あらすじ

第16話は、南淵国で起こる不可解な事件と、様々な勢力の水面下での駆け引きを中心に展開します。病に倒れた国王は突如回復しますが、その陰には神医が赤羽人魚を用いた治療を行ったという噂が広まります。赤羽人魚を捕らえるため、国王と懷安かいあん公主は漁に出かけますが、沈慈しんじだけが法宝を使って捕獲に成功し、その後すぐに解放します。一方、偽物の国王によって服を汚された寒生かんせいは、川辺で洗濯をしている最中に人魚の姿に戻ってしまい、捕らえられてしまいます。駆けつけた春妖しゅんようは、寒生かんせいを自分のペットだと主張し、解放を求めます。同時に、北陸国の刺客である許城逸きょじょういつは、沈慈しんじに暗殺の機会を逃すべきではないと忠告します。沈慈しんじは同族の赤羽人魚であるこうと出会い、危機に陥った時に助けを求めることができる真珠を受け取ります。国王の気配に違和感を覚えた春妖しゅんようは、赤羽人魚捕獲の手伝いをするために残ることを決意します。物語が進むにつれ、偽の国王の真の目的と、登場人物たちの複雑な関係が徐々に明らかになっていきます。

ネタバレ

南淵国の王の弟は、兄の余命が短いことを悟り、王になりすます計画を企てる。同時に、春妖しゅんようは南淵国に赤羽魚せきうぎょ人が現れたことを知り、翌朝、寒生かんせいと共に調査に向かうことにする。寒生かんせいは自身の結婚を心配し、王から求婚されることを恐れて断ろうとするが、失敗に終わる。

病に伏していた南淵国の王は、突如回復する。赤羽魚せきうぎょ人を薬として使った名医のおかげだと噂される。赤羽魚せきうぎょ人を捕らえるため、王は公主の懷安かいあんと共に漁に出かける。公主は腕利きの漁師を集めるが、誰も成功しない。そこに沈慈しんじが現れ、法宝を川に投げ入れると、間もなく赤羽魚せきうぎょ人が捕らえられる。しかし、沈慈しんじは予期せぬ事態に不安を感じ、法宝を開けて魚人を逃がしてしまう。

懷安かいあん公主はこれを見て、沈慈しんじを責める。謝長夜しゃちょうやは、捕らえてから逃がしたのではなく、任務のためだと説明する。許城逸きょじょういつ沈慈しんじの優柔不断さを非難し、王を暗殺する機会を逃すなと忠告する。彼らは北陸国から来た刺客であり、許城逸きょじょういつ自身は人質として南淵国に滞在しているため、彼の安全は母の安全に繋がるのだ。

春妖しゅんよう寒生かんせいを連れて南淵国に到著する。寒生かんせいが若く美しい王を見た時、偽物の王は術を使い寒生かんせいの服を汚す。寒生かんせいは川辺で服を洗っていると、黒い煙に巻き込まれ川に落ちてしまう。沈慈しんじが法宝で魚を捕らえようとした時、人魚の姿になった寒生かんせいが捕まってしまう。沈慈しんじ寒生かんせいの正体が女性であることに驚く。逃げられない寒生かんせいのもとに偽物の王が現れ、危害を加えるつもりはないと言う。

春妖しゅんようは駆けつけ寒生かんせいを助け、王に寒生かんせいは自分のペットだと説明し、返すように要求する。王との衝突を避けるため、春妖しゅんようは本当の赤羽魚せきうぎょ人探しに協力することを約束する。

その後、沈慈しんじ赤羽魚せきうぎょ人のこうと出会い、二人は共に赤羽魚せきうぎょ人であることが明らかになる。こう沈慈しんじに真珠を渡し、必要な時は助けに来ることを約束する。謝長夜しゃちょうやはこの場面を目撃し、沈慈しんじに渡そうとしていた贈り物を渡せずに終わる。

春妖しゅんようは南淵国に異変を感じ、王の気配がおかしいことに気づく。そのため、赤羽魚せきうぎょ人捕獲の協力を続けることに決める。物語が進むにつれ、様々な勢力間の対立が深まり、偽物の王の真の目的がますます謎めいていく。

第16話の感想

第16話は、偽りの王の登場により、物語が大きく動き出したと言えるでしょう。病弱だった王が突然回復し、しかも若々しくなったことに違和感を覚える春妖しゅんようの描写が印象的でした。彼の鋭い嗅覚は、今後の展開において重要な役割を果たしそうです。

寒生かんせいが人魚の姿に変身してしまうシーンは、物語にファンタジー要素を強く印象付けました。そして、沈慈しんじが同じく赤羽魚せきうぎょ人であるこうと出会い、真珠を受け取るシーンは、今後の彼女たちの関係性、そして赤羽魚せきうぎょ人という存在の謎を深める重要な場面だったと言えるでしょう。沈慈しんじは任務と仲間の間で揺れ動く心情が繊細に描かれており、彼女が今後どのような選択をするのかが気になります。

一方、謝長夜しゃちょうや沈慈しんじに贈り物を渡せないまま終わるシーンは、二人の間に何かしらの変化が起きることを予感させます。また、許城逸きょじょういつ沈慈しんじに対する厳しい言葉は、彼の置かれた立場や北陸国との関係性を改めて示すものでした。

つづく