あらすじ

第12話は、韓紫晴かんしせい楚飛燕そひえんの交渉を中心に展開します。韓紫晴かんしせいは四皇子の蠍の形をした指輪を頼りに交渉を優位に進め、楚飛燕そひえんに協定を締結させることに成功しました。楚飛燕そひえんは言葉で韓紫晴かんしせいを傷つけようとしましたが、韓紫晴かんしせいは動じることなく、協定を持って軍営に戻りました。君北月くんほくげつは結果に満足していましたが、司徒しと馨児けい児が訪ねてきてデリケートな話題に触れたため、韓紫晴かんしせいは気まずくなり、その場を離れました。その後、韓紫晴かんしせいは、次男が馨児けい児を陥れようとして、自分に罪を着せようとした陰謀を暴きました。夜、韓紫晴かんしせいが琴を弾いて気を紛らわせていたところ、彼女を心配して君北月くんほくげつがやって来ました。二人は離歌りかのことで口論になり、韓紫晴かんしせい離歌りかに師事して離殤を学ぶことを諦めず、それが自分と関係があるかもしれないと考えているのに対し、君北月くんほくげつは不満を示しました。一方、南照国は依然として韓紫晴かんしせいを狙っていますが、彼女は気にも留めない様子で、君北月くんほくげつが開いた祝勝会にも参加しませんでした。

ネタバレ

君北月くんほくげつ韓紫晴かんしせい楚飛燕そひえんとの交渉を命じた。天闕てんけつの真意を悟ったかと問う北月ほくげつに、紫晴しせいは策があると自信を見せ、北月ほくげつは静観することに。楚飛燕そひえんは、待ち続けた末に現れたのが紫晴しせいだと知り激昂。西陵せいりょうの将軍である自分に対し、ただの相府の庶女である紫晴しせいが何者だと詰問する。紫晴しせいは蠍型の指輪を見せ、四皇子代理としての権威を示す。

楚飛燕そひえんは一瞬ひるむも、すぐに態勢を立て直し条件を提示。西陵せいりょうが雪域への侵攻を狙っていることを見抜いた紫晴しせいは、逆に自身の条件を突きつける。激怒する楚飛燕そひえんを尻目に紫晴しせいは立ち去ろうとするが、土壇場で楚飛燕そひえんは交渉に応じ、協定を結ぶ。楚飛燕そひえんはなおも紫晴しせいを挑発し、北月ほくげつとの関係を嘲笑うが、紫晴しせいは意に介さず北月ほくげつの元へ戻る。

北月ほくげつと陣営は喜びに沸く中、司徒しと馨児けい児が駆け寄り北月ほくげつに抱きつく。気まずい紫晴しせい北月ほくげつは二人を紹介するが、馨児けい児が国色天香の件に触れ、紫晴しせいは言い返してその場を離れる。北月ほくげつ紫晴しせいを捜索させ、馨児けい児を天幕に残す。功績を主張する弟に対し、北月ほくげつは冷たくあしらう。その後、北月ほくげつが単独で出発し馨児けい児が天幕に取り残されたのを知った弟は、馨児けい児を唆し連れ出す。その様子を目撃した紫晴しせいは二人を追跡し、弟が馨児けい児を殺害して紫晴しせいに罪をなすりつけようとする現場に遭遇、馨児けい児を救うも誤解される。

夜、一人琴を弾く紫晴しせい北月ほくげつが見舞うが、紫晴しせいは冷淡な態度を取る。二人の想いに気づいた紅衣こういだが、紫晴しせいは全てが夢だと自分に言い聞かせる。北月ほくげつの去った後、離歌りかの琴の音を聞きつけた紫晴しせいは、龍淵りゅうえん大陸の命運を握る離殤を学ぶため、離歌りかの元へ向かう。そこに北月ほくげつが現れ、紫晴しせいはとっさに離歌りかを庇う。北月ほくげつに連れ戻された紫晴しせいは、離歌りかのことで北月ほくげつと口論になり、北月ほくげつ紫晴しせいを見放すと言い残す。

南照は依然として紫晴しせいを狙っており、紫晴しせいは一人琴を弾き、北月ほくげつの祝宴にも参加しない。一方、弟は離歌りかと接触し、新たな共謀を企てる。

第12話の感想

第12話は、韓紫晴かんしせいの機知と強さが際立つ一方、彼女を取り巻く複雑な人間関係がさらに深まるエピソードでした。楚飛燕そひえんとの交渉では、相手の思惑を見抜き、冷静に自らの条件を提示する紫晴しせいの聡明さが光りました。蠍型の指輪を用いて四皇子代理としての権威を示す場面は、彼女の胆力と機転を象徴する印象的なシーンでした。

しかし、北月ほくげつとの関係は、司徒しと馨児けい児の登場により、新たな局面を迎えます。馨児けい児の無邪気な言動が、紫晴しせい北月ほくげつの間に微妙な隙間を生み出し、紫晴しせいの孤独感をさらに深めているように感じました。北月ほくげつへの想いを抑え、一人琴を弾く紫晴しせいの姿は、切なくも美しいものでした。

また、北月ほくげつの弟との対立も激化し、陰謀渦巻く展開に緊張感が高まりました。馨児けい児を救う場面での誤解や、離歌りかとの秘密のレッスンなど、紫晴しせいの行動は常に誤解や危険を伴います。それでも彼女は龍淵りゅうえん大陸の平和のために尽力し、その芯の強さを改めて示しました。

つづく