あらすじ
第19話は、寒生、沈慈、霊均、そして春妖の間の複雑な関係とやり取りを描いています。
寒生は、沈慈が人魚の心臓の血を得る手助けをしてくれることを知りますが、沈慈自身の用事が済むまで待つ必要があります。
一方、霊均は、春妖が自分の魚人を逃がしたことで彼女を責めます。そして、春妖が寒生を連れ戻り、その際に自身を傷つけたことで、二人の間の対立は深まります。
寒生が気を失ったことで、春妖は彼女を霊婆のところへ連れて行き、治療を受けさせます。その過程で、春妖が寒生の精気を吸収していたことが判明します。霊婆は、春妖の霊力の三割を千年霊芝と交換することを提案し、霊均はこの状況を利用して霊婆に春妖を退治させようとします。しかし、霊婆はすぐには行動を起こしません。
寒生は春妖に沈慈の本当の身分を明かし、春妖は霊均が蜘蛛の精に噛まれたことを知ります。
最後に、沈慈は謝長夜の心の中での自分の位置を知るために、謝長夜の約束を得るまで三日待つことを要求します。同時に中秋節が近づき、霊均は寒生のために灯籠の贈り物を用意し、登場人物たちの複雑に絡み合った感情の絆が描かれています。
ネタバレ
寒生は沈慈と兄の間に深い物語があることを知り、感慨深げだった。しかし、今の謝長夜はまだその事実を知らず、沈慈が術を使う人魚だとしか思っていない。寒生は南淵国へ人魚の心頭血を取りに行く目的を沈慈に明かし、それが人魚に三年分の元気を損なわせることを伝える。沈慈は寒生を助ける意思を示すが、自分の用事を済ませてからだと条件をつける。
一方、霊均は春妖を訪ね、人魚を逃がしたことを責めた。寒生を捕らえることができれば良かったものの、春妖は寒生を取り戻し、霊均を負傷させてしまう。春妖が霊均に手を出したのを見た寒生は慌てて仲裁に入り、霊均はただの人間だからと春妖をなだめる。しかし、寒生が霊均の味方をしたことで春妖はさらに怒り、再び妖力を発動しようとする。その時、寒生が突然倒れてしまい、霊均と春妖は驚き、争いを中断する。春妖は霊婆に寒生の診察を頼みに行き、霊均も同行することに。道中、寒生を巡って二人は再び口論になり、寒生は困り果て、仲良くするように頼む。
霊婆の住処は不気味な雰囲気で、提灯に導かれて進む一行。寒生は春妖にしがみつき、恐る恐る進む。しかし、現れた霊婆は意外にも少女の姿をしていた。霊婆は寒生の首に針を刺し、寒生は気を失う。霊婆は春妖に、寒生の寿命が尽きかけていること、そして春妖が寒生の元気を吸収していることが原因だと告げる。最終的に不利益を被るのは春妖だと霊婆は言う。霊婆は千年霊芝を持っているが、春妖の千年分の霊力の三割を交換条件として提示する。霊芝を取りに行った霊婆は、霊均も中に招き入れる。霊婆は霊均も妖だと見抜き、何か頼み事があると考えたのだ。霊均は霊婆に春妖を殺すよう依頼し、成功報酬として幽精を渡すと約束する。春妖の妖力は強いため、霊婆は寒生を使って春妖の霊力を吸収させ、弱らせてから殺す計画を立てる。
霊婆の診察後、意識を取り戻した寒生は春妖に、本当の赤羽人魚は衡ではなく沈慈だと明かし、春妖を驚かせる。霊均について尋ねると、春妖は霊婆の物を勝手に触って蜘蛛の精に噛まれ、外で暴れていると伝える。寒生は急いで霊均の元へ駆けつけると、木の枝を振り回し、顔はパンダのように腫れ上がった霊均の姿があった。あまりの恥ずかしさに霊均は寒生に顔を見られたくない様子。
沈慈は謝長夜を訪ねると、テーブルには沈慈の大好物である桂花糕が置かれていた。以前、謝長夜はよく沈慈にこの菓子を贈っていたのだ。
霊均は春妖にもう少し滞在するように勧めるが、春妖は霊均が寒生と少しでも長く一緒にいたい魂胆だと見抜き、相手にしない。そこに寒生が現れ、春妖を遊びに誘う。霊均は面白くない様子で、自分を外さないように言う。中秋節が近づいていることを思い出した霊均は、去年寒生から提灯を贈られたことを思い出し、自分も寒生に提灯を贈ろうと考える。
春妖は寒生に提灯を贈り、その後沈慈の元へ向かい、心頭血を求める。沈慈は三日待つように言い、謝長夜からの約束を待つ必要があると告げる。沈慈は謝長夜にとって自分がどのような存在なのかを知りたがっていた。
第19話の感想
第19話は、登場人物たちの複雑な感情とそれぞれの思惑が交錯する、見応えのあるエピソードでした。特に、寒生を巡る春妖と霊均の対立は、今後の展開を暗示する重要なシーンと言えるでしょう。
春妖は寒生への強い愛情を抱いているものの、素直になれず、つい意地悪をしてしまう様子が描かれています。一方、霊均もまた寒生に好意を抱いており、春妖への嫉妬から、霊婆に春妖を殺すよう依頼するという衝撃的な行動に出ました。二人の対立は、寒生を巻き込み、さらに大きな波紋を広げていくことが予想されます。
また、沈慈と謝長夜の関係にも注目です。沈慈は謝長夜に自分の気持ちを伝えたいと考えているようですが、謝長夜の本心はまだ明かされていません。二人の関係が今後どのように進展するのか、今後の展開が楽しみです。
さらに、霊婆の存在も物語に不気味な影を落としています。少女の姿をした霊婆は、妖力を使って登場人物たちを翻弄し、物語を混沌へと導いていくようです。彼女の真の目的は何なのか、今後の展開で明らかになることを期待します。
つづく