あらすじ

韓紫晴かんしせいは留仙島の埠頭に到着した。徐統領じょとうりょうに難癖をつけられたが、賄賂を使うことで通行を許可された。しかし、江辰こう しんに阻まれてしまう。韓紫晴かんしせい江辰こう しんの正体を見破り、彼を挑発。ついに江辰こう しんに謝罪させ、捕らえられていた百里尾生ひゃくりびせいたちを救い出した。

芦氏山荘に到着後、韓紫晴かんしせいは休む間もなく念北ねんほくに会うことを要求する。そして、念北ねんほくが毒に侵され意識を失っていることを知る。梅婷めい てい江辰こう しんのために韓紫晴かんしせいに詰め寄るが、逆に懲らしめられてしまう。この騒動を聞いた芦荘主ろ しょうしゅは、梅婷めい てい江辰こう しんを山下の住居に追いやり、素穎そ えいにも罰を与えた。

老顧ろうこ念北ねんほくの毒を診断した結果、百里尾生ひゃくりびせいが差し出した解毒剤は効果があるものの、量が足りないことが判明する。韓紫晴かんしせいは昏睡状態の君北月くんほくげつに語りかけ続け、思いがけず反応を得る。二人の深い絆が垣間見えた瞬間だった。

この一連の出来事を通して、韓紫晴かんしせいの知恵、決断力、そして仲間への思いやりが際立っていた。

ネタバレ

韓紫晴かんしせいはついに留仙島の埠頭に到著した。しかし、埠頭の警備をしていた徐統領じょとうりょうたちに囲まれてしまう。紫晴しせいは蘆氏山荘の客だと説明するが、徐統領じょとうりょうは信物がない限り入島を許可できないと拒む。紫晴しせいは部下に合図を送り、金貨の入った袋を徐統領じょとうりょうに渡すと、徐統領じょとうりょうは態度を変え、案内を始めた。

その時、江辰こう しんが現れ、徐統領じょとうりょうを叱責し、紫晴しせいの入島を阻止しようとする。紫晴しせい江辰こう しんの身分を問いただすと、江辰こう しんは言葉を濁すが、紫晴しせいは見抜いて彼の身分を指摘し、蘆姓に変えたらどうかと皮肉を言う。怒った江辰こう しんの前に、密かに島に侵入した百里尾生ひゃくりびせいとその弟弟子が捕らえられて連れてこられた。紫晴しせいは彼らに気づき、江辰こう しんの怒りの矛先は彼らに向かうが、紫晴しせいはそれを止め、江辰こう しんを殴ると脅す。紫晴しせいが手強いと悟った江辰こう しんは、面目を保つため、一旦引き下がる。しかし、紫晴しせいはそれで済ませるつもりはなく、江辰こう しんに謝罪を要求し、江辰こう しんは渋々従う。紫晴しせいは去ろうとするが、捕らえられた百里尾生ひゃくりびせいのことを思い出し、彼らを救い出す。そして、江辰こう しんに二度と尾行しないよう釘を刺した。

紫晴しせいが到著する前に、すでに噂は蘆氏山荘に届いていた。江辰こう しん紫晴しせいにひどく扱われたと訴え、蘆夫人は紫晴しせいの身分を知っていたので、子供たちの言葉に惑わされず、紫晴しせいを出迎えた。紫晴しせいは挨拶もそこそこに、念北ねんほくに会うことを要求する。

念北ねんほくとの再会に、紫晴しせいは様々な感情が込み上げるが、涙をこらえる。そこに梅婷めい ていが現れ、江辰こう しんの仕返しをしようと騒ぎ出す。紫晴しせいは事を荒立てたくはないが、老顧ろうこいん念北ねんほくの傍にいないこと、周りの人間がそれぞれ思惑を抱いていることに気づき、事情を問いただす。その時、素穎そ えいが慌ててやってきて、李管家りかんか百里尾生ひゃくりびせいたちを殺そうとして、今は行方不明だと報告する。紫晴しせいが困惑していると、老顧ろうこいんが戻ってくる。老顧ろうこはすぐに念北ねんほくの脈を取り、いんはこれまでの出来事と濡れ衣を著せられた経緯を紫晴しせいに説明する。状況を冷静に分析した紫晴しせいは、事を大きくしないために蘆夫人に警告し、説明を求める。しかし、梅婷めい ていは騒ぎ続け、ついに紫晴しせい梅婷めい ていを蹴り飛ばす。蘆夫人はすぐに謝罪し、その場を去った。紫晴しせい念北ねんほくの様子を気にかけ、老顧ろうこ念北ねんほくの内力は回復しているが、意識が戻らないのは毒のせいだと診断する。

蘆荘主が戻り、事情を聞くとすぐに梅婷めい てい江辰こう しんを山麓の屋敷に追放し、素穎そ えいも罰する。この知らせはすぐに紫晴しせいの耳にも入り、紫晴しせいは当然のことだと受け止める。老顧ろうこは、山荘の中で殿下に真心を持っているのは蘆荘主だけで、蘆夫人も心優しいが、人に利用されやすいと話す。しかし、念北ねんほくが何の毒に侵されているかは、老顧ろうこにも分からなかった。

紫晴しせい百里尾生ひゃくりびせいが自分を尾行していることに気づき、部屋を出ていくと、案の定百里尾生ひゃくりびせいが現れ、紫晴しせいに薬を渡す。半信半疑の紫晴しせいは、薬を老顧ろうこに渡す。一方、梅婷めい てい江辰こう しんは山麓の粗末な環境に不満を漏らし、江辰こう しん梅婷めい てい紫晴しせいたちを追い出す策を練るよう唆す。

老顧ろうこ百里尾生ひゃくりびせいの薬を試すと、解毒効果があることを確認するが、薬の量が足りないため、さらに薬草を探すことに決める。老顧ろうこから念北ねんほくが自分の声を聞いている可能性があると聞いた紫晴しせいは、念北ねんほくに話しかけ続け、念北ねんほくはついに仮応を示す。

第16話の感想

第16話は、韓紫晴かんしせいの機転と行動力、そして念北ねんほくへの深い愛情が際立つエピソードでした。留仙島への上陸から、蘆氏山荘での騒動、そして念北ねんほくの毒に関する新たな展開まで、息つく暇もないほどの怒涛の展開に目が離せませんでした。

特に印象的だったのは、江辰こう しんとの対峙シーンです。身分を隠そうとする江辰こう しんに対し、紫晴しせいは鋭い洞察力で見抜き、堂々と渡り合う姿は痛快でした。また、百里尾生ひゃくりびせいとその弟弟子を助け出す場面も、紫晴しせいの正義感と優しさが垣間見える感動的なシーンでした。

蘆氏山荘では、梅婷めい ていの騒動や李管家りかんかの陰謀など、様々な問題が勃発しますが、紫晴しせいは冷静に状況を分析し、的確な判断で事態を収拾していきます。老顧ろうこいんの不在を感じさせないほど、紫晴しせいの存在感は圧倒的でした。

つづく