あらすじ
第36話は主に、沈曄が阿蘭若を転生させるための努力と、白鳳九が阿蘭若の身になりきる上での困難を中心に展開します。
沈曄は二百余年もの歳月をかけて阿蘭若の魂を集め、転生を守ろうとしています。一方、白鳳九は蛇が苦手で、青蟒に遭遇した際に驚き気を失ってしまいます。そして、徐々に阿蘭若の知られざる過去を知ることになります。阿蘭若は王女でありながら、生前は寵愛を受けず、家族にも見捨てられていました。幸いにも、巨大な蟒蛇に育てられたのです。
同時に、白鳳九の魂を探す東華は、息澤の治療を肩代わりするため橘諾の治療を引き受けますが、橘諾が懐妊していることに気づきます。橘諾は魂を宿すのに理想的な体である可能性がありますが、怪我をしているためすぐに行動を起こすことができません。
白鳳九は蛇への恐怖を克服しようと試み、茶茶から、自分が沈曄とは過去にほとんど接点がなかったことを聞かされます。
蘇陌葉が現れ、阿蘭若の秘密をさらに明かします。彼は白鳳九に阿蘭若の死の真相を解明する手助けをしてほしいと願います。白鳳九はその願いを受け入れ、后の誕生日の祝賀行事に参加する準備をしますが、思いがけず婚約者である息澤も随行の名单に名を連ねていることを知り、不安に駆られます。
ネタバレ
沉晔は神官長の屋敷で阿蘭若の夢を守りながら、過去の思い出に浸り、想いを伝えられなかったことを悔やんでいた。彼は結魄灯で阿蘭若の魂を集め、彼女の転生を守るため別の世界へ行く準備をしていた。
阿蘭若の身代わりとなった白鳳九は、徐々に姫の生活に慣れてきたものの、周りの状況は全く理解できていなかった。ある日、茶々と侍女が巨大な青蟒を連れてきた。蛇が苦手な白鳳九は驚き気を失ってしまう。茶々によると、阿蘭若は幼い頃、母に疎まれ解憂泉の蛇陣に捨てられ、大蛇に育てられたため、蛇を恐れるどころか、むしろ好んでいたという。宮中の人々は、この大蛇を「青殿」と呼んで崇めていた。
阿蘭若は姫でありながら寵愛を受けず、姉達にいじめられていた。今は上君の意向で息澤神君との縁談が進められている。白鳳九の魂を探す東華帝君は、橘諾の怪我をきっかけに下山し、比翼鳥族の記憶をすり替えて息澤に成り代わった。橘諾を診察した際、彼女は妊娠していることに気づき、白鳳九の魂を宿す最適な体だと考えたが、橘諾の怪我のためすぐには動けず、機会を待つことにした。
白鳳九は蛇への恐怖を克服しようと、醉裏仙酒楼で蛇料理を注文するが、結局耐えきれず逃げ出してしまう。逃げる途中、沉晔と出会うが、白鳳九は彼に気づかず、挨拶だけして立ち去る。その後、茶々から、阿蘭若と沉晔は幼い頃の誕生日以来、ほとんど接点がなかったことを知る。
西海水君の次男であり、かつて阿蘭若を救い育てた蘇陌葉が現れる。彼は白鳳九にこの夢の世界の真実を明かし、阿蘭若の死の謎を解くため、離穀するまでは阿蘭若らしく振る舞うよう頼む。白鳳九は彼の頼みを受け入れ、阿蘭若の過去について調べ始める。
もうすぐ皇后の誕生日だと知り、白鳳九は自分の名前が随行員名簿にあることに安堵する。青殿から一時的に離れられるからだ。しかし、婚約者である息澤の名前もあることに気づき、緊張する。
この話は、白鳳九の視点を通して、阿蘭若の過去の出来事と、現在の夢の世界の複雑な状況を描いている。物語が進むにつれ、白鳳九は自身の試練に立ち向かうだけでなく、阿蘭若の死の謎を解き明かさなければならない。
第36話の感想
第36話は、白鳳九が阿蘭若の身代わりとして夢の世界で過ごす中で、徐々に阿蘭若の過去や周囲の状況を理解していく様子が丁寧に描かれていました。特に、蛇が苦手な白鳳九が、蛇に育てられた阿蘭若の境遇を知り、戸惑いながらも理解しようと努力する姿が印象的でした。阿蘭若が母親から疎まれ、姉達にいじめられていた過去を知ることで、白鳳九は阿蘭若の人生に共感し、彼女の死の謎を解き明かしたいという思いを強くしていきます。
また、東華帝君が息澤に成り代わって白鳳九に近づき、彼女を守ろうとする姿も印象的でした。橘諾の妊娠に気づき、白鳳九の魂を宿す可能性を見出すなど、彼の冷静な判断力と行動力はさすがです。一方で、沉晔が阿蘭若への想いを抱えながらも伝えられなかったことを悔やむ姿は切なく、彼の秘めた愛情が今後の展開にどのように影響していくのかが気になります。
つづく