あらすじ
第五十四話は主に、白鳳九が東華帝君の子供を身籠っていることを知った後、九重天へ行くことを決意する様子を描いています。しかし、太晨宮に着くと、そこはすっかり変わってしまっていて、彼女は東華との複雑な愛の軌跡を思い出します。東華が姫蘅に想いを寄せていること、そして自身の複雑な感情に直面し、白鳳九は過去を捨てることを選び、身を隠すことにします。そして葉青緹に自分の仙力を分け与え、全ての手筈を整えた後、人間界へと降りて修行を積むのです。
一方、魔界では内乱が続いており、燕池悟 たちは緲落と聶初寅に対抗するため、支援を求め、復讐の機会を伺っていました。東華は梵音谷の濁気が漏れ出すのを防ぐため、自ら行動を起こすことを決意します。同時に、白鳳九にもう一度会いたいと願っていました。
そんな中、白鳳九は人間界で東華との間に生まれた息子「白滾滾」を出産し、人間として二百年もの間生活を送ります。その間、白滾滾を育てながら静かに暮らしていました。
そしてついに、葉青緹を助けるため、白鳳九は幽冥司に戻ります。白滾滾を謝孤栦に託し、新たな試練に立ち向かう準備をするのでした。
ネタバレ
白鳳九は青丘で茫然とした日々を送っていたが、妊娠に気づき、折顔からもらった安胎薬を服用後、九重天へ向かう。太晨宮で東華との思い出に浸るも、葉わぬ恋だと悟り、姿を隠して幽冥司へ。そこで葉青緹の修行を助け、謝孤栦に指導を任せる。
一方、緲落は禁製から解放されたものの、回復のため閉関が必要となり、魔力を聶初寅に託し、魔界の管理を任せる。碧海蒼霊に辿り著いた燕池悟 は無人であることを確認。その後、連宋と合流するも、重霖が負傷し梵音穀への救援を要請。東華は梵音穀へ入り、連宋は結界を守り、煦暘魔君の死を知った燕池悟 は激昂するが、連宋に諭され大局を重んじる。
妙義淵の煉化を止められず、梵音穀を封印することに。東華は白鳳九の行方を知り、青丘にいないと聞き、吐血する。比翼鳥族の新たな女君・潔緑は天界に協力すると申し出て、重霖に族人の青丘への避難を依頼する。
白鳳九の失踪は深く調査されず、成玉も事情を嘆くのみ。白鳳九は人間界で息子・白滾滾を出産。人目を避けるため、定期的に白滾滾の髪を染める。仮噬を避けるため、店をいくつか経営し、200年もの間、紅塵で修行を積む。
成長の遅い白滾滾は、自分が他の子と違うことに気づき、父親について尋ねるも、白鳳九はいつも言葉を濁す。人間界での生活は平穏だが、九重天は緲落の混乱に包まれる。東華は緲落を止めるため、碧海蒼霊で封印を施し、星光結界を破壊することを決意。連宋は白浅と夜華の帰りを待つよう進言するも、東華は時間がないと焦り、羽化前に白鳳九に一目会いたいと願う。そこで、五月五日以降、瑶池を永久に封鎖し、仙籍宝録の更新を停止すると宣言する。
葉青緹を助けるため、白鳳九は人間界の用事を済ませ、幽冥司に戻り、白滾滾を謝孤栦に預ける。多くの魔君が殺され、魔族は混乱に陥り、燕池悟 は聶初寅に敗れ重傷を負う。聶初寅は燕池悟 に臣従を促し、東華と緲落が共倒れになれば魔族は復興できると語る。それを聞いた緲落に対し、燕池悟 は聶初寅を殺せば東華の秘密を教えると持ちかける。
第54話の感想
第54話は、様々な登場人物の思惑が交錯し、物語が大きく動き出す重要な回でした。白鳳九はひっそりと人間界で白滾滾を育て、東華は緲落を倒すため、命を懸けた戦いに挑もうとしています。二人の運命の歯車が再び動き始める予感を感じさせ、今後の展開に期待が高まります。
特に印象的なのは、白鳳九の母としての強さです。愛する人の記憶を失いながらも、一人で子供を育て、困難に立ち向かう姿は胸を打つものがあります。また、東華の白鳳九への深い愛情も改めて感じられました。命を懸けてでも彼女に会いたいという強い想いは、切なくも美しいです。
一方、敵対する緲落や聶初寅の暗躍も不気味さを増しています。燕池悟 の動向も気になるところで、今後の物語の鍵を握っているように感じます。それぞれのキャラクターの複雑な感情が丁寧に描かれており、物語に深みを与えています。
つづく