あらすじ
第三話は、白鳳九の太晨宮での出来事を中心に描かれています。白鳳九は人目を避けてひそかに東華帝君を観察していましたが、無憂糕の一件で何度か正体がバレそうになります。幸い司命 と東華の助け舟でその場をしのぎました。知鶴公主は手柄を独り占めしようと、白鳳九に無憂糕の作り方を無理強いし、その過程で意地悪もしました。白鳳九は雨時花の根を使って糕点を改良しようと提案しますが、そのせいで知鶴に往生海に置き去りにされてしまいます。膳房に戻った白鳳九は、疲れ果てて料理を失敗してしまいますが、最後は糖醋鯉魚で東華の認めを得ます。
一方、小燕魔君の燕池悟 は東華に挑戦状を叩きつけますが、東華はあれこれと理由をつけて決闘を断ります。姫蘅は閩酥に自分の想いを伝え、登場人物たちの複雑な関係性が明らかになります。燕池悟 の挑発に対し、東華は寛容さと知恵で対応し、同時に白鳳九への特別な想いが垣間見えます。
ネタバレ
白鳳九は東華帝君をこっそり尾行し、扉の陰から覗き見ていました。知鶴公主は連宋神君にお菓子を差し出し、そのお菓子は幻覚を見せる効果があるようで、連宋は絶賛しました。東華もそのお菓子に興味を持ち、「無憂糕」と名付けました。
褒め言葉を聞いた白鳳九は大喜びし、うっかり尻尾を出してしまいます。司命 はそれを見て、見つかるのを恐れ、とっさに機を叩いて皆の注意を逸らし、禅の教えでその場を丸め込みました。連宋は何かを察知した様子で、焦った司命 は白鳳九を袖に隠し、連宋を言いくるめようとします。連宋は司命 が隠している狐をショールにすると言い張り、二人が言い争っていると、東華が現れ事態を収拾しました。
人払いした後、司命 は白鳳九を袖から出し叱ろうとしますが、その様子を成玉元君に見られてしまいます。成玉は白鳳九の旧友で、彼女に料理で東華の心を掴むようアドバイスします。知鶴は手柄を独り占めしようと、白鳳九に無憂糕の作り方を教えさせ、東華の好きな茶葉を混ぜ込みました。
再び連宋が無憂糕を食べたところ、以前のような幻覚効果はありませんでした。不満を持った知鶴は白鳳九を罰しようとしますが、白鳳九は忘川の雨時花の根を使えばもっと美味しいお菓子ができると提案します。半信半疑の知鶴はそれを認め、白鳳九に雨時花の根を取ってくるよう命じ、監視します。任務を終えた後、知鶴は一人で舟に乗って去ってしまい、白鳳九を置き去りにしました。
調理場に戻った白鳳九は、東華のために糖醋鯉魚を作るよう強いられます。疲れ果てていた彼女は、料理中に寝てしまい、鍋の中の魚は真っ黒焦げになってしまいました。再び魚を捕まえようとしますが、苦労の末、ようやく一匹の鯉を捕まえます。しかし、その鯉は魔将玄鉞の友人でした。
燕魔君・燕池悟 は姫蘅が東華に嫁ぐことを知り、恋敵と見なし、果たし状を送りつけます。東華は受け取りを拒否し、燕池悟 は焦燥します。玄鉞は情報を集めるのを手伝うと言い、結果、元の姿に戻ったところを油鍋に落とされ、白鳳九の作った糖醋鯉魚の一部になってしまいました。東華はその料理を絶賛し、白鳳九に太晨宮に留まって料理を作るよう命じます。
知鶴は東華と白鳳九が親しくする様子を見て嫉妬しますが、東華は既に白鳳九を留任させることを決めていました。東華に認められた白鳳九は大喜びで、夜中に歓声を上げます。その声を聞いた東華は微笑み、その後、茶園が忙しいことを口実に、燕池悟 との決闘の申し出を断りました。
返事を受け取った燕池悟 はすぐに九重天へ茶葉を摘みに行き、東華に渡して決闘を迫ります。東華はあれこれと理由をつけて決闘を先延ばしにし、燕池悟 に様々な仕事をさせ、最終的に決闘を中止し、燕池悟 を怒らせます。
実は東華は燕池悟 が悪人ではなく、ただ短気なだけであること、そして昆侖虚に修行中の双子の兄・子闌がいることを知っていました。姫蘅は燕池悟 に愛情はなく、心の中には近衛兵の閩酥がいました。閩酥は姫蘅が幼い頃からずっと一緒に過ごし、魔君の罰を受けても一緒に遊んでいました。姫蘅は感動し、自分の気持ちを告白します。閩酥は返答に困り、その様子を煦暘が見ていました。
第3話の感想
第3話は、白鳳九の可愛らしさと健気さが際立つエピソードでした。東華帝君に近づきたい一心で、無憂糕を作ったり、糖醋鯉魚を調理したりと奮闘する姿は、思わず応援したくなります。特に、尻尾が出てしまうシーンや、料理中に寝落ちしてしまうシーンは、彼女の天然な性格がよく表れていて、見ていて微笑ましいです。
一方、知鶴公主の悪巧みや嫉妬深い一面も描かれており、白鳳九との対比が印象的でした。知鶴の策略によって、白鳳九は困難な状況に追い込まれますが、それでもめげずに頑張る姿は、彼女の芯の強さを感じさせます。
また、脇役たちの活躍も見逃せません。司命 は、白鳳九を助けるために機転を利かせ、コミカルなシーンを演出しています。成玉元君のアドバイスや、燕池悟 の騒動も、物語に彩りを添えています。
つづく