あらすじ
第十話は、承虞軍の勝利とその後の政変を中心に展開します。白鳳九は戦場で宋玄仁を救いますが、禁を破って法術を使ったため負傷し、青丘へ帰還します。宋玄仁は老王君の計らいで王位を継ぎ、権力の象徴である霊璧石を受け取ります。一方、聶初寅は宛婕妤の姿で崇安国宮廷に潜入し、霊璧石を狙うと同時に、幻術で作り出した侍女・凌香を姫蘅の承虞国での活動の助けとします。即位した宋玄仁は新政を推し進め、和平維持のため崇安国との和親に同意します。葉青緹は軍事力の強化に努め、和親には慎重な姿勢を見せる一方、戦場で命を救ってくれた恩人である小九を探し続けています。
ネタバレ
承虞軍は戦場で窮地に陥り、宋玄仁と兵士たちを救うため、白鳳九は危険を顧みず下界に降り立ち参戦した。兵士の鎧を身に纏い、法術を駆使して幾度も窮地を脱し、宋玄仁の命も救った。しかし、人間界で法術を使った仮動で傷を負い、青丘へ戻り療養することになった。
凱旋した承虞軍だったが、大王は初陣の宋玄仁の働きぶりに不満を抱いていた。老王君は病状が悪化し、余命少ないことを悟り、宋玄仁を密かに呼び出した。王陵の秘密の部屋へ案内し、国力の象徴である霊璧石を王位継承の証として託したのだ。老王君は霊璧石の歴史を語り、建国初期に先祖が強敵から国を守る際に役立った神秘的な石であり、後に国の安全を守るため隠されたものだと説明した。宋玄仁が霊璧石に触れると、不思議な光を放ち、老王君はこれを天意だと確信した。
鎖魂玉を探し求める聶初寅は、姫蘅を巧みに騙し、宛婕妤と名を変えて崇安国宮廷に潜入。霊璧石を奪う計略を提案した。崇安国君は当初宛婕妤を我が物にしようと企んでいたが、聶初寅の法術によって断念し、宛婕妤を公主に封じ、聶初寅を国師に任命した。計画を確実に実行するため、聶初寅は残りの法力で侍女の凌香を作り出し、鎖魂玉の絵を姫蘅に渡し、承虞国へ向かわせた。
老王君が亡くなり、宋玄仁が即位。大赦を行い、兄を応王に封じるなど、新たな政策を実行した。葉青緹は戦功により神武大将軍に昇進。宋玄応は弟の即位に不満を抱いていたが、父の遺言に従い表向きは従った。崇安国から和親の申し入れがあった際、宋玄応と葉青緹は意見が対立。宋玄応は和平の好機と捉えたが、葉青緹は崇安国の真意を疑った。最終的に宋玄仁は更なる戦を避けるため和親を受け入れ、葉青緹の軍事訓練強化の提案にも同意した。
一方、葉青緹は小九という名の恩人を探し続けていたが、手がかりは掴めずにいた。宋玄仁は一般人が戦場に入り込んだ可能性を考え、価顔絵を作成し全国に配布することで恩人を見つけ出そうとした。
第10話の感想
第十話は、今後の物語の展開を大きく左右する重要なエピソードでした。白鳳九の無私な行動、老王君の死と宋玄仁の即位、聶初寅の策略、そして葉青緹の恩人探し。それぞれの思惑が複雑に絡み合い、今後の波乱を予感させます。
特に印象的だったのは、白鳳九の勇敢な行動です。愛する人のため、そして多くの命を救うため、自らの身を危険に晒す姿は、彼女の深い愛情と正義感を強く感じさせました。しかし、その代償として負った傷が、今後の物語にどう影響するのか、心配なところです。
また、老王君から宋玄仁への王位継承は、物語の大きな転換点となりました。老王君の遺言と霊璧石の神秘的な力は、宋玄仁に大きな責任と重圧を与えていることでしょう。兄である宋玄応との関係性も、今後の注目ポイントです。
つづく