あらすじ

第十八話は、宛婕妤えんしょうよの謎めいた失踪と、白鳳九はくほうきゅうの宮中での出来事を中心に描かれています。

宋玄応そうげんおうは、宛婕妤えんしょうよに菓子の中毒の秘密を漏らされるのを防ぐため、刺客を牢獄に送り込み口封じを図りますが、燕池悟えんちご が間一髪で宛婕妤えんしょうよを救出し、魔界へと連れ帰ります。目を覚ました宛婕妤えんしょうよは、見知らぬ環境に戸惑い、怯えるばかり。燕池悟えんちご は、彼女の記憶を取り戻す方法を探し始めます。

一方、白鳳九はくほうきゅう葉青緹ようせいていたちを救うため、王君おうくんに助命嘆願をします。そして、いくつかの手がかりから、宛婕妤えんしょうよが普通の人間ではない可能性に思い至ります。

中秋節の夜、白鳳九はくほうきゅうは一人で酒を酌み交わし、物思いに耽っていました。沐芸もくうんが彼女に裘氅をかけ、その後、宋玄仁そうげんじんが現れ、鈿簪を贈り、深く抱きしめ合います。しかし、白鳳九はくほうきゅうが酔いつぶれて眠ってしまうと、宋玄仁そうげんじんは名残惜しそうにその場を去ります。

その後、太后が白鳳九はくほうきゅうを呼び出し、釘を刺すように忠告します。ますます憂鬱になった白鳳九はくほうきゅうは、司命しめい の助言に従い、計画を前倒しすることに決めます。葉青緹ようせいていと宮外へ遊びに出かけた後、宮に戻った白鳳九はくほうきゅうは、宋玄仁そうげんじんの詰問を受けます。彼は、白鳳九はくほうきゅうが身につけている玉の腕輪に気づき、彼女の忠誠心に疑念を抱きます。

最後に、姫蘅きこうの計画の失敗を知った聶初寅じょうしょいんは、宋玄応そうげんおうに穆寧宮へ忍び込み、王陵の地図を盗み出すよう迫ります。

ネタバレ

宛婕妤えんしょうよが牢獄で毒菓子のことを白状するのを恐れた宋玄仁そうげんじんは、刺客を送り込み口封じを図る。一方、姫蘅きこうの崖落ちを知った燕池悟えんちご は、聶初寅じょうしょいんから手がかりを得て人間界へ。間一髪で宛婕妤えんしょうよを助け出し、魔界へと連れ帰る。目を覚ました宛婕妤えんしょうよは周囲に戸惑い、記憶を失っていた。燕池悟えんちご は焦り、記憶を取り戻す方法を探し始める。

宛婕妤えんしょうよの失踪に、宋玄仁そうげんじんは捜索を命じるも見つからず。白鳳九はくほうきゅう葉青緹ようせいていたちの処罰を王君おうくんに願い出て、宛婕妤えんしょうよが人間ではないのではと推測する。宋玄仁そうげんじんも太医の診断を思い出し、怒りを鎮め、追及をやめる。

中秋の夜、白鳳九はくほうきゅうは一人寂しく月を眺め、酒を飲みながら青丘への帰還を願う。沐芸もくうんは彼女を気遣い、上著をかける。そこに宋玄仁そうげんじんが現れ、九鳳の簪を贈る。簪を挿した白鳳九はくほうきゅうを抱き上げ、寝宮へと連れ帰る。周囲の侍女たちは驚きながら見守る。宋玄仁そうげんじん白鳳九はくほうきゅうと一夜を過ごしたかったが、彼女は酔って眠ってしまう。

翌朝、白鳳九はくほうきゅうは昨夜の出来事を思い出し、慌てて沐芸もくうんに確認する。宋玄仁そうげんじんは既に去っており、安堵する。そこに太后が現れ、簪を抜いて見せつけ、釘を刺した後、去っていく。

後宮での生活に疲れた白鳳九はくほうきゅうは、司命しめい の助言に従い、計画を早めることに。葉青緹ようせいていと郊外へ出かけ、二人で馬に乗り、美しい景色を堪能する。葉青緹ようせいていは玉の腕輪を贈ろうとするが、躊躇しているところを白鳳九はくほうきゅうに見つかり、喜んで受け取られる。

星を眺めた後、白鳳九はくほうきゅうは宮殿へ戻る。そこには宋玄仁そうげんじんが待ち構えていた。彼は白鳳九はくほうきゅうの嘘を見抜き、腕輪に気づき、葉青緹ようせいていの薬の匂いを思い出して激怒する。「九夫人は宝石が嫌いなのではなく、私からの贈り物が嫌いなのだな」と皮肉を言う。

崇安国では、姫蘅きこうの件が失敗に終わったことを知った聶初寅じょうしょいんが、應王府へ行き刺客たちを皆殺しにする。そして宋玄仁そうげんじんに王陵の地図を盗むよう脅迫する。聶初寅じょうしょいんの恐ろしさを知った宋玄仁そうげんじんは、渋々承諾する。

第18話の感想

第18話は、白鳳九はくほうきゅう宋玄仁そうげんじんの関係が少しずつ変化していく様子が描かれており、もどかしさと切なさを感じさせる回でした。白鳳九はくほうきゅうは故郷を思い、孤独な夜を過ごしますが、宋玄仁そうげんじんからの贈り物と抱擁は、彼女にとって慰めになったのでしょうか。しかし、酔って眠ってしまうことで、せっかくの機会を逃してしまうのは、見ている側としても歯がゆい気持ちになります。

一方、宋玄仁そうげんじん白鳳九はくほうきゅうへの想いを募らせながらも、彼女の真意を掴みきれず、やきもきしている様子が伝わってきます。葉青緹ようせいていとの外出を知り、嫉妬に駆られる姿は、人間らしい一面を見せてくれます。二人のすれ違いがもたらす切ない雰囲気は、今後の展開をより一層期待させるものとなっています。

また、宛婕妤えんしょうよをめぐる燕池悟えんちご の行動や、聶初寅じょうしょいんの暗躍など、他の登場人物たちの動きも物語に緊迫感を加えています。特に、聶初寅じょうしょいん宋玄仁そうげんじんへの脅迫は、今後の波乱を予感させ、目が離せません。

つづく