あらすじ
第24話は宮廷内の権謀術数を軸に展開し、綏陽王妃が崔行舟に取り入ろうとするも、やんわりと断られる様子が描かれています。柳眠棠はかつて崔行舟から贈り物を受け取ったことが仇となり、肝心な場面で玉帯を落としてしまい、仕切り直しのため退場を余儀なくされます。子瑜と柳眠棠のやり取りからは、二人の過去の繋がりや複雑な感情が垣間見え、子瑜が綏王排除のため柳眠棠に協力を持ちかける場面からは、権力争いへの強い意志が見て取れます。
一方、子瑜は柳眠棠に対し特別な関心を示し、一緒に遊覧に誘ったり、花を贈ったりするなど、親密な様子を見せます。それに対し、崔行舟は心中穏やかではありませんが、臣下として耐えるしかありません。太后から皇后を立てるよう促され、石雪霽を皇后の寝宮に入れるよう提案されますが、子瑜は検討するとして言葉を濁します。また、太后は舞華公主を淮陽王である崔行舟に嫁がせることを提案しますが、崔行舟の勢力拡大に繋がることを懸念した子瑜はすぐには承諾せず、春猟を利用して二人を引き合わせることを承諾するにとどまります。この回は、登場人物たちの細やかな心の動きを通して、宮廷内に張り巡らされた複雑な人間関係を浮き彫りにしています。
ネタバレ
綏陽王妃は王爷の意向を受け、崔行舟に取り入ろうと、柳眠棠にいくつか装飾品を持たせ、崔行舟に試著させた。子瑜の姉も同席し、綏陽王妃は崔行舟に婚約の有無を尋ね、縁談を持ちかけようとした。子瑜は姉に目配せし、姉は崔行舟には青州に想いを寄せる女性がおり、高価な香粉を贈ったと説明した。
柳眠棠は以前崔行舟からその香粉を贈られており、事情を知っていたため、綏陽王妃がその女性について詳しく聞こうとした時、わざと玉帯を落としてその場を逃れた。
子瑜の命で宮殿へ向かった柳眠棠は、太子府で仰山にあった海棠の花に価た満開の花を目にした。部屋の装飾も仰山と同じで、彼女は懐かしさを感じた。子瑜が現れ、暖炉で手を温める柳眠棠に近況を尋ねた。柳眠棠は彼が何を知りたいか察しながらも、以前と同じだと答えた。子瑜は、かつて柳眠棠と崔行舟が親密そうにしているのを見ていたため、心中穏やかではなかった。
子瑜は柳眠棠が胡人に扮して綏王への復讐を企てていることを見抜いていた。柳眠棠も否定せず、子瑜は綏王の用心深さを指摘し、協力して復讐することを提案した。彼自身も、軍功を鼻にかけ傲慢になった綏王を排除したいと考えていた。
柳眠棠が去った後、子瑜はよく海棠の花を手に取っていた。石雪霽がお茶を運んできた際、物思いにふける子瑜に海棠が好きかと尋ねると、子瑜は仰山にあった海棠とそこでの思い出を語った。石雪霽はそれが女性との思い出だと察した。
以前は身分に縛られていた子瑜だが、皇帝となった今は自由に振る舞える。柳眠棠を誘って夜景を眺め、投壺をし、花を贈った。それを偶然見かけた崔行舟は心中穏やかではなかったが、相手が皇帝である以上、何もできない。淮陽王府に戻った崔行舟は紙に「忍」の一文字を書いた。
太后は子瑜に石雪霽を皇后に立てるよう勧めたが、子瑜は明確な返事を避けた。太后が石雪霽を皇后の寝宮に移すことを提案すると、子瑜は重要な事柄なので礼部と相談してから決めると言って阻止した。
また、太后は舞華公主を崔行舟に嫁がせることを提案した。舞華公主との婚姻は崔行舟の勢力を強めることになるため、子瑜はまだ排除の方法を模索中であり、それを良しとしなかった。しかし、公主の同意があれば異存はないと答えた。太后は春猟を利用して舞華と崔行舟を引き合わせることにした。
第24話の感想
第24話では、子瑜と柳眠棠の関係、そして崔行舟を巡る複雑な感情の絡み合いが描かれ、今後の展開がますます気になる内容でした。
子瑜は皇帝としての権力を持ちながらも、柳眠棠への想いを隠しきれない様子が印象的でした。仰山での思い出を大切にしている描写や、柳眠棠に花を贈るシーンからは、彼の純粋な愛情が感じられます。一方で、復讐という共通の目的のために柳眠棠と手を組む冷静さも持ち合わせており、皇帝としての責任感と個人的な感情の狭間で揺れ動く姿が人間味を感じさせます。
柳眠棠は、復讐という重い宿命を背負いながらも、子瑜の優しさに触れることで、少しずつ心を開いていく様子が描かれています。しかし、崔行舟への想いを完全に断ち切れているわけではなく、二人の男性の間で揺れ動く心情が繊細に表現されていました。
つづく