あらすじ
第34話は、東華帝君と白鳳九の複雑な関係を中心に展開します。
東華帝君は姫蘅の体から寒毒を取り除き、さらに彼女の頼みで、秋水の寒毒治療のために頻婆果を用意しました。これらのやり取りを燕池悟 が偶然耳にしてしまいます。一方、白鳳九は競技で優勝し蟠桃のご褒美を手にしますが、なぜか憂鬱な気分に沈んでいました。
その後、姫蘅は白鳳九に頻婆果を代わりに使った理由を説明し、それとなく東華帝君の心は白鳳九には向いていないとほのめかします。この言葉に、白鳳九は深く傷つきます。東華帝君が天宮に戻ったと知り、白鳳九は彼を探しますが、会うことは叶いません。
二人の間の誤解を解こうと、連宋は司命 を訪ね、そこで東華帝君の白鳳九に対する本当の気持ちが明らかになります。白鳳九の失踪に気づいた一同は、解憂泉で彼女を見つけ出しますが、彼女は阿蘭若が仕掛けた蛇の陣に囚われていました。
白鳳九を救うため、東華帝君は自らの仙力を失う危険を顧みず、夢の中へ入ることを決意します。そしてついに、東華帝君は白鳳九と共に阿蘭若の夢の世界へと足を踏み入れました。目覚めた白鳳九は、まだ夢の中だと勘違いし、勇気を振り絞って東華帝君に口づけをします。
ネタバレ
東華帝君は姫蘅の体内の寒毒を取り除くが、彼女がその毒の由来を知らない様子に気づく。姫蘅は亡き父との関係を持ち出し、頻婆果で秋水の寒毒を治療して欲しいと帝君に頼む。帝君は白鳳九との誤解や嫉妬を思い出しながらも、彼女の願いを聞き入れる。燕池悟 は薬を届けに来た際に、この会話を偶然耳にしてしまう。
相里萌は醉裏仙で祝宴を開き、皆で解憂泉の蛇陣の秘密について話し合う。そこで緑潔が何気なく口にした言葉が、白鳳九の心に深く残る。翌日、優勝の褒美が皆のいる庭に届けられる。布をめくると、そこには蟠桃が山積みになっていた。連宋が説明するも、白鳳九の困惑と悩みは深まるばかり。
白鳳九は青梅塢を出て、雪の中で独り佇む姫蘅に出会う。姫蘅は頻婆果がすり替えられた事情を説明し、帝君の気持ちが白鳳九には向いていないことをそれとなく伝える。白鳳九は深く傷つき、頻婆果を分けてもらうよう頼むも葉わず、雪の上で泣き崩れる。帝君には敵わない、努力したけれど葉青緹の転生の機会も失ってしまった、と悟る。帝君は自分をただの遊び相手だとしか思っていない、それでも帝君に認められたい一心で、自尊心を捨ててしまう。
熟慮の末、白鳳九は帝君に会いに行こうとするが、燕池悟 から帝君は怪我をした狐を連れて天宮に戻ったと聞く。何かがおかしいと感じた連宋は、司命 に帝君と白鳳九の事について尋ねる。酒に酔った司命 は、帝君が白鳳九に深い愛情を抱いているという真実を明かす。
真実を知った連宋は安堵するが、帝君は後悔の淵に沈む。その時、燕池悟 が太晨宮に押し入り、白鳳九がいなくなったと帝君を責める。皆で探すも見つからず、激しい雷鳴が轟く中、解憂泉へ向かうと、そこは廃墟と化していた。無傷で残る頻婆の樹の下には青い霧の結界があり、白鳳九が宙に浮き、かろうじて息をしている。
阿蘭若の執念が蛇陣を操っているため、白鳳九を救うには仙力を捨てて夢の中に入らなければならない。帝君は危険を顧みず、仙力の大半を捨てて夢の中へ。巨大な蛇に襲われ傷を負いながらも、白鳳九を抱きかかえ、阿蘭若が作り出した夢の世界へと入る。
外では、連宋が他の人々を遠ざけ、近づかないよう警告する。燕池悟 は姫蘅を慰め、彼女の生い立ちを知り、さらに緑潔から相里萌が蛇陣に入ろうとしていると助けを求められる。燕池悟 は相里萌の身を案じ、蛇陣へと向かう。一人残された緑潔は、燕池悟 の後ろ姿を見つめ、複雑な思いを抱く。
夢の中で、帝君は仙術で白鳳九のために寝床を作り、自らの血で魂を癒し傷を治す。目を覚ました白鳳九は帝君を見て、まだ夢の中だと勘違いし、大胆にも帝君に口づけをする。
第34話の感想
第34話は、東華帝君と白鳳九の関係性が大きく揺れ動く、非常にドラマチックな展開でした。姫蘅の存在が二人の間に影を落とし、誤解と嫉妬が渦巻く中で、白鳳九の切ない想いが胸を締め付けます。頻婆果をめぐる一連の出来事は、帝君の優柔不断さ、そして白鳳九の健気さを際立たせていました。
特に印象的だったのは、雪の中で泣き崩れる白鳳九の姿です。愛する人の前で、自尊心を捨ててまで想いを伝えようとする彼女の純粋さは、見ている側も思わず涙してしまうほどでした。葉青緹の転生の機会を失い、それでもなお帝君への想いを諦めきれない彼女の苦悩は、深く心に響きます。
一方、帝君もまた、複雑な感情を抱えていることが窺えます。姫蘅への対応を見ていると、彼の中に優しさや責任感があることは明らかですが、同時に白鳳九への想いを自覚していない、もしくは認めようとしない葛藤も感じられます。燕池悟 の言葉や、司命 の酔った勢いの告白が、今後の彼の行動にどう影響していくのか、非常に気になるところです。
つづく