あらすじ

第一話では、東荒の地で語り継がれる伝説の人物、東華帝君とうかていくんを中心に物語が展開されます。遠い昔、東華帝君とうかていくんは神将たちを率いて魔族を打ち破り、六界の主となりました。数十万年後、魔尊・緲落びょうらくが彼の権威に挑戦し、決戦の末、東華は自らの修为を犠牲にして緲落びょうらくを封印しますが、その代償に深い傷を負い、太晨宮で静養することになります。

一方、青丘の帝姫である白鳳九はくほうきゅうは修行に身が入らず、何かと騒動を起こしていました。そんなある日、偶然にも魔族の禁地へ迷い込んだ白鳳九はくほうきゅうは、封印されていた緲落びょうらくの霊識を呼び覚ましてしまいます。窮地に陥った彼女を救ったのは、他でもない東華帝君とうかていくんでした。この出来事をきっかけに、白鳳九はくほうきゅうは東華に恋心を抱くようになります。

東華の命の恩に報いるため、そして秘めた想いを胸に、白鳳九はくほうきゅうは自らの身分を隠し、仙娥となって九重天での新たな生活を始めます。これは、彼女にとって未知と挑戦に満ちた新たな旅の始まりとなるのでした。

ネタバレ

東荒の地、碧海蒼霊と呼ばれる場所で、万物から学び、神にも魔にもなれる力を持つ東華帝君とうかていくんがいました。彼は神を選び、孟昊もうこうを始めとする七十二神将を率いて魔族を鎮圧し、六界の主宰となりました。

数十万年後のこと、強大な魔尊・緲落びょうらくが現れ、東華に戦いを挑みます。激戦の末、蒼何剣と鎖魂玉をもってしても緲落びょうらくを倒せないことを悟った東華は、自らの修為を犠牲にして封印を作り、緲落びょうらくを魔族の禁地に閉じ込めました。緲落びょうらくは消えゆく間際、東華の大切なもの全てを地獄に変える呪いを残します。この大戦で重傷を負った東華は、太晨宮で療養し、水神連宋と親交を深めつつ、行方不明の孟昊もうこうの捜索を命じました。

一方、九重天の上は冷清としていましたが、下界には青丘という仙境がありました。青丘の帝姫である白鳳九はくほうきゅうは、皆に可愛がられていましたが、修行には興味がなく、洪荒衆神の試験以外は成績も良くありませんでした。口達者でよく言い訳をするため、夫子ふしに叱られ、罰として経文を書き写す日々を送っていました。

ある日、白真はくしん に書院へ誘われた鳳九は、その真意を見抜き、上手く逃げてしまいます。琴堯山へ逃げ込んだ鳳九は、うっかり魔族の住処である禁地の穀へ迷い込んでしまいます。魔尊が敗れたことで、魔族は狭い場所で暮らすことを強いられ、燕魔君・燕池悟えんちご と玄魔君・聶初寅じょうしょいんが争うなど、常に緊張感が漂っていました。

鳳九が禁地の結界に触れたことで、封印されていた緲落びょうらくの意識が目覚め、同時に東華の注意を引きます。虎精に襲われた鳳九を、東華が救出しますが、憧れの相手にときめく鳳九を、精衛せいえいが連れ去ってしまいます。

青丘に戻った鳳九は、修行に身が入らず、東華帝君とうかていくんの記録を調べていました。真剣に勉強していると思った白真はくしん は、九住心境について説明しますが、鳳九は理解できず、なぜ東華が魔ではなく神を選んだのかを尋ねます。折顔せつがんは、若い頃の東華は大変な美男子で、多くの魔族の女性に言い寄られたため、その煩わしさから逃れるために神になったという噂話を教えます。

この話がもとで、東華帝君とうかていくんが禁地へ入った理由はある女性を守るためだという噂が広まり、その女性が誰なのか、九重天では様々な憶測が飛び交います。司命しめい は、自分に泣きついてきた鳳九を見て、ようやく真相を理解します。

東華への恩返しのため、鳳九は身分を隠して仙娥になろうと決意します。鳳九の気持ちを知った折顔せつがんは、彼女を助けることにします。司命しめい折顔せつがんの手引きで、額の鳳羽の花の印を隠し、鳳九は九重天へ入ります。同じく仙娥候補の朝露ちょうろも、姉が以前九重天で働いていたことから知鶴ちかく公主の噂を知っており、鳳九と共に顔を汚して試験を潜り抜けます。こうして鳳九は新たな生活、九重天での日々をスタートさせるのでした。

第1話の感想

「夢幻の桃花~三生三世枕上書~」第1話は、壮大な世界観と魅力的なキャラクターで視聴者を一気に物語の世界へ引き込みました。東華帝君とうかていくんの圧倒的な強さと孤高の存在感、そして白鳳九はくほうきゅうの天真爛漫で自由奔放な性格が印象的です。

物語は、東華帝君とうかていくんが強大な魔尊・緲落びょうらくを封印するシーンから始まります。世界を守るために自らの修為を犠牲にする姿は、彼の責任感と深い愛情を示唆しており、今後の展開への期待を高めます。一方、青丘の帝姫である白鳳九はくほうきゅうは、修行よりも遊びに興味を持つ、無邪気で可愛らしいキャラクターです。しかし、禁地への迷い込みをきっかけに東華帝君とうかていくんと出会い、彼女の運命は大きく動き出します。

この出会いは偶然ではなく、緲落びょうらくの復活という大きな事件へと繋がっていく予感を感じさせます。白鳳九はくほうきゅうの無邪気さが、今後どのように物語に影響していくのか、そして東華帝君とうかていくんとの関係性がどのように変化していくのか、非常に楽しみです。

また、白真はくしん折顔せつがんといった脇を固めるキャラクターたちも魅力的です。白真はくしん の穏やかで鳳九を優しく見守る姿、そして折顔せつがんの飄々とした雰囲気の中に秘めた洞察力は、物語に深みを与えています。今後の彼らの活躍にも期待が高まります。

つづく