あらすじ

第四十九話は、主に沈曄が白鳳九はくほうきゅうを利用して鳳鳴陣を起動し、阿蘭若あらんじゃくを蘇らせようとする物語ですが、その裏には緲落びょうらくの陰謀が潜んでいます。沈曄は何も知らずに、白鳳九はくほうきゅうは彼の頼みを聞き入れ、鳳鳴陣を起動するふりをします。

時を同じくして、夜梟族の襲来の報せが届き、沈曄は急いで宮中へ赴き応戦します。戦闘中、駆けつけた東華と蘇陌葉そはくよう。東華は白鳳九はくほうきゅうにかけられていた修正の術を解き、彼女を連れ去ります。

真実を知った沈曄は、阿蘭若あらんじゃくが蘇らない現実を受け入れることができず、最後は思行河で紫の光に包まれ、魂が東華の体へと飛び込んでいきます。夢の崩壊を察知した東華は、蒼何剣で皆を守りながら出口を探します。

そして、東華は緲落びょうらくの封印をさらに強固なものとし、目を覚ました白鳳九はくほうきゅうは東華と抱き合います。その光景を目にした姫蘅きこうは、悲しみに暮れながら立ち去るのでした。

ネタバレ

太晨宮にて、妙華鏡は三百年前の出来事を映し出す。帝君が下界に投影を送り込んだのは緲落びょうらくを牽製するためだったが、阿蘭若あらんじゃくの存在が変数となり、阿蘭若あらんじゃくの夢が形成された。この夢から脱するには、沉晔ちんよう自身が真相を悟るしかない。さもなくば命の危険に晒される。

事情を知らない沉晔ちんようは、白鳳九はくほうきゅう阿蘭若あらんじゃくの芝居を続けるよう頼み、鳳鳴陣を開けば阿蘭若あらんじゃくの魂を集めて復活させられると信じていた。白鳳九はくほうきゅうはそれが偽りだと分かっていたが、沉晔ちんようの願いを受け入れた。

その時、上君の訃報と夜梟族の襲来が伝えられる。全てが前倒しで起こっているかのように、沉晔ちんようは急ぎ宮殿へ行き傾画けいが姉弟の手下に対応する。相里賀しょうりかが既に兵を率いて敵を防いでいると知り、白鳳九はくほうきゅうと共にその場を離れる。

思行河畔では両軍が激戦を繰り広げていた。沉晔ちんよう白鳳九はくほうきゅうに鳳鳴陣を起動するよう促す。身を隠していた緲落びょうらくはこの言葉を聞きつけ、夜梟の将領の体に乗り移り、魂の紅気を奪おうと画策する。

白鳳九はくほうきゅうが鳳鳴陣を起動しようとしたその時、蘇陌葉そはくよう東華帝君とうかていくんが駆けつける。東華は蒼何剣で自身の身分を示す。沉晔ちんようは事情を説明し、白鳳九はくほうきゅうを返してくれるよう願う。東華はまず白鳳九はくほうきゅうにかけられていた修正術を解き、その後は問題を蘇陌葉そはくように任せ、再び姿を消す。

妙華鏡が再び現れ、青丘から梵音穀までの様々な出来事、そして阿蘭若あらんじゃくの魂が思行河に消えた場面を映し出す。阿蘭若あらんじゃくが生き返らない現実を受け入れられない沉晔ちんようは、結魄灯を抱いて思行河に入り、絶望に沈む。蘇陌葉そはくようは彼を止めず、その時、一筋の魂が水面から飛び出し、東華の体内に吸い込まれる。

一方、緲落びょうらくは東華との戦闘中に、鳳羽花に封印されていた白鳳九はくほうきゅうの魂の紅気を奪う。意識を取り戻した東華は白鳳九はくほうきゅうが倒れているのを見つけ、すぐに緲落びょうらくを攻撃し、傷を負わせて逃走させる。三人を守り、出口を探すため、東華は蒼何剣で結界を作る。

燕池悟えんちご と連宋は解憂泉の傍らで状況を見守っていた。氷封雪穀が突如溶けた時、東華が白鳳九はくほうきゅうを抱きかかえ、その後ろに傷だらけの蘇陌葉そはくようが続いて現れる。東華は燕池悟えんちご に屋敷の交換を申し出る。連宋は玉林院の使用人たちを下がらせ、東華と白鳳九はくほうきゅうが二人きりになれるようにし、軽い冗談を言う。

その後、東華は妙義淵へ向かい、緲落びょうらくへの束縛を強め、さらに彼女に重傷を負わせる。同時に、煦暘くよう魔君は十三殿の魔君を率いて血涙結界の再建に向かう。法力を使い果たしたものの、燕池悟えんちご煦暘くようを全力で支持する一方、聶初寅じょうしょいんは何かを企んでいた。

夜、白鳳九はくほうきゅうが目を覚ますと、傍らで眠る東華の姿があった。その時、姫蘅きこうが現れ、二人が寄り添って眠る姿を見て、親密な関係だと勘違いし、動揺して走り去る。東華は白鳳九はくほうきゅうを落ち著かせ、鉢植えをネズミが倒したのだと嘘をつく。

第49話の感想

第49話は、物語が大きく動く重要な転換点と言えるでしょう。阿蘭若あらんじゃくの夢から現実世界へと戻り、物語は核心へと迫っていきます。沉晔ちんよう阿蘭若あらんじゃくへの一途な想いは切なく、彼が絶望に沈むシーンは胸を締め付けられます。真実を知らないが故の行動とはいえ、その純粋な愛情表現は視聴者の心を揺さぶるものがありました。

一方、東華帝君とうかていくんは相変わらず冷静沈著でありながらも、白鳳九はくほうきゅうへの想いがより明確に表れてきました。修正術を解き、緲落びょうらくから彼女を守る姿は、まさにヒーローそのもの。蘇陌葉そはくように後始末を任せ、自身は白鳳九はくほうきゅうの元へ戻るという行動からも、彼の優先順位がはっきりと分かります。

また、緲落びょうらくの暗躍も不気味さを増しています。白鳳九はくほうきゅうの魂の紅気を奪うという行動は、今後の展開に大きな影を落とすことは間違いありません。東華との対決シーンも迫力満点で、今後の二人の戦いがますます激化していくことを予感させます。

つづく