪蓮を渡し、今の蕭山を蘇生させるか、過去に戻って小山を救うかの選択を迫る。孔七は、蕭山はこの地に生きるべき存在だと考え、今の蕭山を蘇らせる決意をする。
千年後の世界へ戻る春妖一行。神石を取り戻すため蕭氏を訪ねなければならないが、孔七は蕭山に会うことを躊躇う。春妖はこれが最後の機会になるかもしれないと告げ、孔七はついに蕭山に会う決心をする。蕭氏は快く神石を貸し出し、一行を食事に招く。五百年前、青羽農が戦死して以来、孤独な日々を送っていた蕭氏にとって、孔七は懐かしい故人の面影を彷彿とさせる存在だった。春妖は孔七を雪駝族にしばらく滞在させることにする。
寒生は孔澜への説明に困りながらも、孔七を蕭氏に残したまま春妖と共に帰る。寒生は街で許願灯を見つけ、「春寒」と書き込み夜空に飛ばし、春妖との永遠の愛を願う。
春妖は神石で鏡面を修復するが、台座となる五色魔蓮の開花時期は未だ不明。孔澜は春妖に頼まれていた赤羽魚人の心臓の血は見つけられなかったものの、鱗一片を持参する。しかし、それは三百年前のものだと判明し、春妖は呆れる。孔七を蕭氏に残したことに孔澜夫婦は不満げだが、春妖は孔七の意思を尊重するように諭す。赤羽魚人は隠遁に長けており、捜索には時間がかかると春妖は覚悟する。
街で春妖は、自分が題材となった本が売られているのを発見する。作者は寒生だと気づき、問い詰めると、寒生は事実を書いただけだと主張する。春妖は寒生が宿書の女神であり、前世からの深い縁で結ばれていることを知る。
魔物に襲われた寒生は、春妖に救われる。無垠は寒生の体内に春妖の真気が入り込み、精気を蝕んでいると診断する。春妖もその異変に気づいており、無垠は南淵国の霊魄に二人の宿命を占ってもらうよう勧める。
司命星君に寒生の前世を尋ねた春妖。星君は言葉を濁し、寒生が戒律を破った仙女で、輪廻転生させられたと告げる。春妖は寒生の苦難が自分のせいだと悟り、星君から護符を受け取る。
第15話の感想
第15話は、切なさと希望が入り混じる展開で、今後の物語の行方がますます気になるエピソードでした。蕭山の死を乗り越え、未来へと歩みを進めようとする孔七の決意には胸を打たれました。歴史を変えてもなお、避けられない運命の残酷さと、それでも前を向こうとする人間の強さが描かれており、深く考えさせられました。
特に印象的だったのは、蕭山と孔七の再会シーンです。五百年の時を経て、異なる立場で再会した二人。蕭山は孔七に故人の面影を重ね、孔七は蕭山との新たな縁を紡ぎ始める。この出会いが、今後の物語にどのような影響を与えるのか、非常に楽しみです。
一方、寒生と春妖の関係にも新たな進展がありました。寒生が宿書の女神であり、二人が前世からの縁で結ばれているという事実は、二人のロマンスに更なる深みを与えています。しかし、寒生の体内に宿る春妖の真気は、二人の関係に影を落とす不穏な要素でもあります。この真気が二人の運命をどのように左右するのか、今後の展開が不安でもあり、期待でもあります。
つづく