あらすじ

第三話では、寒生かんせい春妖しゅんよう白扇はくせんを探す物語が展開されます。春妖しゅんようの助けを借りて姿を隠そうとする寒生かんせいでしたが、腕輪が壊れてしまい、再び侍に見つかってしまいます。幸いにも春妖しゅんように救われ、二人は酒楼で食事をとることになりました。

そこで、霊台山伽藍天師の筆頭弟子である不凡ふはんと遭遇します。不凡ふはん春妖しゅんようの妖気に気づき攻撃を仕掛けますが、酒楼の店主が間に入り誤解は解けます。この時、春妖しゅんよう白扇はくせんの行方を見つけ出しました。

寒生かんせいは、白扇はくせんが美貌で花嫁を誘惑するのを目撃します。春妖しゅんよう白扇はくせんを捕らえようとした際、寒生かんせいは思わず白扇はくせんをかばってしまい、春妖しゅんようは術を使うことができませんでした。白扇はくせんは逃走し、春妖しゅんよう寒生かんせいは追跡を続けます。その途中で、同じく妖怪を退治しようとする不凡ふはんと再び出会います。

夫である劉雲蘇りゅううんそを救うため、白扇はくせんはどんな犠牲も払う覚悟で、春妖しゅんように立ち向かうことさえ厭いません。そして、司卯しぼうの導きによって昆侖鏡こんろんきょうの中に囚われた劉雲蘇りゅううんその姿を見た白扇はくせんは、彼を蘇らせる決意を固めます。

一方、不凡ふはん寒生かんせいを妖怪と勘違いして捕らえてしまいますが、春妖しゅんようは難なく寒生かんせいを救い出し、その強大な力を見せつけます。

ネタバレ

春妖しゅんよう寒生かんせいと共に白扇はくせんを探していました。街中で寒生かんせいの手配書を見かけた春妖しゅんようは、隠身のため寒生かんせいに腕輪を与えます。しかし、城門で寒生かんせいはうっかり腕輪を壊してしまい、正体を現してしまいます。衛兵に捕まりそうになった寒生かんせいを見て、春妖しゅんようは「なんてついてない奴だ」と嘆きながらも、再び寒生かんせいを救出します。

お腹を空かせた寒生かんせいにせがまれ、二人は酒楼へ。寒生かんせいの食べ方はまるで王女とは思えず、下女よりも酷い有様でした。食事中、窓の外に霊台山伽藍の天師の弟子、不凡ふはんが現れます。彼は街の人々に除魔の術を披露していましたが、春妖しゅんようの妖気を感じ取り、捕らえようとします。不凡ふはんの剣が春妖しゅんようの喉元を襲いますが、春妖しゅんようの術によって弾き返されます。その後、妖気は不思議なことに消えてしまいました。酒楼の店主は慌てて出てきて、不凡ふはんはまだ修行が足りないと弁解し、皆に気にしないように言います。不凡ふはんは悔しそうでしたが、春妖しゅんように謝罪し、すごすごと立ち去りました。しかし、春妖しゅんよう白扇はくせんの妖気が酒楼の近くにあることに気づきます。

トイレに行きたくなった寒生かんせいは、ある部屋で醜い花嫁を見つけます。そこに白扇はくせんが現れ、10年の寿命と引き換えに美貌を与えると言います。白扇はくせんが花嫁に術をかけようとした時、外に寒生かんせいがいることに気づき、捕らえようとします。そこへ春妖しゅんようが駆けつけ、白扇はくせんを捕らえようとしますが、寒生かんせいの傷跡が春妖しゅんようの術を阻んでしまいます。白扇はくせんはその隙に逃走します。何が起こったのか分からず困惑した春妖しゅんようは、寒生かんせいに自害を命じます。仕方なく春妖しゅんようの剣を受け取った寒生かんせいは自害を試みますが、死ぬことができません。寒生かんせいが自害しようとすると春妖しゅんようが苦しむため、春妖しゅんよう寒生かんせいを連れて再び白扇はくせんを探すことになります。

不凡ふはんは遊郭で妖を探していました。ある女性に妖気を感じ、連れ去ろうとしますが、女将は金を出さなければ連れて行けないと言います。不凡ふはんは金を持っていませんでしたが、そこに白扇はくせんが現れます。彼女も妖だと気づいた不凡ふはんが手を出す前に、春妖しゅんようも現れます。白扇はくせんは慌てて逃げ出し、春妖しゅんようは追跡します。森の中で白扇はくせんに追いついた春妖しゅんようは、白扇はくせんが夫の劉雲蘇りゅううんそのためにしたことだと聞きます。しかし、劉雲蘇りゅううんその件は白扇はくせんが聞いた話とは違っていました。春妖しゅんようは誰がその話をしたのか尋ねますが、白扇はくせん司卯しぼうが作り出した幻を自分が見たことだと主張し、春妖しゅんように襲いかかります。しかし、春妖しゅんよう白扇はくせんを殺さずに見逃します。逃げる白扇はくせんは、「忘川河畔で記憶を失った春水しゅんすい仙人…あなたもいつか私と同じようになる」と言い残します。

白扇はくせんが逃げた後、司卯しぼうが現れ、白扇はくせんの実力の無さを嘲笑います。そして、昆侖鏡こんろんきょう劉雲蘇りゅううんそを見るように促します。鏡の中には、白扇はくせんの助けを待っている劉雲蘇りゅううんその姿がありました。白扇はくせんは涙を流し、夫を必ず助けると誓います。

一方、不凡ふはん寒生かんせいを妖と間違えて捕らえていました。春妖しゅんようは追いつき、いとも簡単に寒生かんせいを救出します。不凡ふはんは怒りと悔しさでいっぱいでした。

第3話の感想

第3話は、ハラハラドキドキの展開で、特に春妖しゅんよう寒生かんせいの関係性に変化が見られたのが印象的でした。ドジで間抜けな寒生かんせいに振り回されながらも、彼女を守ろうとする春妖しゅんようの姿は、これまでの飄々とした雰囲気とは少し違っていました。まるで、守るべき存在ができたことで、春妖しゅんようの中に新たな感情が芽生え始めたかのようです。

白扇はくせんの登場も物語に深みを与えています。夫を救うため、手段を選ばない彼女の行動は、悲しい過去を背負っていることが伺えます。春妖しゅんようとの対比も興味深く、二人の今後の関係がどうなるのか、非常に気になります。

また、コメディ要素も健在で、寒生かんせいの食い意地のはり方や、不凡ふはんの空回りな努力には思わず笑ってしまいました。シリアスな展開の中に散りばめられたこれらのシーンは、物語の良いアクセントになっています。

つづく