あらすじ

第二十話は、寒生かんせいの身分が明らかになり、彼女と周囲の人々との複雑な感情の縺れを中心に展開します。

霊均れいじゅんから贈られた灯籠を受け取った寒生かんせいは、彼に求婚されます。しかし、自身に怪病が巣食っていることから、その申し出を断ります。一方、謝長夜しゃちょうや沈慈しんじの仲は深まっていきます。

翌日、懷安かいあん寒生かんせいの正体が北陸国の公主であることを突き止め、許城逸きょじょういつに対し、中秋の夜に彼女に求婚することで、身分を隠していた罪を不問にするよう迫ります。

そして中秋の夜、寒生かんせいの身分が公になります。霊均れいじゅんは再び求婚しますが、謝長夜しゃちょうや霊均れいじゅんに、自分と懷安かいあんの結婚を認めてくれるよう頼みます。

寒生かんせいの選択に心を痛めた春妖しゅんようは、彼女のもとを去ろうとしますが、寒生かんせいからの説明を受け、彼女の将来を案じ、共にいることを決意します。

最後に、春妖しゅんようは病に伏せる寒生かんせいに護符として玉霊珏を渡します。しかしその時、霊均れいじゅんに邪気が取り憑いていることに気づき、彼の真意を疑い始め、寒生かんせいたちを守るため残ることを決めます。

ネタバレ

霊均れいじゅん寒生かんせいに灯籠を贈り、一緒に灯籠見物へと誘った。寒生かんせいは自らの数奇な運命と病に嘆くが、霊均れいじゅんは彼女を支えたいと求婚する。しかし、この場面を春妖しゅんようが目撃してしまう。春妖しゅんよう寒生かんせいへの贈り物の灯籠を手に、戸惑いを隠せない。寒生かんせい霊均れいじゅんの求婚を断り、部屋へと戻る。春妖しゅんようを訪ねるも、彼は会おうとしない。この様子を見た霊均れいじゅんの心はさらに複雑になる。

謝長夜しゃちょうや沈慈しんじへの想いを確かめ、二人は親密な関係となる。

翌日、懷安かいあん寒生かんせいが北陸国の王女であることを知り激怒。謝長夜しゃちょうやを呼び詰問する。懷安かいあん許城逸きょじょういつが中秋の夜に求婚すれば罪を不問にすると約束するが、同時に霊均れいじゅんを殺し、寒生かんせいを皇后にするよう要求する。許城逸きょじょういつは仕方なく承諾する。

中秋の夜、群臣が集まる中、懷安かいあん寒生かんせいの正体を暴露する。春妖しゅんよう寒生かんせいがただの侍女だと主張し、証拠を求める。謝長夜しゃちょうやが現れ、寒生かんせいが妹の謝長婉しゃちょうえんであることを明らかにする。霊均れいじゅん寒生かんせいに求婚する。寒生かんせいが返事をする前に、謝長夜しゃちょうや霊均れいじゅん懷安かいあんとの結婚を認めてほしいと願い、霊均れいじゅんは南北両国の停戦に同意する。

寒生かんせい春妖しゅんように選択を迫られたと感じ、彼を追いかける。春妖しゅんよう霊均れいじゅんに頼まれ、寒生かんせいの将来のため身を引くことを決意していたのだ。

沈慈しんじ謝長夜しゃちょうや懷安かいあんの結婚を知り悲しみに暮れる。春妖しゅんよう沈慈しんじを慰め、百霊潭へ誘うが、沈慈しんじ春妖しゅんよう寒生かんせいを諦められるかと問い詰める。

春妖しゅんようは病む寒生かんせいを見舞い、玉霊珏を渡す。そこへ霊均れいじゅんが現れ、春妖しゅんようは玉霊珏が結婚祝いだと告げて去る。しかし、霊均れいじゅんが玉霊珏に触れると火傷を負ってしまう。春妖しゅんよう霊均れいじゅんに邪気を感じ、玉霊珏を取り戻す。

春妖しゅんよう霊均れいじゅんの真意を疑い始める。霊婆れいばの言葉を思い出し、霊均れいじゅんに問題があるのではと考え、寒生かんせいたちを守るため残ることを決意する。

第二十話 感想

第二十話は、様々な感情が交錯する、非常にドラマチックな展開でした。寒生かんせいをめぐる春妖しゅんよう霊均れいじゅんの想いが切なく、胸を締め付けられます。特に、春妖しゅんよう寒生かんせいの幸せを願い、自ら身を引く決断には心を打たれました。霊均れいじゅんの優しさの裏に潜む闇も気になり、今後の展開が予測できません。

寒生かんせいは、自分の出自や病、そして二人の男性の間で揺れ動く難しい立場に置かれています。彼女が最終的にどのような選択をするのか、目が離せません。

また、謝長夜しゃちょうや懷安かいあん沈慈しんじの関係も大きな変化を迎えました。謝長夜しゃちょうや懷安かいあんの結婚は、国同士の争いを終結させるための政略結婚ではありますが、沈慈しんじの悲しみは深く、彼女の今後の動向も気になります。

つづく