あらすじ

第二十七話では、無垠ぶぎん司瞳しとう司卯しぼうに捕らえられ、魍魎淵に閉じ込められました。百霊潭を魔界に変えようとする司瞳しとうの恨みと復讐に対し、無垠ぶぎんは自らの過ちを認め、内丹を抵当に差し出し、彼女の暴挙を止めようと説得を試みます。

緊迫したその時、春妖しゅんようは数珠を用いて、魔に堕ちかけた司瞳しとうを抑え込みます。この過程で無垠ぶぎん司瞳しとうへの真心を示し、ついに彼女の心を動かしました。司瞳しとうは破壊行為を断念し、元の心を取り戻します。

同時に、春妖しゅんよう寒生かんせいの関係も修復され、二人は平穏な生活に戻ることができました。また、捕らえられた司卯しぼうは、これまで春妖しゅんようを守るために行動していたことが明らかになり、いつか春妖しゅんようが真実を尋ねに戻ってくるだろうと予言します。

最後に、孔澜こうらんは百妖の祝賀会を開くことを提案し、平和を喜び合います。春妖しゅんようは街中で巧みに寒潭かんたん神女の肖像画を寒生かんせいの姿に変え、物語は幕を閉じます。

ネタバレ

無垠ぶぎん司瞳しとう司卯しぼうに捕らえられ、魍魎淵に閉じ込められました。司瞳しとう無垠ぶぎんへの恨みを募らせていました。自分を家族のように思っていたのに、裏切られたと感じていたのです。司瞳しとうは魔に堕ち、百霊潭を魔界に変えようと決意します。魔道に進む司瞳しとうの行動はすぐに春妖しゅんようの耳に入り、無垠ぶぎんもまた、司瞳しとうが魔力を得て鎖を断ち切ったことを知り、止めようとします。

春妖しゅんようが駆けつけ司瞳しとうに手を引くよう説得しますが、司瞳しとうは逆に寒生かんせいを人質に取り、春妖しゅんよう寒生かんせいと百霊潭のどちらを救うか迫ります。天下を優先するよう寒生かんせいに促され、司瞳しとう寒生かんせいを殺そうとしますが、その時無垠ぶぎんが現れ、自分が悪いと言い、司瞳しとうを傷つけたのも自分だと訴えます。しかし司瞳しとうは信じず、無垠ぶぎんは自分の内丹を司瞳しとうに差し出し、約束を果たせなければ消滅すると誓います。司瞳しとうが迷う中、春妖しゅんよう寒生かんせいを救出します。

再び裏切られたと感じた司瞳しとうは、怒り狂い魔法で世界を滅ぼそうとします。完全に魔に堕ちた司瞳しとうに対し、春妖しゅんよう北斗星君ほくとせいくんから授かった数珠を思い出します。昆侖鏡こんろんきょうが完成するまで、妖魔を鎮圧できる力を持つ数珠です。数珠の力で抑え込まれてもなお抵抗する司瞳しとうを、無垠ぶぎんは身を挺して庇い、苦しみを和らげようとします。その姿を見て、司瞳しとうは師である無垠ぶぎんの愛情を改めて感じます。互いの真情に心を打たれた二人は、魔蓮と化し司卯しぼうを捕らえ、春妖しゅんように引き渡します。魔気が消え、昆侖鏡こんろんきょうの必要もなくなった春妖しゅんようは、寒生かんせいと再び穏やかな日々を送ることになります。

春妖しゅんようは魍魎淵に囚われた司卯しぼうに、なぜ自分に敵対するのか問いただします。司卯しぼうの中の霊均れいじゅんは、春妖しゅんよう寒生かんせいと一緒にいると命を落とすと告げます。それは自分の意思ではなく、天意だと。霊均れいじゅんは全てを話そうとしますが、春妖しゅんようは今は寒生かんせいと一緒にいられればそれで良いと言い、その場を去ります。司卯しぼう(霊均れいじゅん)は、春妖しゅんようが必ず戻ってきて真実を問うだろうと考えます。

孔澜こうらん司卯しぼうが捕らえられたことを祝って百妖の宴を開くことを提案し、春妖しゅんよう寒生かんせいとの時間を過ごす良い機会だと賛同します。

街で春妖しゅんようは、寒潭かんたん神女の絵を売る露店を見つけます。しかし絵は男のように描かれており、春妖しゅんよう寒生かんせいの姿に変えて、これからはこの姿で描くようにと指示します。

第27話の感想

第27話は、これまでの伏線が回収され、様々な感情が交錯する感動的なエピソードでした。特に、司瞳しとう無垠ぶぎんの師弟愛に胸を打たれました。司瞳しとう無垠ぶぎんへの複雑な感情、裏切りへの怒り、そして最終的に師の愛を再確認するシーンは、涙なしには見られません。魔に堕ちてなお、心の奥底では師を慕っていた司瞳しとうの苦悩が伝わってきて、非常に切ない展開でした。

無垠ぶぎんもまた、司瞳しとうを守るため、自らの身を犠牲にする覚悟を見せました。二人の強い絆が、最終的に世界を救う鍵となったことは、非常に感慨深いです。春妖しゅんよう寒生かんせいの愛も、物語に温かさを添えています。困難を乗り越え、再び平穏な日々を取り戻した二人の姿は、見ているこちらも幸せな気持ちになります。

一方、司卯しぼう/霊均れいじゅんの行動の真意はまだ完全には明かされていません。天意という言葉が意味深で、今後の展開が気になります。春妖しゅんようが真実を知った時、どのような仮応を見せるのか、二人の関係にどのような影響を与えるのか、注目したいところです。

つづく