あらすじ

第25話では、まる子は郡主ぐんしゅのふりをすることにうんざりし、陸英瑶りく えいように愚痴をこぼします。しかし、まる子が梅世青ばいせいせいに想いを寄せていることを見抜かれてしまいます。梅府に戻ると、まる子はよりわがままな郡主ぐんしゅのように振る舞おうとし、梅世青ばいせいせいを困惑させます。

二人は協力して、梅世青ばいせいせいの母の死の真相を探り始めます。そして、その手がかりが京師にいる福隆幇につながっていることを突き止めます。

一方、南覇天なんはてん司徒しとに対し、梅世青ばいせいせいを引き渡すと約束します。しかし、梅世青ばいせいせいは友人と如意楼で鍋料理を楽しんでいる最中に襲撃を受けます。激しい戦いの末、梅世青ばいせいせいは重傷を負い、目に毒を受けてしまい、包帯を巻いて療養せざるを得なくなります。

梅世青ばいせいせいの目を治すため、まる子は苦労を厭わず、隠遁生活を送る盲目の名医に会いに行きます。そして、自分の誠意を示すため、毒を飲むことまで申し出ます。ついに名医は治療を引き受け、どこにでもある薬草で作った薬を処方します。梅世青ばいせいせいの回復に希望の光が差し込みました。

ネタバレ

小丸子しょうがんし陸英瑶りく えいように、郡主ぐんしゅのふりをする退屈さを愚痴っていました。梅世青ばいせいせいの話になると、つい彼の性格を悪く言ってしまう小丸子しょうがんしですが、陸英瑶りく えいようは彼女の言葉の裏に隠された愛情を見抜きます。二人はそれぞれ想い人のことを考え、思わず笑顔になります。

梅府に戻った小丸子しょうがんしは、陸英瑶りく えいようのアドバイスを思い出し、郡主ぐんしゅらしく気難しい態度をとってみることにします。突然の豹変に梅世青ばいせいせいは戸惑いますが、小丸子しょうがんし郡主ぐんしゅらしくなりたいという気持ちを打ち明けます。梅世青ばいせいせいは、小丸子しょうがんしにはありのままの自分でいてほしいと言います。

梅世青ばいせいせい小丸子しょうがんしを如意楼に連れて行き、母の事件の真相を調べます。かつての塩幇の頭目、李天龍は、梅長雲ばいちょううんによる討伐作戦で行方不明になっていました。一方、塩幇の情報筋によると、資金の一部が菓子を扱う福隆幇に流れていることが分かります。この商会は京城にあり、黒幕は別にいるようです。真相を突き止めるため、梅世青ばいせいせい梅長雲ばいちょううんを訪ねます。息子の土下座に心を動かされた梅長雲ばいちょううんは、塩幇の頭目に妻を殺されたという辛い過去を明かします。しかし、犯人の正体は梅長雲ばいちょううんも知りませんでした。

南覇天なんはてん司徒しとと会い、梅世青ばいせいせいの生死を問いただされます。南覇天なんはてんは再び梅世青ばいせいせいを差し出すと約束します。その頃、梅世青ばいせいせいたちは如意楼で小宝しょうほうたちと鍋を囲んでいました。小宝しょうほう梅世青ばいせいせいは店の外に人の気配を感じます。案の定、南覇天なんはてんの手下が押し入ってきて乱闘になります。梅世青ばいせいせいは匪賊の頭目を一刀両断しますが、死ぬ間際に毒粉を目に浴びせられます。匪賊を倒した後、司恒しこうは急いで梅世青ばいせいせいを屋敷に連れ帰り治療しますが、傷は重く、梅世青ばいせいせいは目を覆って寝込むことになります。梅長雲ばいちょううん梅世青ばいせいせいの無謀さを責め、当時の匪賊は既に全滅させたと主張します。しかし、梅世青ばいせいせいは塩幇の残党がまだ生きていることを突き止めており、二人の間に溝が生まれます。

小宝しょうほう陸英瑶りく えいよう梅世青ばいせいせいの目を心配します。そこへ悲しそうな顔をした小丸子しょうがんしがやってきます。多くの医者に見てもらった結果、梅世青ばいせいせいの目は治らないと言われたのです。陸英瑶りく えいようは、隠遁生活を送る盲目の名医を知っていると小丸子しょうがんしに伝えます。小丸子しょうがんしは自ら名医に会いに行くことを決意します。

小丸子しょうがんしは名医の住まいを訪ね、梅世青ばいせいせいの治療を懇願します。しかし、名医は誰の頼みも聞かないと断ります。小丸子しょうがんしは名医の家の前で土下座をし、考え直してくれるよう頼み続けます。大雨が降っても、炎天下で倒れそうになっても、諦めません。名医が家から出てきた瞬間、小丸子しょうがんしは彼の足にしがみつきます。小丸子しょうがんしの執念に心を動かされた名医は、彼女の真心を探るため毒薬を渡します。小丸子しょうがんしはためらうことなく毒薬を飲み幹します。実はその薬は滋養強壮剤でした。名医は小丸子しょうがんしの行動を面白がり、梅府へ同行します。梅府では、二夫人にふじん梅世元ばいせいげんが冷ややかな態度をとりますが、梅世青ばいせいせいは名医を信じます。診察を終えた名医は簡単な処方箋を出し、梅世元ばいせいげんはただの薬草だと馬鹿にします。名医は、梅世元ばいせいげんは目が見えても心は盲目だと指摘します。小丸子しょうがんしは、この最後の希望に梅世青ばいせいせいの目を治せることを願います。

第25話の感想

第25話は、小丸子しょうがんしのひたむきな愛情と梅世青ばいせいせいの窮地が印象的な回でした。いつも明るく元気な小丸子しょうがんしが、梅世青ばいせいせいの目のために必死になる姿は胸を打つものがありました。盲目の名医に土下座し、毒薬と知りながら躊躇なく飲み幹すシーンは、彼女の深い愛情と強い意誌を示しています。一見コミカルな展開ながらも、その真剣な眼差しからは、梅世青ばいせいせいへの揺るぎない想いが伝わってきました。

一方、梅世青ばいせいせいは父の過去を知り、自身も命を狙われるなど、苦境に立たされます。父との確執、目の負傷、そして迫りくる敵…様々な困難が彼に重くのしかかります。それでも、小丸子しょうがんしの存在が彼の支えとなっていることが感じられ、二人の絆の強さを改めて実感しました。

また、梅長雲ばいちょううんの過去や塩幇の残党の存在など、物語の核心に迫る展開も見られました。梅世青ばいせいせい梅長雲ばいちょううんの対立は、単なる親子喧嘩ではなく、過去の事件に根ざした深い確執であることが明らかになり、今後の展開がより一層気になります。塩幇の残党がまだ暗躍しているという事実は、梅世青ばいせいせいたちの前に更なる試練が待ち受けていることを予感させます。

つづく