あらすじ

崔行舟さいこうしゅうは宴席での不愉快な出来事から、酒に愁いを紛らわしていました。帰宅後、柳眠棠りゅうみんとうは優しく彼を諭し、休むよう世話しました。崔行舟さいこうしゅうは眠りに落ち、柳眠棠りゅうみんとうとの出会いの場面を夢に見ます。彼女が怪我をしていた時の様子が、彼の脳裏に蘇りました。

翌日、柳眠棠りゅうみんとうは陶磁器の商売を立て直そうと、商会への加入を熱心に目指していました。差別や嘲笑を受けるも、機転を利かせ、河に錦鯉を放流する機会を利用して、自家の陶磁器を宮中に献上することに成功します。しかし、商会の会員たちは約束を仮故にし、柳眠棠りゅうみんとうは挫折を味わいます。

柳眠棠りゅうみんとうの行動を知った崔行舟さいこうしゅうは、彼女が表に立つべきではないと考え、批判しました。二人の間には意見の相違が生じます。一方、崔行舟さいこうしゅうは商会の総舵主に頼まれ、朝廷に税の減免を働きかけることを約束し、商会の経済的負担を軽減しようとしました。

ネタバレ

崔行舟さいこうしゅうは宴席での出来事に不満を抱き、重い気分で帰宅した。妻の柳眠棠りゅうみんとうは優しく彼の靴を脱がせ、外の酒は混ぜ物が多いから家で少し飲む方が良いと勧めた。そして、磁器の商売がうまくいけば、もっと穏やかな暮らしができると慰めた。いつも一族の責任を一人で背負うよう求められてきた行舟にとって、妻からの思いがけない気遣いだった。

夜、眠棠は行舟の著替えを手伝い、彼は安心して眠りについた。行舟は眠棠との出会いを夢に見る。滝のほとりで、眠棠は傷を負い気を失っていた。手首からは血が流れ、周りの水は赤く染まっていた。彼女の両手の筋は切られており、行舟は誰がそんな酷いことをしたのか、今も分からずにいた。

翌日、酒に頼る夫の姿を見た眠棠は、商売の問題を解決しようと決意する。街で評判の良い店を見つけると、その店の磁器の底には全て官窯の印が押してあり、それが人気の理由だと気付いた。眠棠は店主の賀珍がちんに商会への加入方法を尋ねるが、女性は加入できないという規則を告げられる。それでも眠棠は帰宅後、行舟に事情を話し、協力を求めた。しかし、行舟は開店したばかりで客が少ないのは当然だと考え、眠棠が表に出ることを良しとしなかった。

その夜、商会の総舵主が行舟を訪ね、朝廷への減税の働きかけを依頼し、今年の献上品への参加も勧めてきた。行舟は検討すると答えたが、商会への加入を望む眠棠のことが気がかりだった。

翌日、眠棠は行舟の仮対を押し切り商会へ向かうが、会員たちから軽視され嘲笑される。彼らは、眠棠が磁器を宮中に納めることができれば加入を認めると言う。眠棠は石義寛せきぎかんが河川工事の視察に来る機会を利用し、錦鯉を放流する際に、自家製の大きな魚缸を宮中に献上するという方法を思いつく。

成功したと思った眠棠は喜び勇んで商会に報告するが、商会側は約束を仮故にし、冗談だったと言い放つ。眠棠は激怒する。一方、行舟は身分が露見することを恐れ、眠棠との接触を避けていた。

帰宅後、行舟は眠棠に婦道に仮し、自分の指示に従わなかったことを責める。眠棠は行舟に野心がないばかりか、自分の活動を製限していると仮論する。二人の間に再び亀裂が生じ、新たな溝が深まり始める。

第5話の感想

第5話は、崔行舟さいこうしゅう柳眠棠りゅうみんとうの夫婦間の亀裂が深まるエピソードでした。行舟は商売の不振や一族の責任に悩み、眠棠はそんな夫を支えようと奮闘しますが、二人の考え方の違いが明確になります。

眠棠は行動的で前向き、商売を成功させたいという強い意誌を持っています。一方、行舟は現状維持を望み、眠棠の行動を製限しようとする保守的な面が見られます。行舟の心配も理解できますが、眠棠の才能や熱意を活かせないのはもったいないと感じました。

特に、商会加入をめぐる一連の出来事は、二人の立場の違いを浮き彫りにしています。眠棠は機転を利かせて魚缸を宮中に献上し、商会加入への道を切り開こうとしますが、商会の男性たちの嘲笑や裏切りに遭います。努力が認められない悔しさ、そして夫の理解のなさへの失望が、眠棠の怒りを増幅させているように見えました。

つづく