あらすじ
第26話は、寒生と春妖の誤解が解け、司瞳の運命が大きく動き出す物語です。
寒生は春妖に許しを請うため、蘭の種を贈り物として用意しました。当初は誤解から春妖の怒りを買ってしまいますが、蝶々の出現が二人の間のわだかまりを解き、関係は修復されます。
一方、五色魔蓮を持つ司瞳は追手に追われていました。霊均は彼を救い出し、魔蓮の秘密を明かします。昆侖鏡が完成する日が、すなわち司瞳の命日だと告げたのです。大局のため、司瞳を犠牲にするという無垠の選択を知り、司瞳は裏切られたと感じ、真の魔へと堕ちる決意を固めます。
霊均はこの機に乗じ、司瞳の無垠への怨恨をさらに深め、ある芝居を仕掛けます。無垠と春妖が結託して自分を陥れようとしていると、司瞳に誤解させるのです。そして、再び霊均が救いの手を差し伸べ、司瞳を連れ去ります。同時に、春妖たちへの憎しみを更に増幅させるのでした。
その後、春妖は司瞳を誤解していたことに気づき、魔気の出どころが司瞳ではなく司卯であることを突き止めます。
ネタバレ
孔澜は寒生に、春妖の機嫌を取れば許すと伝え、寒生は急いで春妖への贈り物を用意しました。しかし、寒生が全財産を費やして買った蘭の種を、春妖はお茶と間違えて飲んでしまいます。事情を知った春妖は激怒し、贈り物に説明書きも付けなかった寒生を責めました。寒生は蘭の種が蝶を呼ぶと説明し、実際に春妖の周りに蝶が集まると、春妖の怒りは収まりました。春妖は、自分を仲間外れにしているように感じたから怒ったのだと打ち明け、寒生は春妖が自分を大切に思ってくれていることを知り喜びました。
一方、司瞳は行くあてもなく彷徨い、食べ物を盗もうとしたところを衛兵に見つかりました。衛兵たちは、無垠が司瞳のせいで軟禁されていると責め立て、捕まえようとしますが、そこに霊均が現れ、衛兵を倒して司瞳を連れ去ります。霊均は司瞳に、春妖が彼を狙うのは五色魔蓮のためだと告げ、司瞳から魔蓮を取り出しました。そして、自分は魔蓮と双子であり、花が咲く時、つまり昆侖鏡が完成する時が司瞳の命日だと宣告します。
寒生は司瞳がまだ百霊潭にいることを知り、孔澜に捜索を命じます。寒生は無垠が悲しむことを心配しますが、春妖は蒼生のためには仕方がないと告げます。無垠もまた、女神像の前で、魔蓮を託された時に人間に変化するとは知らされていなかったと嘆き、師弟の情が芽生えた今、昆侖鏡を完成させるために司瞳を犠牲にすることは耐え難いと訴えます。春妖と無垠の会話を霊均と司瞳は目撃してしまい、司瞳は昆侖鏡のために自分が捨てられることを知り、絶望します。そして、本当の魔物になってやると決意します。
霊均は司瞳が魔に落ちたことを見抜き、魔気を利用して百霊潭を攻撃します。無垠は自分の善意が百霊潭の生き物たちに害を与えていることを知り、春妖に罪を償いたいと申し出ます。
街を彷徨う司瞳は、親子で字の練習をする様子を見て、無垠と過ごした幸せな日々を思い出します。しかし、今の司瞳には、無垠の真意が分かりません。街の妖怪たちの会話から、無垠が処刑されることを知った司瞳は、彼を助けに向かいます。霊均はそれが春妖の罠だと警告しますが、司瞳は聞き入れません。
刑場に到著した司瞳は、孔澜が無垠の法力を奪い、司瞳の居場所を聞き出そうとする場面に遭遇します。無垠は司瞳を守ろうと口を割りません。感動した司瞳は姿を現しますが、春妖の術によって捕らえられます。実は、処刑されていたのは春妖が化けた偽物の無垠でした。本物の無垠は遠くから見守っていました。師にも裏切られたと悟った司瞳は深く傷つき、無垠に抱きつかれた瞬間、春妖の拘束を破り、無垠を人質に取りました。春妖が司瞳を捕らえようとしたその時、霊均が現れ、司瞳を連れ去ります。これは霊均が仕組んだことで、司瞳に憎しみを抱かせることが目的でした。
春妖は寒生に、司瞳の魔気は司卯のものであり、司瞳を誤解していたと告げます。
第26話の感想
第26話は、登場人物たちの複雑な感情とそれぞれの思惑が交錯する、非常にドラマチックな展開でした。特に、司瞳の絶望と怒りは胸を締め付けられます。これまで無垠を深く慕い、信頼していた司瞳にとって、昆侖鏡のために自分が犠牲にされようとしているという事実は、あまりにも残酷です。街で親子が字の練習をする光景を見て、かつて無垠と過ごした幸せな日々を思い出すシーンは、彼の純粋さと脆さを際立たせており、見ているこちらも涙を誘われます。
そして、無垠の苦悩もまた深いものがあります。愛弟子である司瞳を救いたいという気持ちと、蒼生を救うという使命の間で揺れ動く姿は、彼の責任感と優しさを表しています。偽物の無垠を使って司瞳をおびき出すという春妖の作戦は、非情ながらも効果的であり、物語の緊張感を高めました。
霊均の暗躍も不気味さを増しています。司瞳を魔へと誘導し、春妖への憎しみを植え付ける彼の真意は何なのか、今後の展開が非常に気になります。
つづく