あらすじ
第8話は、まる子、梅世青、何一指たちを中心とした物語が展開します。普段は素直じゃない梅世青が珍しくまる子に感謝の言葉を伝え、まる子は逆に戸惑ってしまいます。そんな中、梅世青は今後の面倒を避けるため、まる子に字の練習をさせようと提案します。
一方、山寨を出たいと考えている何一指は、山寨の掟があるため諦めかけていましたが、陸英瑶の助けを借り、賭博や奇抜な行動で小宝の怒りを買い、ついに下山を許されます。
梅世青はまる子の字の練習に厳しく指導し、二人は言い争いに発展。まる子は自分のマントを見て夜霊侠を連想し、梅世青と激しく衝突した末、家出をしてしまいます。
青州城にたどり著いたまる子は、商会の会長である司徒凛に助けられ、一緒に夕食をとります。司徒凛はまる子に商会の札を贈り、友情の証とします。その後、夜霊侠に変装した梅世青がまる子を見つけ出し、商会の札の代わりに赤い紐を贈り、二人の新たな証とします。
最後に、まる子は再び家出を企てますが、梅世青たちに阻まれ、結局は外出の許可を得るだけで終わります。
ネタバレ
丸子は梅世青に珍しく感謝され、逆に病気ではないかと心配し、世話を焼こうとするが、梅世青はそれを断り、字の練習に付き合うと言い出す。字のせいで正体がバレそうになったのを気にしているようだ。
一方、何一指は山賊の小宝に下山したいと申し出るが、「入ったら出られない」という掟を理由に拒否される。嫁入り道具が必要だとさらに訴えるも疑われ、陸英瑶が助け舟を出すが、小宝はまたしても勘違いし、賭博に誘ってしまう。何一指は賭け事に熱中しすぎてしまい、小宝は恐れをなして賭博を中止させる。
梅世青の厳しい指導に丸子は腹を立て、字が書けないと食事もさせてもらえない。梅世青が様子を見に戻ると、巧雲が披風を届けていた。部屋に戻った梅世青は披風の話を持ち出し、丸子の激しい仮発を招く。丸子にとって披風は優しくて思いやりのある夜霊侠の象徴であり、目の前の横暴で気まぐれな梅世青とは正仮対の存在なのだ。梅世青は自分が嫉妬していることに気づき、丸子と口論になり、ついに丸子は部屋を飛び出してしまう。
陸英瑶は小宝に何一指の山賊暮らしぶりを尋ねる。実は、山賊に居座ろうとするように仕向けたのは陸英瑶だったのだ。小宝は賭博に興じる何一指に手を焼き、今度は「胸口碎大石」の練習に人を集めていると聞き、仕方なく酒に誘う。しかし、何一指は義父・南覇天秘蔵の酒にとんでもないことをしでかし、小宝は慌てて下山させる。南覇天は小宝と陸英瑶を見て、顔の湿疹が治った陸英瑶に再び興味を持ち始める。陸英瑶は内心、何一指に早く助けに来てほしいと願う。
落ち込んだ丸子は青州の街をさまよっていた。青州商会の会長・司徒凛は丸子を見て、子供の頃、同じ顔の少女に助けられたことを思い出す。その時、馬車が迫り、司徒凛は丸子をかばって危険から救う。丸子は感謝し、司徒凛は食事に誘う。
何一指は陸英瑶からの助けを求める手紙を秋華たちに渡すが、丸子に会うまで陸英瑶の居場所を教えないと言い張る。巧雲は焦るが、何一指は逃げてしまう。
夜になり、心配した梅世青は夜霊侠に変装して街に出る。すると、屋台で司徒凛と楽しそうに話す丸子を見つける。梅世青は拳を握りしめる。二人が別れ際、司徒凛は青州商会の証である牌子を丸子に渡し、困った時は訪ねてくるように言う。司徒凛の馬車が去ると、梅世青は牌子を奪い取り、代わりに赤い紐を丸子の手に結び、二人の証だと告げる。丸子は心の支えを得たように感じ、笑顔を見せる。梅世青も丸子の顔を見て、心が和む。
父親が迎えに来たと知り、丸子は再び逃げることを考える。巧雲も賛同し、二人は出かけようとするが、梅世青と司恒に阻まれる。丸子は仕方なく諦め、外出の許可を求める。
第8話の感想
第8話は、登場人物たちの様々な感情の交錯が印象的な回でした。特に、梅世青と丸子の関係性が大きく揺れ動いたと言えるでしょう。
梅世青は、字の練習を通して丸子に厳しく接する一方で、夜霊侠として優しく寄り添う姿とのギャップに苦悩しているように見えました。丸子への想いが深まるほど、素直になれないもどかしさが伝わってきて、見ているこちらもハラハラさせられました。夜市での司徒凛との会話に嫉妬する姿は、人間らしい一面が垣間見えて可愛らしかったです。赤い紐を二人の証として渡すシーンは、不器用ながらも精一杯の愛情表現で、胸がキュンとしました。
一方、丸子は梅世青の厳しさに仮発しながらも、夜霊侠の優しさに惹かれている様子が見て取れました。司徒凛との出会いは、新たな人間関係の始まりを予感させ、今後の展開に期待が高まります。父親との再会を機に再び逃亡を企てるなど、彼女の芯の強さも改めて感じられました。
つづく