あらすじ
第17話は、柳眠棠が徐々に記憶を取り戻し、身の回りの謎を解き明かそうとする様子を描いています。彼女は崔行舟の過去に疑念を抱き始めます。一方、夜には崔行舟と趙泉が県衙を訪れ、役人の腐敗の一端を暴きますが、肝心の証人が口封じされてしまいます。
柳眠棠は薬を使って外出し、かつて馴染み深い鏢局に戻ります。そこで、三年前に起きた婚礼の異変や盗賊に襲われた時の真実、そして様々な技を教えてくれた子瑜のことなど、多くの記憶が蘇ります。しかし、彼女の帰還は鏢局に対する凄惨な殺戮の引き金となってしまい、幸いにも仲間の助けで彼女は難を逃れます。
その後、現場に駆けつけた崔行舟は、一本の傘を手がかりに柳眠棠を見つけます。柳眠棠の問い詰めに対し、崔行舟は何も知らない様子を見せ、彼女の疑念は深まるばかりです。
夜更け、柳眠棠は真実を突き止めようと決意し、容疑者リストを作成して一人ずつ調べていくことを心に決めます。
ネタバレ
柳眠棠は崔行舟との会話の中で、彼が1年前の行動について曖昧に答えることに気付く。崔行舟は青州で陶磁器の商売をしていたと言うが、柳眠棠は同じ時期にこの場所にいた記憶があり、腑に落ちない。直接問い詰める代わりに、なぜ自分に優しくするのか尋ねると、崔行舟は「まだ足りない」と答えるのみだった。
夜、崔行舟と趙泉は栖州県衙へ出関記録の調査に向かい、役人の関与を疑う。宴席で崔行舟は阿骨善が全てを話したと告げ、県丞は恐怖に慄く。秘密を守るため、県丞は阿骨善の暗殺を企てるが、武芸の達人である阿骨善は仮撃し難を逃れる。崔行舟の侍衛は県衙の人間が口封じを図る現場を目撃し、県丞の関与は明らかとなる。しかし、真相が解明される直前、県丞は毒殺されてしまう。
一方、柳眠棠は乳母に睡眠薬を飲ませ、こっそりと記憶の中の鏢局へ向かう。全てが懐かしく、"趙婆"に温かく迎えられる。しかし、談笑中に外で騒ぎが起こり、柳眠棠が様子を見に行くと、黒装束の集団が鏢局の人々を襲撃していた。趙婆もまた、その攻撃によって命を落とす。見知った兄弟分が柳眠棠を逃がそうとするが、彼女は動こうとしないため、気絶させられて荷箱の中に隠される。
目を覚ました柳眠棠は、3年前、崔九に嫁ぐ途中に襲われたこと、その後子瑜と出会い様々な技能を習得したことを思い出す。そして、気を失う前に見た仮面の男のことも。
崔行舟は鏢局へ駆けつけるが、現場は既に片付けられ、惨状の跡だけが残されていた。門口で柳眠棠の傘を見つけ、彼は焦燥感に駆られ彼女を探す。最終的に自宅の中庭で柳眠棠を見つけ出すが、彼女は傘は家にあったと主張する。それでも崔行舟は彼女を信じることにした。
夜、二人は同じ布団で眠る。柳眠棠はそれとなく過去のことを尋ねるが、崔行舟は鏢局の事件について何も知らず、彼女の日常についても事実とは異なる説明をする。柳眠棠は崔行舟がずっと自分に嘘をついていたことに気付き、心に深い寒さを感じる。
崔行舟が寝入った後、柳眠棠は一人中庭へ出て、全ての謎を解き明かそうと決意する。彼女は疑わしい人物の名前を紙に書き出し、鏢局を襲った者、そしてあの夜自分を襲った仮面の男を見つけ出すため、一人ずつ調べていくことを誓うのだった。
第17話の感想
第17話は、これまで積み重ねてきた謎が一気に噴出し、物語が大きく動き出す重要な回でした。柳眠棠の記憶が断片的ながらも戻り始め、崔行舟との間に決定的な亀裂が生じる様子が描かれています。特に、崔行舟の言動の矛盾点が鮮明になり、視聴者も彼への疑念を抱かざるを得ない展開となっています。
これまで優しく包み込むように接してきた崔行舟が、実は何かを隠しているのではないかという不安は、以前から薄々感じられていました。しかし、今回、鏢局襲撃事件と柳眠棠の記憶のフラッシュバックが重なったことで、その疑念は確信へと変わりつつあります。柳眠棠が必死に真実を探ろうとする姿は、見ている側にも緊張感と切迫感を与えます。
一方、崔行舟の視点も気になります。彼が本当に柳眠棠を騙しているのか、それとも何か事情があって真実を話せないのか。彼の行動には謎が多く、今後の展開が非常に重要になってくるでしょう。
つづく