あらすじ
崔行舟は柳眠棠の動向を常に気にかけていた。彼女が烏鎮の酢を欲しがっていると聞くと、わざわざ人を遣わして届けさせた。彼女の美食へのこだわりを満たすため、貴重な烏鬃鵝までも手に入れて振る舞った。柳眠棠は真相を知り、鏢局を買収した後、崔行舟との関係を断とうとしたが、彼は動じなかった。柳眠棠は夫がいると偽って崔行舟を諦めさせようとしたが、彼は調査し、それが嘘だと見破った。
そこで崔行舟は新たな策を講じた。自らを荷物に偽装し、柳眠棠に護送させることで、彼女に近づき、昔の思い出を再び作り出そうとしたのだ。ある外出の際、崔行舟は境界線を越え、柳眠棠に復縁を申し出た。この行動は結果的に北州の王爷に謹慎を命じられることになったが、彼は身分や任務に縛られず、柳眠棠への想いを貫く決意を示したのだった。
ネタバレ
崔行舟は柳眠棠の近況を探らせ、外祖父が鏢局を売ろうとしていると知る。彼は部下に柳眠棠の動向を監視させ、彼女を世話する老婆にも賄賂を渡した。柳眠棠が呉江酢を欲しがっていると聞くと、崔行舟はすぐさま手配して届けさせた。
突然届いた呉江酢に疑問を抱いた柳眠棠は、出所を探るため、翌日には焼きガチョウを食べたいと要求する。崔行舟は北周王府から烏鬃鵝を“借りて”柳眠棠に振る舞った。一家は鵝の美味しさに舌鼓を打ち、その安さに驚いた。翌日、外祖父が同じ鵝を買おうとすると、崔行舟は再び王府から鵝を“借りてきた”。
柳眠棠は鵝を売っていたのが崔行舟の部下である影衛だと気づき、差額を支払った上で、二度と関わるなと伝えた。その後、柳眠棠は貯金を使い鏢局を買い取り、外祖父にその決意を告げる。外祖父は彼女の行動を褒めるも、早く嫁に行くことを望んでいた。
影衛から柳眠棠の言葉を伝え聞いた崔行舟は落胆する。その後、彼は客に扮して鏢局に依頼をし、柳眠棠は彼を護衛することになった。市場で崔行舟は柳眠棠に山査子飴を買い与え、青州での日々を懐かしむ。しかし、柳眠棠は鏢師として、彼の個人的な話に付き合う義務はないと冷たく突き放す。
午後に二人は国境付近に到著し、崔行舟は復縁を申し出る。柳眠棠は馬で国境線を越え、二人の間の溝と自分の自由を示した。崔行舟も彼女の後を追うが、国境を越えたことで北州王の命により捕らえられ、王府に閉じ込められてしまう。北州王は再び国境を越えることを危惧していたのだ。尋問に対し、崔行舟は柳眠棠との関係を明かすも、北州王は淮陽王がただの女に心を奪われるはずがないと信じなかった。
第27話の感想
第27話では、崔行舟の柳眠棠への一途な想いと、それを受け入れられない柳眠棠の複雑な心情が描かれています。身分を隠してまで柳眠棠に近づき、彼女の望みを葉えようとする崔行舟の姿は、純粋な愛情表現と言えるでしょう。呉江酢や焼きガチョウの手配など、些細な頼み事にも応えようとする彼の行動は、健気でいじらしくも感じられます。しかし、柳眠棠はそんな彼の好意を素直に受け取ることができません。過去に起きた出来事、そして二人の間の身分の差が、彼女の心に大きな壁を作っているのでしょう。
国境線を越えるシーンは、二人の関係性を象徴的に表しています。自由を求めて境界線を越える柳眠棠と、彼女を追いかける崔行舟。物理的な境界線は、二人の心の距離を視覚的に表現しているかのようです。崔行舟の行動は、彼の強い決意を示す一方で、衝動的で軽慮な面も垣間見えます。北州王に捕らえられてしまう結末は、彼の行動が招いた当然の結果と言えるでしょう。
つづく