あらすじ
第四十話は宮廷権力闘争を中心に展開します。綏王は皇帝が昏睡中に監国の責務を担い、この機会を利用して政敵の崔行舟を打倒し、投獄しました。彼は皇位を渇望し、皇帝を暗殺しようと企てますが、計画が発覚し捕縛され、最後は自害します。
一方、柳眠棠らは崔行舟の救出に成功します。綏王の失脚により、皇帝は再び権力を掌握し、国は安定を取り戻します。皇帝と皇后は苦難を共にしたことで、互いの愛情をより深く確かめ合います。
崔行舟は官職を辞し、柳眠棠と共に山水の旅に出ることを選び、家庭や約束を大切にする彼の姿勢が示されます。この話は、一連の緊迫した展開を通して、忠誠と裏切り、権力への欲望と人間らしい温情の対比を描いています。
ネタバレ
皇帝は数日間意識不明のままで、太后は付きっきりで看病していましたが、疲れ果て、一時的に永寿宮へ戻りました。綏王はすかさず摂政を担い、全ての奏上を自分に報告するよう命じます。この機に、崔行舟の師の末裔である大臣が崔行舟の弾劾に乗り出します。綏王は驚いたふりを見せますが、実は全て想定内。前日、国公が息子の助命を嘆願しに訪れていたのです。普段は取り入ろうとしても相手にされなかった国公の懇願に気を良くした綏王は、これを承諾し、自らの計画を明かしました。
弾劾当日、崔行舟は大理寺の審判を待つため牢獄へ繋がれます。同時に、綏王は淮陽王府の外出禁止を命じます。深夜、牢を訪れた綏王は崔行舟を嘲弄し、跪くよう命じます。しかし、淮陽王府への禁令を知っていた崔行舟は、毅然とした態度で跪くことを拒否し、綏王に早まるなと警告します。
皇位を狙う綏王は、太后に玉璽の在り処を迫ります。太后は彼の野心を察し、謀仮を起こさないよう諭しますが、玉璽の場所は明かしません。その時、皇帝の容態が好転し、回復に向かっているとの報告が入ります。焦った綏王は兵を率いて皇宮へ乗り込み、太医を下がらせ、自ら皇帝の看病に当たります。しかし、綏王が皇帝に手をかける寸前、皇帝は目を覚まし、錦衣衛が即座に綏王を取り押さえ、陰謀は失敗に終わります。
柳眠棠は崔行舟に食事を届けに牢獄へ行き、彼を救出することを決意します。武芸を駆使して見事脱獄に成功し、石義寛も駆けつけ、三人は無事に逃げ延びます。柳眠棠は孫芸児にも会いに行き、悪事は必ず自分に返ってくること、そして薬の件は偽りで、孫芸児は利用されていた駒に過ぎないことを告げます。
追い詰められた綏王は自害を選び、皇帝は大きな脅威を取り除きます。皇后と再会した皇帝は、互いの情を深めます。国が安定した後、崔行舟は故郷へ帰ることを選び、皇帝に別れを告げ、調兵虎符を返上します。皇帝は自ら彼に酒を注ぎ、二人は互いを親友として認め合います。
最後は、崔行舟と柳眠棠は約束通り各地を旅し、自由な生活を送ります。崔行舟は臣下として国に尽くし、夫として妻を愛し、真の男児としての人生を全うしました。
主要登場人物の結末:
崔行舟(さいこうしゅう)と柳眠棠(りゅうめんとう): 皇孫子瑜(しゆ)を助け、仮逆者を排除し、朝廷を安定させた後、崔行舟は子瑜に別れを告げ、柳眠棠との約束を果たし、彼女と共に朝廷を離れ、青州に戻り悠々自適な王爺暮らしを送ることになりました。二人は湖上を舟で漂い、まるで霊泉鎮(れいせんちん)で過ごした日々に戻ったかのように、穏やかで自由な生活を送っています。後日、製作陣が公開した「後日談」では、柳眠棠が懐妊し、王府に新しい命が誕生するとのことです。
子瑜(しゆ)と石雪霽(せきせつせい): 子瑜が皇位を固めた後、石雪霽との仲はより一層深まりました。最終話では、木の上で佇む石雪霽と、凧を持つ子瑜が微笑み合うシーンで幕を閉じ、言葉にはせずとも二人の深い愛情が表現されていました。その後、雪霽と子瑜は盛大な婚礼を挙げ、間もなく双子(男女)を授かります。息子は皇太子に立てられますが、子瑜は病弱と過労が重なり早世してしまいます。幼い皇太子が即位した後、雪霽は皇太后となりました。
賀珍(がちん)と趙泉(ちょうせん): 賀珍は一貫して陶磁器の商売に専念し、趙泉は彼女を支え続け、事業を成功に導きました。賀珍は趙泉を試すために、幾つかの山を調査した後に結婚すると約束していました。最終話では、賀珍が趙泉に最後の山を調査すると言い、プロポーズを受け入れることを暗示しました。趙泉は大喜びし、二人の恋はついに結実しました。
孫芸児(そんうんじ): 養父の綏王(すいおう)と共謀し、皇帝と皇后に毒を盛ろうとしましたが、陰謀が露見し完全に発狂、冷宮に送られました。
綏王(すいおう): 仮逆は ultimately 失敗に終わり、自害しました。
崔行迪(さいこうてき): 物語に隠された真の黒幕として、倭寇と密かに通じ、楚太妃(そたいひ)と皇帝に呪いをかけ、淮陽王(わいようおう)の座を狙っていましたが、その陰謀はついに暴かれ、破滅の道を辿ることになりました。
崔芙(さいふ): 原作では、崔芙と郭奕(かくえき)の結婚生活はうまくいかず、後に柳眠棠たちの助けを借りて郭奕と離婚し、李光才(りこうさい)と再婚して幸せを掴みました。
第40話の感想
「柳舟恋記 ~皇子とかりそめの花嫁~」第40話、ついに最終回を迎えました。怒涛の展開で、息つく暇もなく見入ってしまいました。綏王の野望が露わになり、皇帝の命が危ぶまれる緊迫した状況の中、崔行舟と柳眠棠の絆の強さが改めて描かれていました。
特に印象的だったのは、牢獄での崔行舟と綏王の対峙シーンです。権力を手にした綏王の傲慢さと、窮地に立たされても信念を曲げない崔行舟の凛とした姿が対照的で、緊迫感がありました。柳眠棠の武芸を駆使した脱獄シーンも、手に汗握るアクションで、見応え抜群でした。
最終的に、悪は滅び、正義が勝つという王道的な結末でしたが、そこに至るまでの過程は波乱万丈で、視聴者を飽きさせませんでした。崔行舟と柳眠棠が、様々な困難を乗り越え、最後に静かで穏やかな暮らしを手に入れたシーンは、見ているこちらも幸せな気持ちになりました。二人の旅立ちのシーンは、まさに「めでたしめでたし」という言葉がぴったりです。
一方、孫芸児の最後は少し切なくもありました。利用されていたとはいえ、犯した罪は消えません。しかし、柳眠棠の言葉によって、自分の行いを悔いているようにも見えました。様々な登場人物のそれぞれの結末が、深く心に刻まれました。
全体を通して、愛、友情、陰謀、裏切りなど、様々な要素が詰め込まれた、見応えのある作品でした。最終回まで、緊張感と感動が途切れることなく、最後まで楽しめました。