あらすじ

まず、蘇陌葉そはくようは計画通り息沢の姿に扮し嫦棣じょうていを待ち受けますが、これが嫦棣じょうていを罠へと陥れる結果となります。続いて、白鳳九はくほうきゅう東華帝君とうかていくん蘇陌葉そはくようと勘違いし、会話の中で阿蘭若あらんじゃくの過去について触れてしまいます。このことで、東華は彼女が阿蘭若あらんじゃくではないことを確信します。二人は共に珍しい月令花の咲く場所を眺め、白鳳九はくほうきゅうはその美しさに浸りながら、自身の過去の恋愛を思い出します。

その後、幾つもの行き違いから、白鳳九はくほうきゅうは誤って息沢の前に連れて行かれ、そこで仮面を取られたことで真実を知り、慌てて逃げ出します。さらに、嫦棣じょうてい青殿せいでんの追いかけっこが原因で、上君は白鳳九はくほうきゅうに不満を抱き、罰を与えることを決めます。白鳳九はくほうきゅうはまず石籠に閉じ込められ、その後、嫦棣じょうていによってさらに危険な九曲籠へと密かに移されます。行宮で火事が発生した際、沈曄は火の中に閉じ込められた白鳳九はくほうきゅうを救出し、彼女の怪我を丁寧に手当てします。

最後に、東華は橘諾きつだくの胎児を診る中で、白鳳九はくほうきゅうの魂魄がそこにはないことを確認し、急いで暁寒居へと向かい、目を覚ましたばかりの白鳳九はくほうきゅうを見つけます。蘇陌葉そはくようは彼女を慰め、重要な局面では阿蘭若あらんじゃくと同じ選択をする必要があるが、それ以外は自分の心に従って行動すればよく、阿蘭若あらんじゃくの人生を完全に再現する必要はないと諭します。

ネタバレ

白鳳九はくほうきゅう息澤そくたくに扮した蘇陌葉そはくようの計略通り、嫦棣じょうていと待ち合わせました。嫦棣じょうていは思いを伝えようとしましたが、罠に嵌りずぶ濡れになってしまいます。蘇陌葉そはくようは慌てて彼女を助け出し、画舫へ連れて行きました。その後、白鳳九はくほうきゅうは仮面を二つ用意して待ち続け、東華帝君とうかていくん蘇陌葉そはくようと間違えてしまいます。

白鳳九はくほうきゅうはお喋りしながら、無口な東華帝君とうかていくんと共に鳴渓湾へ辿り著きます。静寂に包まれたその場所は、賑やかな夜空とは対照的でした。白鳳九はくほうきゅうは“蘇陌葉そはくよう”が物思いに耽っていると思い、阿蘭若あらんじゃくの過去を語り始めます。このことで、東華帝君とうかていくんは彼女が阿蘭若あらんじゃく本人ではないと確信します。

やがて月令花が咲き誇り、あたり一面が幻想的な風景に変わります。美しい光景に感動した白鳳九はくほうきゅうは花畑の中を駆け回り、過去の辛い恋を思い出します。東華帝君とうかていくんの視線に気づいた白鳳九はくほうきゅうは、思わず彼の仮面を外してしまい、正体が息澤そくたくだと気づいて慌ててその場を去ります。

翌日、蘇陌葉そはくよう嫦棣じょうてい青殿せいでんに追いかけ回され、観塵宮に逃げ込み気絶した顛末を白鳳九はくほうきゅうに話します。怒った上君は白鳳九はくほうきゅうを罰しようとしたが、蘇陌葉そはくよう相里賀しょうりかのとりなしで石籠に十日間閉じ込めることになりました。しかし、嫦棣じょうていは不満を抱き、看守を買収して白鳳九はくほうきゅうを九曲籠に移しました。

九曲籠は棘だらけで、白鳳九はくほうきゅうは身動きが取れず傷だらけになります。嫦棣じょうていが嘲りに来た時、火事が発生し、嫦棣じょうてい白鳳九はくほうきゅうを見捨てて逃げ出します。火の手が迫る中、沈曄が現れ白鳳九はくほうきゅうを救出し、手当てをして暁寒居の前に置きます。その後、蘇陌葉そはくよう白鳳九はくほうきゅうを家の中に運び込むのを見て、沈曄は姿を消します。

東華帝君とうかていくん橘諾きつだくの胎児を調べ、白鳳九はくほうきゅうの魂がないことに気づきます。そして牢獄の火事を知り、白鳳九はくほうきゅうを探しに駆けつけます。暁寒居で目を覚ました白鳳九はくほうきゅうは、東華帝君とうかていくんに事の顛末を話します。白鳳九はくほうきゅう阿蘭若あらんじゃくのふりをすることに不安を感じていましたが、蘇陌葉そはくよう阿蘭若あらんじゃくの人生における大きな出来事さえ同じようにすれば、あとは自分の心に従って良いとアドバイスします。

第38話の感想

第38話は、白鳳九はくほうきゅうの恋の迷走と試練が描かれた切ないエピソードでした。蘇陌葉そはくようの計略によって思わぬ形で東華帝君とうかていくんと一夜を過ごすことになった白鳳九はくほうきゅう。美しい月令花の下での幻想的な時間は、二人の間に流れる微妙な感情をさらに複雑にしています。しかし、仮面の下に隠された真実を知った時の白鳳九はくほうきゅうの動揺は、見ているこちらも胸が締め付けられるようでした。

一方、嫦棣じょうていの嫉妬と悪意はさらにエスカレートし、白鳳九はくほうきゅうを危険な罠に陥れます。九曲籠での苦しみは、白鳳九はくほうきゅうの精神的な強さを試す試練のようでした。そんな絶望的な状況の中、沈曄の登場は一筋の光となりました。彼の秘めた愛と献身的な行動は、白鳳九はくほうきゅうにとって大きな救いとなったはずです。

そして、火事の中、白鳳九はくほうきゅうを必死に探す東華帝君とうかていくんの行動は、彼の心の奥底にある白鳳九はくほうきゅうへの想いを強く感じさせます。阿蘭若あらんじゃくの夢の中で、白鳳九はくほうきゅうは自分自身と向き合い、葛藤しながらも前へ進もうとする姿が印象的でした。蘇陌葉そはくようのアドバイスは、彼女が本当の自分を見つけるための重要なヒントとなるでしょう。今後の展開がますます気になります。

つづく