あらすじ

韓紫晴かんしせいは、現実世界への帰還が匕首に関係しているのではないかと考えていた。しかし、母親の形見であるその匕首は、継母によって既に処分されており、手がかりを見つけることはできなかった。雲曦うんぎは、陳家で辛い思いをしないよう、言動に注意するよう忠告したが、韓紫晴かんしせいは韓汐兒の陰謀を探るため、陳家の公子について調べることばかり考えていた。

夜、韓紫晴かんしせいは陳家に忍び込んだ。そこで、黒装束の男たちが陳家の公子に韓汐兒を訴える状紙に署名するよう迫り、その後殺害する場面を目撃した。力の差は歴然としており、彼女は撤退を余儀なくされた。

翌日、陳家の公子の訃報を聞いた韓紫晴かんしせいは、驚きはしなかった。そして、選秀への招待状を受け取った。韓汐兒からの脅しにも屈せず、韓紫晴かんしせいは敢えて選秀への参加を決意した。

選秀の会場に四王子が現れると、彼は他の者たちの疑念をよそに、韓紫晴かんしせいを即座に選び出した。そして、彼女を自分と同じように扱うと宣言し、その場から連れ出した。韓紫晴かんしせいは四王子の腰に下げられた匕首に気づき、密かにその意味を推し量った。最終的に、彼女は西園に案内された。

ネタバレ

韓紫晴かんしせいは現実世界へ戻る鍵が匕首にあると気づき、部屋を探すが、見当たらない。侍女の雲曦うんぎも母の遺品と共に嫡母に捨てられたと告げる。紫晴しせい雲曦うんぎにもっと毅然とした態度を取るよう諭す。陳家への嫁入りを心配する雲曦うんぎに対し、紫晴しせいは陳家には嫁がないと断言するが、韓汐児かんしじの企みを探るため、陳公子ちんこうしの住処を調べるよう雲曦うんぎに命じる。

夜、紫晴しせい陳公子ちんこうし宅へ忍び込む。そこで二人の黒装束の男が陳公子ちんこうしに汐児を告発する状書を書かせた後、殺害するのを目撃する。相府を狙う陰謀を感じた紫晴しせいだが、声を出せない。そこに別の黒装束が現れ、三つ巴の戦いとなる。紫晴しせいも巻き込まれるが、多勢に無勢で撤退を余儀なくされる。

翌日、老二ろうにと呼ばれる男は母親に、昨夜共にいた二人の仲間が消えたと報告する。母親は証拠隠滅を命じ、状書は保管するよう指示する。四王子側にも二人の死が報告され、既に埋葬されたという。四王子は紫晴しせいについて尋ね、家臣は普通の令嬢と変わらないと答えるが、昨夜の紫晴しせいの身のこなしを知る四王子は、彼女が隻者ではないと確信する。

陳公子ちんこうしの死はすぐに広まり、汐児は紫晴しせいが選秀に参加することを恐れる。紫晴しせいは冷静に事態を受け止め、間もなく選秀用の衣装が届く。汐児は紫晴しせいを訪ね、選秀に参加しても無駄だと脅すが、紫晴しせいは逆に挑発され、雲曦うんぎと共に選秀へ向かう。

選秀が始まり、大臣や秀女が集まる中、紫晴しせいは最後尾に並ぶ。周囲の噂をよそに、四王子が現れ、汐児に様々な質問をする。汐児は完璧な令嬢を演じるが、四王子は「人を殺せるか」と尋ね、汐児は言葉を失う。次に四王子は紫晴しせいの前に進み、紫晴しせいは何の取り柄もないと答えるが、四王子は紫晴しせいを選ぶと宣言する。周囲からは仮対の声が上がるが、四王子は一蹴し、紫晴しせいを王妃として丁重に扱うと宣言する。手を引かれ戸惑う紫晴しせいだが、四王子の腰にあの匕首を見つけ、求婚を受け入れる。馬車の中で、紫晴しせいは理由を尋ねるが、四王子は「面白い」とだけ答える。

王府に到著後、四王子は呼び出され、紫晴しせい紅衣こういに西園へ案内される。

第2話 感想

第2話は、紫晴しせいの機転と行動力が際立つ展開で、一気に物語に引き込まれました。現実世界への帰還の鍵を握る匕首の行方を捜索する中で、陳公子ちんこうし殺害事件に遭遇し、陰謀の渦中に巻き込まれる様子は緊迫感たっぷり。侍女の雲曦うんぎとのやり取りからも、紫晴しせいの芯の強さと、周囲への配慮が垣間見え、ただの「お嬢様」ではないことが伺えます。

特に印象的だったのは、選秀のシーン。汐児の策略によって不利な状況に立たされながらも、四王子の前で堂々と振る舞い、最終的に王妃に選ばれるという展開は痛快でした。四王子が紫晴しせいを選んだ真意はまだ謎に包まれていますが、「面白い」という一言に、紫晴しせいの持つ不思議な魅力を感じ取っているように思えます。

つづく