あらすじ

第二十二話では、謝長夜しゃちょうや沈慈しんじが協力して霊均れいじゅんを倒そうと試みるも、失敗に終わります。そこに寒生かんせいが現れ、自身の虫毒を解いた後、霊均れいじゅんを攻撃し、深く傷つけました。霊均れいじゅんは刺されたものの法力を失わず、南淵国を鬼城に変えると誓います。沈慈しんじ赤羽魚せきうぎょの心臓の血を用いて霊均れいじゅんを一時的に退け、春妖しゅんようとの約束を果たします。そして、謝長夜しゃちょうやに自らの身分と恩返しの経緯を明かしたのち、息を引き取りました。謝長夜しゃちょうやは深い悲しみに暮れます。

一方、春妖しゅんよう寒生かんせいを百霊潭へ連れて帰り、宿書しゅくしょから寒生かんせいの前世について知ります。北斗星君ほくとせいくん春妖しゅんように、寒生かんせいが彼女の劫難であると告げます。それでも寒生かんせい春妖しゅんようへの想いを諦めず、臘八粥を作って気持ちを伝えようとします。しかし、北斗星君ほくとせいくんの警告を受けた春妖しゅんようは迷い、結局待ち合わせ場所には行きませんでした。寒生かんせいは雪が降るまで待ち続けましたが、春妖しゅんようは彼を帰らせるために雪を降らせます。

ネタバレ

謝長夜しゃちょうや沈慈しんじは力を合わせ、霊均れいじゅんを倒そうとしました。その時、寒生かんせい春妖しゅんようの元を訪れ、体内の毒虫を排出しました。しかし、長夜と沈慈しんじの連合攻撃でも霊均れいじゅんには敵わず、沈慈しんじ霊均れいじゅんがただの魔物ではないと悟ります。すると、毒から解放された寒生かんせい霊均れいじゅんに斬りかかり、深く傷ついた霊均れいじゅんは、最愛の人に裏切られた悲しみに暮れます。

寒生かんせいに絶望した霊均れいじゅんは、傷を負ってもなお力を失わず、南淵国を鬼城に変えようと企む。沈慈しんじはそれを阻止するため、赤羽魚せきうぎょの心頭血を使い霊均れいじゅんを撃退する。天魔である霊均れいじゅんは完全に消滅させることはできず、鎮圧することしかできないのだ。撃退された霊均れいじゅんは最後の血を春妖しゅんように渡し、約束を果たす。長夜に抱えられた沈慈しんじは、かつて長夜に助けられた小魚が自分自身であり、ずっと恩返しをしていたことを明かす。長夜は深い悲しみに沈み、沈慈しんじを抱きかかえ南淵国を去り、来世での再会を誓う。

一方、春妖しゅんよう寒生かんせいを百霊潭へ連れ帰り、寒生かんせい宿書しゅくしょから前世での司卯しぼうによる陰謀を知る。その後、寒生かんせいの部屋を訪れると、まだ目覚めていない寒生かんせい春妖しゅんようの存在を感じ取り、抱きついてキスをする。驚いた春妖しゅんようだったが、その拍子に寒生かんせいは目を覚まし、恥ずかしそうに春妖しゅんようから離れる。

北斗星君ほくとせいくん春妖しゅんようを訪ね、春妖しゅんよう寒生かんせいの前世について語る。北斗星君ほくとせいくんに全てを話すよう促され、彼は寒生かんせい春妖しゅんようの劫難であり、かつて春妖しゅんようが堕落したのも寒生かんせいのせいだと告げる。寒生かんせい春妖しゅんようにとって不吉な存在なのだ。

寒生かんせい孔澜こうらんに、彼と妻の烏裳うしょうの馴れ初めを聞き、恋愛について学ぼうとする。孔澜こうらんは臘八粥がきっかけで烏裳うしょうの心を掴んだと語り、寒生かんせい春妖しゅんようのために臘八粥を作る。しかし、春妖しゅんよう北斗星君ほくとせいくんの言葉を思い出し、寒生かんせいから距離を置こうとする。だが、寒生かんせいは臘八粥を無理やり飲ませ、翌日凌建樹の下で会う約束をする。春妖しゅんよう北斗星君ほくとせいくんの言葉を気にしつつも、寒生かんせいへの想いを抑えきれず、葛藤する。

翌日、寒生かんせいは臘八粥を持って凌建樹の下で春妖しゅんようを待つが、春妖しゅんようは姿を現さない。孔澜こうらんが現れ、凌建樹の下で待つと恋人になれるというのは嘘だと告げるが、寒生かんせいは雪が降っても春妖しゅんようが現れない限り信じないと答える。春妖しゅんようは雪を降らせ、寒生かんせいは諦めて立ち去る。

無垠ぶぎん童謡どうように、君上が霊力を込めた今年の臘八粥を必ず飲むように伝える。

寒生かんせい春妖しゅんようの元へ行き、自分のことを好きかどうか問い詰める。

第22話の感想

「悠久の縁~百霊潭~」第22話は、切なさと希望が入り混じる、印象的なエピソードでした。沈慈しんじの自己犠牲と、彼女と謝長夜しゃちょうやの悲恋は、胸を締め付けられるものがありました。長年、恩返しのためだけに生きてきた沈慈しんじの献身的な愛と、その真実を知った長夜の絶望は、深く心に響きます。二人の来世での再会を願わずにはいられません。

一方、春妖しゅんよう寒生かんせいの関係は、新たな局面を迎えます。前世の因縁や、北斗星君ほくとせいくんの言葉によって、春妖しゅんよう寒生かんせいへの想いと、彼女がもたらす災いとの間で葛藤します。寒生かんせいの純粋な愛情表現とは裏腹に、春妖しゅんようの複雑な心境が繊細に描かれており、今後の展開が気になります。寒生かんせい春妖しゅんようのために作った臘八粥は、二人の関係を象徴するアイテムとして、切ない余韻を残します。

つづく