あらすじ

白鳳九はくほうきゅうは恋に悩み、その様子を見た成玉せいぎょくは彼女を屋敷に連れ帰り、酒を酌み交わして慰めた。そして良縁を探すように勧めた。その最中、白奕はくえき折顔せつがんに頼まれ、滄夷神君の代理として白鳳九はくほうきゅうに求婚した。すると、酔っていた白鳳九はくほうきゅうはうっかり手形を押してしまい、結婚を承諾してしまったのだ。

酔いから覚めた白鳳九はくほうきゅうは自分の行動に驚き、結婚を破談にしようと試みるが、滄夷神君を大変気に入っている父、白奕はくえきに拒否されてしまう。白鳳九はくほうきゅうは結婚から逃げることを計画するが、阿離ありの助言で考えを変え、直接滄夷神君に破談を申し込むことに決めた。

滄夷神君は白鳳九はくほうきゅうを待つと答え、喪に服すという提案すら受け入れた。そこで白鳳九はくほうきゅうは武術の試合で決着をつけようと持ちかけた。滄夷神君は試合中、白鳳九はくほうきゅうに譲歩し、誤って攻撃してしまった彼女を救った。

最終的に、白奕はくえきが織越山に駆けつけ、この騒動がこれ以上大きくなるのを阻止した。

一方、連宋と成玉せいぎょくは千花盛典の準備を進めていた。そこで、記憶の一部を取り戻した東華帝君とうかていくんと出会う。連宋は成玉せいぎょくに帝君の安全を脅かすようなことをしないよう警告した。二人のやり取りからは、複雑な関係と潜在的な危機が垣間見えた。

ネタバレ

白鳳九はくほうきゅうは失恋の痛手から立ち直れず、終日悲しみに暮れていた。成玉せいぎょくはそんな彼女を心配し、自宅に招いて慰め、新しい恋を見つけるよう励ました。

ちょうどその時、白奕はくえきが琴堯山から帰還した。折顔せつがんは滄夷神君の依頼で青丘に白鳳九はくほうきゅうとの縁談を持ちかけていた。滄夷神君は上古の神族ではないものの、その力で長年人間界を守護してきた立派な人物であり、白奕はくえきも彼を高く評価していた。白鳳九はくほうきゅうの同意が必要だったが、彼女は泥酔状態でうっかり結婚の証文に拇印を押してしまう。酔いが覚めた時には既に手遅れだった。

一方、連宋は成玉せいぎょくに千花盛典の手伝いを頼み、渋々承諾を得る。二人は蓮花池の畔で東華帝君とうかていくんに遭遇する。東華帝君とうかていくんは徐々に記憶を取り戻しつつあり、人間界での出来事に興味を示していた。連宋は東華帝君とうかていくん重霖ちょうりんに運命の書を取ってくるよう命じるのを聞き、太晨宮へ行き、お茶を口実に書の内容を盗み見る。

司命しめい が自ら運命の書を届けに来たことで、連宋は疑念を抱く。東華帝君とうかていくんもまた、書の内容と自分の記憶に齟齬があることに気付く。連宋は運命の書を読み、白鳳九はくほうきゅう成玉せいぎょくの会話を思い出して、東華帝君とうかていくんに人間界の出来事は夢のようなものだと諭す。

帰宅後、成玉せいぎょくが盛典の招待客リストを作成しているのを見た連宋は、真剣な表情で、たとえ友人を守りたいと思っても帝君の安全を脅かしてはならないと忠告する。しかし、すぐにいつもの調子に戻り、成玉せいぎょくのリストを台無しにしてしまい、怒った成玉せいぎょくに追いかけられる。

白鳳九はくほうきゅうは二日酔いで昼過ぎに目を覚ます。阿離ありが嫁入り衣装で遊んでいるのを見て、結婚の約束を思い出し、慌てて白奕はくえきに結婚を破談にしてほしいと頼む。白奕はくえきは滄夷神君を気に入り、青丘の面目を保つためにも結婚を強行しようとする。白真はくしん も説得を試みるが、白奕はくえきは聞き入れなかった。白鳳九はくほうきゅうは家出を決意するが、阿離ありの言葉から妙案を思いつき、自ら滄夷神君を訪ねて結婚の破談を申し出る。

滄夷神君は白鳳九はくほうきゅうに想いを寄せており、彼女の申し出を簡単に受け入れられない。白鳳九はくほうきゅうは武術で決著をつけようと提案し、滄夷神君は仕方なく承諾する。しかし、彼は手加減し、白鳳九はくほうきゅうが不利になると助けに入る。

白奕はくえき阿離ありから事情を聞き、織越山へ急行し、二人の決闘を止めに入る。

第23話の感想

第23話は、様々な登場人物の心情が交錯する、見応えのあるエピソードでした。特に白鳳九はくほうきゅうの葛藤と、それを取り巻く人々の行動が印象的です。失恋の痛手から立ち直れない鳳九の心情は痛いほど伝わってきました。成玉せいぎょくの励ましや、思わぬ縁談話など、彼女を取り巻く状況は目まぐるしく変化していきます。

酔った勢いで結婚の証文に拇印を押してしまうという展開は、鳳九のうっかりとした性格をよく表しており、コミカルな場面ながらも、今後の展開への不安を感じさせます。一方、東華帝君とうかていくんは記憶を取り戻しつつあり、人間界での出来事に興味を示す様子が描かれています。記憶と現実のズレに戸惑う彼の姿は、今後の物語の鍵を握っているように感じられました。

連宋と成玉せいぎょくのやり取りは、コミカルな要素が強く、物語の緊張感を和らげてくれます。しかし、連宋が成玉せいぎょくに真剣な忠告をする場面もあり、彼の複雑な立場や心情が垣間見えました。滄夷神君の誠実で一途な愛情表現も印象的です。鳳九の申し出を簡単に受け入れず、真摯に向き合う姿は、彼の誠実な人柄を物語っています。

つづく