あらすじ
第37話は主に、白鳳九が傾画君の生誕祝宴の前後で起こった出来事を描いています。白鳳九は間もなくここを離れられる喜びで、荷造りを始めるなどすっかり上機嫌。青殿も一緒に連れて行けると知り、さらに喜びは増します。祝宴当日、会場は華やかに飾り付けられ、東華は白鳳九の気配を感じ取るも、彼女と会うことは叶いませんでした。宴席で蘇陌葉は白鳳九に招待客を紹介する中で、上君と君后への不満を漏らします。白鳳九は青殿を連れてきたことがバレるのを恐れ、宴から抜け出します。その後、白鳳九は蘇陌葉と胡桃を割りながら語り合います。蘇陌葉は阿蘭若と息澤の結婚の背景に触れ、神官長の地位と権力、そして息澤が後に隠遁した理由を説明します。さらに、自身の過去の思い出に対する感慨も口にします。翌朝、白鳳九は目を覚ますと、蘇陌葉に部屋まで送ってもらったことに気づきます。最後に、息澤は白鳳九の行動を誤解し、彼女の後をつけます。そして偶然、白鳳九と蘇陌葉が偽の手紙を使って嫦棣に白鳳九の代わりに月令花を見に行かせる計画を立てているのを聞いてしまいます。嫦棣は息澤への想いが強く、簡単にその計画を信じてしまうのでした。
ネタバレ
白鳳九は上君との別れを目前に控え、上機嫌で荷造りをしていた。茶茶から青殿も一緒に連れて行けると聞き、束の間の喜びに浸る。
祝宴当日、豪華絢爛な画舫の中、阿蘭若の両親が上座に座り、二人の姫と近臣たちが席に著く。東華帝君は青殿の入った籠を見つけ、尋ねると阿蘭若の席がすぐ隣だと知る。しかし、白鳳九の気配を感じて辺りを見回すも、彼女の姿は見当たらない。
蘇陌葉は白鳳九に列席者を紹介する中で、上君と君後の振る舞いへの不満を露わにする。白鳳九は青殿を見つけられ、正体がバレることを恐れてその場を逃げ出す。蘇陌葉は引き留めようとするが葉わず、仕方なく自分の席に著く。そこへ東華帝君が戻り、君後が話しかける。その様子を見て、蘇陌葉は東華帝君の正体に気づき、白鳳九と東華帝君の関係には時間が必要だと理解し、二人の接触を避ける。
宴の後、月明かりの下で、白鳳九と蘇陌葉はクルミを割りながら語り合う。蘇陌葉は阿蘭若の突然の結婚の理由を説明する。それは息澤を牽製するためだった。神官長の地位は高く、歴代の君主が懐柔しようと試みてきたのだ。しかし、阿蘭若と息澤に本当の愛情はなく、息澤は後に病を理由に神官長を辞し、隠遁生活を送る。阿蘭若が亡くなるまで、二度と姿を現すことはなかった。
蘇陌葉は梵音穀での出来事、特に蛇陣の中で出会った忘れられない少女のことを思い出す。翌朝、白鳳九は目を覚ますと、傍らで眠る青殿を見つける。昨夜、蘇陌葉に気絶させられ、部屋に連れ戻されたことを思い出す。
橘諾は息澤の前で白鳳九の悪口を言うが、息澤は阿蘭若と白鳳九の類価点に驚き、彼女の言葉に耳を貸さず、こっそりと白鳳九の後をつける。別荘で、白鳳九と蘇陌葉が息澤からの偽ラブレターを嫦棣に送る計画を立てているのを耳にする。目的は月令花を見るためだ。
息澤に片思いをしている嫦棣は、白鳳九が口述し蘇陌葉が書いた偽の手紙を疑うことなく、あっさりと騙される。君主と君後は観塵宮へと一同を連れて行く。一方、東華帝君は沈曄の気配が自分と価ていることに気づき、疑問を抱く。
様々な出来事を通して、登場人物たちの複雑な関係性や内面が描かれ、今後の展開への伏線が張られている。
第37話の感想
第37話は、登場人物たちの複雑な想いが交錯し、今後の展開への期待が高まるエピソードでした。白鳳九は上君との別れを目前に控えながらも、青殿と行宮に行ける喜びを感じていました。しかし、祝宴の場で東華帝君とニアミスするなど、ハラハラする場面もありました。東華帝君は白鳳九の気配を感じていましたが、姿を見つけることができず、二人のすれ違いがもどかしいです。
蘇陌葉は、白鳳九を気遣いながらも、東華帝君との関係を尊重し、二人の再会を妨げないように配慮している様子が印象的でした。阿蘭若の結婚の真相や、息澤との関係についても明かされ、物語の背景がより深く理解できました。蘇陌葉が梵音穀で出会った少女のことが語られたのも、今後の展開に繋がる重要な伏線だと感じます。
白鳳九と蘇陌葉のやり取りはコミカルで、二人の掛け合いが見ていて楽しいです。特に、白鳳九が青殿のことで慌てふためく姿や、蘇陌葉が冷静にフォローする様子は微笑ましいです。一方で、橘諾の悪巧みや、嫦棣の息澤への片思いなど、今後の波乱を予感させる要素も含まれていました。
つづく