あらすじ
第30話は、東華帝君と白鳳九の複雑な愛憎劇を描いています。東華帝君は心性の修練のため、水月潭にて茶席の講義を開き、様々な試練を弟子たちに課していました。そんな中、姫蘅が闘茶を提案します。白鳳九は上の空で参加したものの、結果は姫蘅の勝利。この判定に白鳳九は不満を募らせます。
一方、白鳳九は燕池悟 と協力し、頻婆果の情報収集と奪取計画を進めていました。そして、白鳳九が秘密の通路を探っている最中、東華と緲落の激しい戦いを目撃します。東華を守るため、白鳳九も戦いに加勢します。
戦いが終わり、傷を負った東華を白鳳九は献身的に看病します。閉じ込められた空間の中で、二人は抱き合って眠りにつき、互いへの深い想いを改めて確認するのでした。このエピソードは、主人公たちの感情の進展だけでなく、困難に立ち向かう協力と勇気も描いています。
ネタバレ
東華帝君は、こだわりの強い性格で、完璧主義者だ。長寿ゆえに無限の時間を持て余し、趣味に没頭することで精神を磨いている。ある日、水月潭で茶道教室を開き、冬景色を春の景色に変えた。
白鳳九は東華の性格を見抜いていた。姫蘅が茶道で良いところを見せようとする中、白鳳九は上の空だった。姫蘅は東華に白鳳九との茶勝負を提案し、帝君は承諾した。実力は互角だったが、授業に集中していなかった白鳳九は負けと判定された。不満を抱いた白鳳九は東華に詰め寄るが、いつものように屁理屈をこねられ、頭に付いた枝を取られる際にドキドキしてしまう。その後、その時のことを何度も思い出していた。
醉裏仙酒楼に新しい踊り子が来た。相里萌に再び誘われた白鳳九は、頻婆果を盗むため、燕池悟 と協力して相里萌に酒を飲ませ、解憂泉の大蛇が満月の夜に修行のため神樹を離れる情報を得た。この情報を得て、燕池悟 は満月の夜に郊外にトンネルを掘った。東華はそれを見て、術を使いトンネルに二つの分かれ道を追加した。
その夜、姫蘅は家で東華のためにスープを用意していたが、東華は冷淡な態度だった。姫蘅は複雑な気持ち、苦しさ、そして不本意さを抱えていたが、過去の出来事や身分の違いは二人の間に壁を作っていた。しかも、東華は既に想いを寄せる人がいることに、まだ気づいていなかった。
翌日、燕池悟 はトンネルを偵察に行った。白鳳九は燕池悟 からの連絡がなく心配になり、後を追った。分かれ道を進んで洞窟を出ると、女の笑い声が聞こえた。見ると、東華帝君が花の道の先に座禅を組んでいた。妖艶な女性が寄り添っていなければ、まるで仙人のようだった。緲落の幻影が優しく語りかけても、東華の心は動かなかった。姫蘅はこの様子を見て、恥ずかしさと悲しみでその場を去った。白鳳九だけは、二人が激しい闘いを繰り広げていることを見抜いていた。
鳳鈴花が舞い散る中、激しい戦いが繰り広げられた。白鳳九は東華を守るため剣を手に飛び出した。最近は物事の判断が冴え、腕も上がったと感じていた。しばらく戦っていると、白鳳九の額の鳳尾花が光り始めた。緲落は一瞬ひるんだが、すぐに攻撃方法を変え、白鳳九は次第に劣勢になった。それまで傍観していた東華は、白鳳九を抱きかかえ、攻撃から守った。
緲落が逃げた後、東華の腕からは血が止まらなかった。白鳳九は動揺を抑え、丁寧に包帯を巻いた。緲落が水月潭に侵入したため、12時間結界が張られ、白鳳九は頻婆果を盗むことができず落胆していた。東華は白鳳九が燕池悟 と会っていたと勘違いし問い詰めたが、事情を理解すると嫉妬心は消え、白鳳九の膝枕で眠ってしまった。白鳳九は「神様」への遠慮から、東華の手を温めた。眠る東華の顔を見ながら幸せを感じ、二人は夜明けまで抱き合って眠っていた。
第30話の感想
第30話は、東華帝君と白鳳九の関係性が大きく進展する、胸キュン必至のエピソードでした。東華帝君の完璧主義な性格や、趣味に時間を費やす様子が描かれ、彼の独特な魅力が改めて感じられました。茶道教室のシーンでは、姫蘅の思惑とは裏腹に、白鳳九の天然さが際立ち、微笑ましいやり取りでした。真剣勝負ではないものの、二人の間にある微妙なライバル関係も垣間見え、今後の展開への期待が高まります。
一方、頻婆果を盗もうとする白鳳九と燕池悟 のコミカルな掛け合いも楽しい場面でした。相里萌をうまく利用する二人の作戦は、少しずる賢いながらも、どこか憎めない可愛らしさがあります。東華帝君が密かに二人の行動を見守り、トンネルに細工をするシーンは、彼の白鳳九への想いが感じられ、ニヤリとしてしまいます。
そして、物語のクライマックスである緲落との戦闘シーンは、手に汗握る展開でした。白鳳九が東華帝君を守るために勇敢に戦う姿は、彼女の成長を感じさせ、感動的ですらあります。東華帝君が白鳳九を庇って負傷するシーンは、二人の絆の深さを改めて示す重要な場面と言えるでしょう。その後の、白鳳九の献身的な介護と、二人の思いがけない一夜は、視聴者の心を温かく包み込みます。特に、白鳳九の膝枕で眠る東華帝君の姿は、彼の心を白鳳九に許しているようで、非常に印象的でした。
つづく