あらすじ
第十話では、小宝の救出劇が中心に描かれます。まず、何一指と小丸子は協力し、小丸子の巧みな言い訳と何一指の力で小宝を牢から救い出します。しかし、何一指の慌てぶりから、二人は梅府からの脱出時に誤って正体不明の黒装束の男に付いて行ってしまい、待ち合わせしていた秋華ではありませんでした。
一方、五爺たちは小宝救出の命を受けていましたが、実際には山の下で休息しており、具体的な行動は何もしていませんでした。小宝を乗せて逃げてきた何一指たちに遭遇した際、五爺は二人を止めさせ危害を加えようとしますが、南香が間一髪で現れ、それを阻止します。
梅府では、小丸子が恐怖に怯える演技をし、司恒は街の封鎖と捜索を命じ、梅長雲も事態収拾のために戻ってきます。小丸子は梅世青のために嘆願し、一日一夜にわたる土下座の末、ついに梅長雲から梅世青の解放を勝ち取ります。最後は、小丸子と梅世青の微妙な心の交流が描かれ、二人の複雑な関係性と変化していく感情が表現されます。この一連の出来事を通して、忠誠心、裏切り、愛情、権力闘争といったテーマが浮かび上がります。
ネタバレ
巧雲のおかげで何一指は司恒の剣幕を鎮め、皆で今後の対策を練る。小宝救出のため、小丸子の提案で何一指が牢へ向かう。小丸子が牢番の目を欺き、何一指が背後から気絶させるという連携プレーで、見事小宝を救出。牢を出た小宝は、まず梅世青に自慢げに見せびらかした後、何一指に促されて梅府を脱出する。梅世青は内通者の存在を疑い、家中を調べ始める。小丸子はしばらくして牢から出て、梅世青に無事であることを伝える。梅世青は小丸子の無事を何より安堵する。
何一指と小宝は梅府脱出後、道に迷い、間違った門を開けるが、そこに待っていた黒装束の人物に助けられる。何一指は秋華だと勘違いし、そのまま梅府を後にする。一方、南覇天から小宝救出を命じられていた五爺たちは、山で怠けていた。そこへ何一指が馬車で到著。馬車の中には薬で眠らされた小宝がいた。五爺は何一指の挙動不審な様子から異変を察知し、馬車を止めると、小宝を発見。何一指を捕らえ、二人を始末しようとする。しかし、そこに南香が現れ、五爺を叱責し、南覇天に裁きを仰ぐと言い放つ。
小丸子は山賊に襲われた芝居を打ち、梅府は大騒ぎとなる。司恒は捜索を命じ、梅長雲も急遽帰宅する。小丸子は梅世青を庇うが、二夫人の讒言により、梅長雲の怒りは収まらない。二人が去った後、小丸子は巧雲と情報を共有する中で、牢を出た後に会った黒装束の人物が秋華ではないことに気づく。梅府内に別の内通者がいる可能性に、二人は恐怖に慄く。
陸英瑶は南香一行を見つけ、後を追う。何一指は陸英瑶に事情を説明し、交換条件を持ちかけるが、五爺に邪魔される。南覇天は小宝の無事帰還を祝う宴を開く。宴もたけなわの頃、小宝は陸英瑶にあっさりとした料理をこっそり差し出す。陸英瑶が南香に助けを求めたことを知っていたのだ。陸英瑶は照れ隠しに、一人になるのが嫌だっただけだと強がるが、小宝は彼女の表情を見て密かに微笑む。
小丸子は梅世青と現状を分析し、梅長雲に梅世青の解放を嘆願することを提案する。しかし、梅世青はそれを拒否する。それでも諦めきれない小丸子は、梅長雲の部屋の前で一日一夜跪き続ける。小丸子の梅世青への深い愛情に心を打たれた梅長雲は、ついに梅世青の解放を承諾する。しかし、解放された梅世青は、跪いている小丸子を見て、まず叱責してしまう。小丸子は少しムッとするが、梅世青はすぐに我に返り、小丸子を抱き上げて部屋に連れて行き、膝の傷の手当てをする。梅世青の真剣な表情に見入りながら、小丸子は思わず彼の顔に触れようとする。梅世青が顔を上げると、二人の視線が交錯する。小丸子は手を引っ込めようとするが、梅世青はそれを掴み…。
第10話の感想
第10話は、ハラハラドキドキの展開と胸キュンシーンが絶妙に絡み合い、息つく暇もないほどでした。まず、小丸子と何一指の連携プレーによる小宝救出劇は、手に汗握る緊張感がありました。小丸子の機転と何一指の武芸が見事に噛み合い、鮮やかな救出劇となりました。しかし、その後の逃亡劇は一転、コミカルな展開に。道に迷い、間違った門を開けてしまう何一指のドジっぷりに思わず笑ってしまいました。
一方、五爺たちの怠惰な姿や、南香の登場による急展開など、物語にさらなる波乱を予感させる要素も盛り込まれていました。特に、南香の凛とした姿は印象的で、今後の展開におけるキーパーソンとなる予感がします。
つづく