あらすじ

第17話は、国王・霊均れいじゅん寒生かんせい、そして春妖しゅんようを中心に展開します。霊均れいじゅんは表向き寒生かんせいに大変友好的に接し、彼女と春妖しゅんようを宮殿での食事に招待しますが、実際は春妖しゅんようを毒殺しようと企んでいました。計画の失敗が露呈すると、彼は侍女を叱責するふりをし、自身の陰謀を隠蔽します。

一方、懷安かいあん公主は謝長夜しゃちょうやに好意を抱き、彼を利用して霊均れいじゅん沈慈しんじの排除を企てます。様々な出来事の中で、謝長夜しゃちょうや沈慈しんじの傷の手当てをし、懷安かいあんと密かに計画を練ります。寒生かんせい春妖しゅんようと共に赤羽魚せきうぎょを引き寄せる薬草を探し続けることに固執します。

そしてついに、ある外出の際、懷安かいあんの指示を受けた沈慈しんじ霊均れいじゅんの暗殺を試みます。しかし霊均れいじゅんは既に準備を整えており、飛んでくる矢を腕に掠めさせ、この機会を利用して寒生かんせいとの距離をさらに縮めます。寒生かんせいは怪我をした霊均れいじゅんをより一層気遣い、それを見た春妖しゅんようは不満を露わにし、霊均れいじゅん寒生かんせいに対して邪な考えを抱かないよう警告します。

ネタバレ

霊均れいじゅん国王は寒生かんせいに非常に優しく、春妖しゅんようと共に食事に招待する。席で霊均れいじゅん寒生かんせいを特別扱いし、平民と食事を共にする国王に春妖しゅんようは違和感を覚える。霊均れいじゅんは民に寄り添いたいと説明し、春妖しゅんように食事を促す。寒生かんせい春妖しゅんようが箸をつけないので、一人で食べ始める。その時、霊均れいじゅんは料理に毒があると警告。驚く寒生かんせい霊均れいじゅんは料理を運んだ侍女を責め、牢に閉じ込める。暗殺未遂と見せかけるが、実際は春妖しゅんようを狙ったものの失敗し、次の機会を伺う霊均れいじゅんだった。

一方、懷安かいあんは捕らえた赤羽魚せきうぎょ人が偽物だと疑い、沈慈しんじを拷問する。謝長夜しゃちょうやが駆けつけ沈慈しんじを弁護、懷安かいあんは好意を寄せる謝長夜しゃちょうやの頼みで沈慈しんじを解放する。

夜、春妖しゅんようは屋根の上から宮廷の様子を探り、寒生かんせいも一緒に登る。春妖しゅんよう赤羽魚せきうぎょを引き寄せる草を探しに行くと言い、寒生かんせいに宮廷で自分の身を守るよう伝える。しかし、寒生かんせい霊均れいじゅんの優しさよりも春妖しゅんようと一緒にいたいと告げ、同行を望む。

鞭打ちの傷だらけの沈慈しんじに、謝長夜しゃちょうやが薬を塗る。あと一年で自由になれると伝える謝長夜しゃちょうやだが、自身の気持ちは告げず、二人の関係は曖昧なまま。

懷安かいあん公主は謝長夜しゃちょうやに求婚を迫るが、断られる。懷安かいあんは協力すれば全てを与え、未来の国王の座も約束する。成功の暁には、沈慈しんじ霊均れいじゅんの暗殺をさせ、その後、謝長夜しゃちょうやを即位させると言う。懷安かいあんはこれで霊均れいじゅん沈慈しんじを同時に排除できると考えている。

霊均れいじゅんは仙界で寒生かんせいに肉体を与えた過去を思い出す。寒生かんせいは自分を父と呼ぶべき存在。用心深い春妖しゅんように対し、苦肉計を使うことを決意する。

翌日、魚鱗草を探しに出かける春妖しゅんよう霊均れいじゅんも同行者を手配する。春妖しゅんようは一人で馬に乗り、霊均れいじゅん寒生かんせいと馬車に乗る。そこに懷安かいあんの護衛として謝長夜しゃちょうやが現れる。寒生かんせいは兄の謝長夜しゃちょうやが南淵国の人質になっていることに驚き、謝長夜しゃちょうや寒生かんせいに気づかないふりをする。

霊均れいじゅん寒生かんせいに優しく接し続け、春妖しゅんようは嫉妬し、霊均れいじゅん寒生かんせいへの邪な思いを抱かないよう警告する。

謝長夜しゃちょうや懷安かいあん沈慈しんじを潜ませ、霊均れいじゅん暗殺の準備を進める。河辺で懷安かいあん謝長夜しゃちょうやに、沈慈しんじが成功したら彼女を殺すと告げる。この会話を水中の魚人・こうが聞き、沈慈しんじに真実を伝えるが、沈慈しんじ謝長夜しゃちょうやが何をしようと後悔しないと答える。

春妖しゅんよう謝長夜しゃちょうやが魚鱗草を見つけ採取しようとした時、覆面の沈慈しんじ霊均れいじゅんに矢を放つ。霊均れいじゅんはこれを予期しており、好機と捉える。寒生かんせい霊均れいじゅんを守ろうとするが、霊均れいじゅん寒生かんせいを抱きしめ、矢は腕をかすめる。霊均れいじゅんは毒に侵されるが、純陽の力で傷口を封じる。寒生かんせい春妖しゅんようを気にせず、負傷した霊均れいじゅんと共に帰る。

第17話の感想

第17話は、それぞれの思惑が複雑に絡み合い、緊張感が高まる展開でした。特に霊均れいじゅんの狡猾さが際立ち、寒生かんせいへの優しさの裏に隠された冷酷な計算にゾッとさせられます。春妖しゅんようを排除しようと毒を盛ったり、寒生かんせいを利用して苦肉計を演じたりと、目的のためには手段を選ばない様子が恐ろしいです。

対照的に、春妖しゅんようは一途に寒生かんせいを想い、危険を顧みず彼女を守ろうとする姿が印象的です。しかし、寒生かんせい霊均れいじゅんの優しさに揺れ動き、春妖しゅんようとの間には微妙な空気が流れています。二人の関係に亀裂が生じるのではないかと、今後の展開が心配になります。

また、謝長夜しゃちょうや沈慈しんじの主従関係にも変化が見られました。謝長夜しゃちょうや沈慈しんじを助けようとする優しさを見せる一方で、懷安かいあんの策略に巻き込まれ、沈慈しんじを危険にさらしてしまう葛藤を抱えています。沈慈しんじはそんな謝長夜しゃちょうやに絶対的な忠誠を誓い、彼の命令ならばどんなことでもするという覚悟が切ないです。

つづく