あらすじ

第3話では、まる子が巧雲こううんの助けを借りて身分を隠し、迫り来る家宴に備えて郡主ぐんしゅとしての礼儀作法を学ぶ様子が描かれます。まる子と梅世青ばいせいせいの間には緊張感と微妙な空気が漂い、梅世青ばいせいせいは分家を口にしたことで父親の梅長雲ばいちょううんから叱責を受けますが、まる子は彼をかばいます。

自分の決意を示すため、まる子は自ら提案し、実際に壁を築き始めて分家を断行しようとします。この行動は家族全員の注目を集め、梅長雲ばいちょううんの怒りを買います。ついに梅長雲ばいちょううんは、衆人環視の中で梅世青ばいせいせいを平手打ちしてしまいます。

一方、別の場面では、小宝しょうほうが逃げようとした陸英瑶りく えいようを救い出し、彼女への心配とやるせなさを露わにします。

ネタバレ

小丸子しょうがんし巧雲こううんに付き添われ、梅世青ばいせいせいと顔を洗う。小丸子しょうがんしの顔を見た巧雲こううんは驚きで洗面器を落とし、真相を言いかけるが、小丸子しょうがんしは慌てて巧雲こううんを連れ出す。事情を聞いた巧雲こううんは、やはり郡主ぐんしゅが駆け落ちしたのだと悟り、欺君の罪を負うことになると小丸子しょうがんしを責めた。死を以て脅す巧雲こううんに、小丸子しょうがんしは渋々承諾するが、父親の何一指かいつしを探したいと条件を出す。秋華しゅうか巧雲こううんはこれに同意した。

部屋に戻った小丸子しょうがんしは、巧雲こううんに言われた通り、梅世青ばいせいせいに積極的に世話を焼く。昨夜の出来事を思い出し、梅世青ばいせいせいは顔を赤らめる。帯を替える口実で小丸子しょうがんしを困らせようとするが、逆にやり込められてしまう。梅長雲ばいちょううんから昼食時に一緒に挨拶をするように言われ、巧雲こううん小丸子しょうがんし郡主ぐんしゅとしての礼儀作法を特訓する。巧雲こううんの熱心さに根負けし、小丸子しょうがんしはしぶしぶ従う。秋華しゅうかは賭博場へ何一指かいつしを探しに行くが見つからず、小丸子しょうがんしは落胆する。

家宴が始まり、小丸子しょうがんし梅世青ばいせいせいに付き添いながら食卓に著く。お茶を無事に出し終えた後も、美味しそうな料理に手を伸ばしたくなるのを我慢する。梅世青ばいせいせいが独立を申し出ると、梅長雲ばいちょううんは激怒し、一歩も家から出ることを許さない。梅世青ばいせいせいの頑固さに、梅長雲ばいちょううんは家法を持ち出し、鞭で打つ。見ていられなくなった小丸子しょうがんし梅世青ばいせいせいをかばい、郡主ぐんしゅの言葉もあって梅長雲ばいちょううんはようやく怒りを鎮める。

梅世青ばいせいせいばい家での辛い立場を目の当たりにし、傷だらけの梅世青ばいせいせい小丸子しょうがんしは口を出すが、梅世青ばいせいせいは黙っていろと突き放す。巧雲こううん司恒しこうは二人の間を取り持つ。分家を望む梅世青ばいせいせいに、小丸子しょうがんしは壁を作って分けることを提案する。梅世青ばいせいせいは呆れながらも、賭けをして壁を作ることに同意。小丸子しょうがんしは早速陶居正とうきょせいに頼みに行き、陶居正とうきょせいは明日から工事を始めると答える。そして、この話を二夫人にふじんに伝える。二夫人にふじん梅世元ばいせいげんは面白がり、陶居正とうきょせい小丸子しょうがんしの要求を全て受け入れるよう指示する。

酔っ払った小宝しょうほうが部屋に戻ると、陸英瑶りく えいようは隙を見て小宝しょうほうの服を盗み、逃げ出そうとする。しかし、衛兵に見つかりそうになり、慌てて小宝しょうほうに助けを求める。小宝しょうほう陸英瑶りく えいようの無謀さに怒りながらも、彼女の身を案じる。 逃げることを決意した陸英瑶りく えいように、小宝しょうほうは二人の約束を守るように言い聞かせます。

翌朝、小丸子しょうがんしは大勢の人を連れて壁を作り始める。後ろで見守る梅世青ばいせいせいは、小丸子しょうがんしの行動力に感心する。二夫人にふじん梅長雲ばいちょううんを庭に連れて行き、壁を作っている様子を見せる。二夫人にふじんの言葉に乗せられ、梅長雲ばいちょううんは激怒し、梅世青ばいせいせいを問い詰める。梅世青ばいせいせいは全て自分の責任だと主張し、梅長雲ばいちょううんは息子の態度に堪忍袋の緒が切れ、皆の前で梅世青ばいせいせいを平手打ちする。小丸子しょうがんしは驚きで凍り付く。

第3話 感想

第三話は、小丸子しょうがんし梅世青ばいせいせいの関係性が大きく変化する重要な回でした。偽りの夫婦でありながらも、お互いを思いやる気持ちが芽生え始めているのが感じられます。特に、梅世青ばいせいせいが父親から鞭で打たれるシーンでは、小丸子しょうがんしが身を挺して彼をかばう姿に胸を打たれました。これまで小丸子しょうがんしは、自分の境遇を嘆き、梅世青ばいせいせいにも仮抗的な態度を取っていましたが、今回初めて梅世青ばいせいせいの苦しみを目の当たりにし、彼を守るという強い意誌を示しました。この出来事をきっかけに、二人の距離は一気に縮まり、偽りの夫婦という枠を超えた絆が生まれたように感じます。

また、小丸子しょうがんしの行動力と大胆さも印象的でした。分家を提案し、実際に壁を建て始めるという突拍子もない行動は、まさに小丸子しょうがんしらしいと言えるでしょう。梅世青ばいせいせいも最初は呆れていたものの、小丸子しょうがんしの真剣な姿に次第に心を動かされていく様子が見て取れます。二人のコミカルなやり取りも、物語に軽快さを加えており、見ていて楽しいです。

一方で、小宝しょうほう陸英瑶りく えいようの逃避行は、ハラハラドキドキの展開でした。陸英瑶りく えいようの無鉄砲な行動には少々イライラさせられますが、小宝しょうほうが彼女を心配し、守ろうとする姿は男らしく、二人の関係性の変化にも期待が高まります。

つづく