あらすじ
第39話は、綏王が中秋節にクーデターを企てるという陰謀を中心に展開します。崔行舟と柳眠棠はこの企てを事前に察知し、来るべき攻撃に備えていました。皇帝もまた綏王の謀仮を把握しており、皇后の安全を確保するため、中秋の夜に皇后が祈福に出かけるよう手配します。
一方、皇帝の寵愛を失った孫芸児は、心に深い恨みを募らせていました。そんな中、綏王妃から密かに毒薬を受け取った孫芸児は、皇帝主催の家宴の席で毒を盛ります。皇帝と皇后は毒に倒れますが、太皇太后の機転と太医の的確な解毒処置により、一命を取り留めます。
そして太皇太后は巧妙な計略を用いて、孫芸児の犯行を暴きます。ついに悪事が露見した孫芸児は、引き立てられて処罰されることになりました。綏王は、崔行舟が援軍を求めて都を脱出したと勘違いしますが、実際には崔行舟は皇后的を守るために動いていたのです。
ネタバレ
中秋節に綏王が謀仮を起こすという情報が崔行舟の影衛からもたらされた。都に近い守備隊が突破されれば、事態は深刻になる。柳眠棠と崔行舟は綏王の進軍ルートを予測し、激戦への備えを進める。
皇帝は綏王の計画を知り、戦う覚悟を決める。しかし皇後の安全を案じ、密かに影衛に手紙を送り、中秋の夜、皇后を寺の参拝に出し皇宮から遠ざけるよう命じる。皇后は皇帝の心配を察するものの、この緊迫した時期に何故宮を離れなければならないのか理解できない。
宮中では、皇后から孫芸児への贈り物が拒否される。貴妃が望んでいるのは、新しく献上された鳳儀の宝飾品だった。これは石雪霽だけが持つ貴重な品。柳眠棠の勧めで、皇后は孫芸児にこの宝飾品を贈る。しかし、豪華な宝飾品を身につけた孫芸児に、皇帝は最近の煩心事からか冷たく接し、宝飾品を外すよう命じる。
失意の孫芸児は綏王の支援を求めるが、彼は会おうとしない。そんな中、綏王妃から贈り物と手紙、そして薬の粉が届く。綏王からの指示だと考えた孫芸児は、薬の効果を試した後、皇帝主催の宴で毒を盛る。
宴席で、皇帝と皇后が酒を飲んで倒れるのを太后が目撃する。太后は直ちに宮門を閉鎖し、太医に解毒を命じる。皇帝と皇后の杯だけに毒が入っていたことが判明。尚食局の宮女が柳眠棠から酒壺を受け取ったと自白した後、自害する。孫芸児は柳眠棠を告発するが、太后は見抜いていた。ある方法で孫芸児の罪を暴く。
太医は石雪霽の死を報告し、孫芸児は処刑される。皇后の死と皇帝の毒殺未遂を知った綏王は、皇帝が長くはないと考え、帝位継承の機会を待つ。崔行舟の動向を探らせると、青州へ向かったと聞き、援軍を求めていると勘違いする。
実際は、崔行舟は綏王に対抗する策を実行するために青州へ向かっていた。物語は、それぞれの勢力が決戦に向けて動き出す中、宮廷陰謀の真の目的が明らかになるのを待つ。
第39話の感想
第39話は、息詰まる展開で、物語の核心に迫る重要なエピソードでした。綏王の謀仮計画が明らかになり、宮廷内は一気に緊張感が高まります。皇帝と皇后の毒殺未遂は衝撃的でしたが、それ以上に、それぞれの思惑が複雑に絡み合い、誰が味方で誰が敵か分からない状況が見ている側にも緊張感を与えました。
特に印象的だったのは、皇后の冷静さと聡明さです。皇帝の異変にいち早く気づき、事態の深刻さを理解しながらも、毅然とした態度を崩しませんでした。孫芸児の策略にはまりながらも、最後は太后の機転によって真相が明らかになる展開は、見ていてスカッとしました。
一方、孫芸児の焦りと絶望感が、彼女の行動をさらに危険なものにしていました。綏王に見捨てられ、孤立無援の状態に追い込まれた彼女の行動は、哀れみを感じさせると同時に、自業自得という思いも抱かせます。
つづく