あらすじ

第二十九話は、白鳳九はくほうきゅう東華帝君とうかていくんの様々なやり取りを中心に描かれています。

白鳳九はくほうきゅうが仕掛けを作り終えた途端、東華帝君とうかていくんが突然現れ、思わぬ出来事が次々と起こります。なんと夫子ふしが誤って仕掛けに引っかかり落ちてしまうというハプニングも。東華帝君とうかていくん白鳳九はくほうきゅうに側に仕えるよう命じ、さらに、償いの意味を込めてハンカチに変化し、白鳳九はくほうきゅうに怒りをぶつける機会を与えます。

東華帝君とうかていくんが寒がりだと知った白鳳九はくほうきゅうは、わざとそのハンカチを極寒の場所に置きます。そして、後日ハンカチに「姫」の文字が刺繍されているのを見つけ、東華帝君とうかていくん姫蘅きこうが好きなのだと勘違いし、すっかり落ち込んでしまいます。

一方、燕池悟えんちご姫蘅きこうに想いを告白するも振られてしまい、それが原因で東華帝君とうかていくんへの誤解をさらに深めてしまいます。

怒りに駆られた白鳳九はくほうきゅうは、東華帝君とうかていくんに詰め寄ろうとしますが、重ね宙術を使った際に狐の尻尾が出てしまい、せっかくの勢いを失ってしまいます。

宗学の競技参加者リストが発表される日、白鳳九はくほうきゅうの名前は載っていませんでした。しかし、意外なことに夫子ふしから非常に丁寧な扱いを受けます。

最後に、白鳳九はくほうきゅうは頻婆果を探すため、燕池悟えんちご と共に行く計画を立てます。その道中、二人は姫蘅きこうが梵音穀に隠遁しているという話題に触れます。

ネタバレ

白鳳九はくほうきゅうの指導で罠の改造が完瞭した直後、東華帝君とうかていくんが現れ、皆が驚愕する中、燕池悟えんちご だけが不満をぶつける。しかし、夫子ふしに叱責され、逆に夫子ふしが罠に落ちてしまう。

鳳九は夫子ふしに提出する課題を抱え、居眠りしていたところに、事情を知った相里萌しょうりほうたちが戻る。鳳九は逃げようとするも、散々な姿の夫子ふしに捕まり、そこに東華帝君とうかていくんが登場。鳳九に付き添いを命じる。夫子ふしは帝君の意図を悟り、退散する。鳳九は半年間姿を見せなかった東華に怒りをぶつけるが、東華はハンカチに変化して鳳九にそれをぶつけるように言う。鳳九はハンカチを雪に埋めたり、氷水に浸けたり、果物で染めたりする。しかし、ハンカチの端に「姬」の字を見つけ、東華が姫蘅きこうを想っていると思い込み、落ち込む。

相里萌しょうりほうの宴で、潔緑郡主は帝君が講義に来るたびに姫蘅きこうが付き添っていることを話す。姫蘅きこうの出関を知った燕池悟えんちご は、玉林院へ行き想いを伝えるが、姫蘅きこうは帝君への恩義から梵音穀に留まると告げる。失意の燕池悟えんちご は、東華と連宋が疊宙術を使って碁を打っているのを見てさらに落ち込む。一方、ハンカチを乾かそうとしていた鳳九は、燕池悟えんちご の言葉から東華に騙されていたと気づき、怒って水月譚へ向かう。

連宋は怒る鳳九を見て面白がり、東華に伝える。疊宙術によって狐の尻尾が現れた鳳九は、東華にハンカチを返そうとするが拒否され、挑発する。東華は半年前より活発になった鳳九に既視感を覚える。

宗学競技の出場者発表で、鳳九の名前はなく、夫子ふしの態度も豹変していた。鳳九は頻婆果を得るため、巨蟒がいる危険な場所へ燕池悟えんちご と共に行くことにする。燕池悟えんちご姫蘅きこうが梵音穀に隠れていることを話すも、鳳九は姫蘅きこうへの複雑な感情を抱いていた。姫蘅きこうは十悪蓮花境では鳳九を守ったが、九重天では傷つけた存在だったからだ。

第29話の感想

第29話は、鳳九と東華帝君とうかていくんの関係性が少しずつ変化していく様子が描かれており、見ていてとても微笑ましいエピソードでした。特に、鳳九が怒ってハンカチをいじめるシーンは、彼女の可愛らしさが爆発していました。雪に埋めたり、氷水につけたり、果物で染めたり…彼女の行動一つ一つがコミカルで、思わず笑ってしまいました。一方で、ハンカチに刺繍された「姬」の字を見て落ち込むシーンでは、彼女の繊細な一面も垣間見え、胸がキュンとしました。

東華帝君とうかていくんもまた、鳳九に対して以前とは違う感情を抱き始めているように感じられます。ハンカチを返してもらおうとするも、挑発されてしまうシーンでは、彼の戸惑いと同時に、どこか楽しんでいるような表情が印象的でした。鳳九の活発さに既視感を覚えるなど、二人の過去の繋がりを暗示するような描写もあり、今後の展開がますます気になります。

燕池悟えんちご の片思いも切ないですね。姫蘅きこうへの想いを伝えに行くも、あっさり断られてしまうシーンは見ていて辛かったです。それでもめげずに鳳九を励ましたり、一緒に危険な場所へ同行したりと、彼の優しさには心を打たれます。

また、潔緑郡主の嫉妬や、相里萌しょうりほうの冷静な様子など、脇役たちの存在も物語に彩りを添えています。それぞれのキャラクターが個性的で、彼らの絡みも見ていて飽きません。

つづく