あらすじ
第二十一話は、宮廷内の陰謀と権力争いを中心に展開します。韓紫晴と沁妃が思いがけず水に落ち、その後、南照王と君北月が駆けつけます。毒殺の可能性を疑った王は、解毒剤を厳しく要求し、関係者に警告を発しました。韓紫晴は背後で誰かが糸を引いていると推測しますが、軽はずみな行動は避けるべきだと考えます。
一方、楚飛燕は日中の落水事件に疑問を抱きますが、沁妃は事故だと主張します。競技開始前、楚飛燕は韓紫晴に挑戦状を叩きつけますが、韓紫晴は意に介さない様子です。競技中、韓紫晴はわざと精彩を欠いた演技をし、楚飛燕の警戒を解きます。その後、南照王は楚飛燕を次の行事に招待し、彼女にそれが罠であることを悟らせます。両国の平和のため、楚飛燕は不快感を覚えながらも王の招待を受け入れざるを得ませんでした。
さらに、この話は芊芊の和親の話と、君北月の狩りの真意にも触れています。翌日の狩りで、韓紫晴は芊芊を守るという名目で、仕組まれた罠に嵌り、偶然にも自分の血液に特別な保護能力があることを発見します。
ネタバレ
紫晴は沁妃と共に水に落ち、すぐに引き上げられた。沁妃は狼狽し、駆けつけた北月と南照王に助けを求めた。北月は異変に気づき、南照王に説明を求める。王は解毒剤を用意させようとするが、側近は薬を馬車に置いたままと言い訳。王は王妃たちに何かあれば命をもって償わせると脅し、側近は王のために用意した小袋に解毒剤があるかもしれないと申し出た。解毒剤が見つかり、北月は紫晴に服用させ、王妃に触れた者たちにも解毒剤を配った。北月は背後に黒幕がいると察し、紫晴も南照では軽挙妄動はできないと考えた。
沁妃は騒動を起こしたことを謝罪し、王に琴を弾いて慰めようとするが、王は沁妃に休養を勧めて夢妃のもとへ向かった。楚飛燕は沁妃に、水落ちは紫晴の仕業かもしれないと仄めかす。沁妃は毒入りの川に落ちたのは事故だと考え、楚飛燕にも気にしないように言うが、楚飛燕は納得しない。離歌は妹に紫晴に関わるなと忠告するが、妹は聞き入れず、離歌は妹の立場を危うくすると脅した。
琴の試合が始まり、楚飛燕は紫晴に勝利宣言をするが、紫晴は無関心を装う。紫晴は最後の順番だったが、沁妃が順番について尋ねたため、紫晴は大トリを沁妃に譲った。沁妃は出場するつもりはなかったと弁明する。琴の演奏が始まり、楚飛燕が登場するまで皆平凡な腕前だった。南照王は楚飛燕の演奏に喜び、沁妃はそれを気に留めた。紫晴の番になり、琴の名手と噂されていた紫晴はわざと下手な演奏を披露する。楚飛燕は自分の勝利を確信していたが、南照王は楚飛燕を後の催しに誘い、沁妃と共に船上で過ごすように勧めた。そこで楚飛燕は紫晴の策略に気づいた。北月と紫晴は満足げにその場を後にした。王は沁妃に楚飛燕を呼ぶように命じ、沁妃は王が琴を愛しているため楚飛燕が目立ちすぎたのが原因だと説明した。楚飛燕は紫晴の真意を悟るが、両国の平和のために王の誘いに応じた。水かけの儀式で王は楚飛燕に水をかけ、南照ではそれは好意の証だが、楚飛燕は嫌悪感を抱きながらも王の誘いを拒否できなかった。
芊芊は司徒に帰国後和親が決まったことを告げ、司徒は落胆する。芊芊は母の形見を司徒に渡し、司徒は芊芊の帰国に同行すると申し出るが、芊芊はそれを気にせず立ち去った。北月は狩りに出かけることになり、紫晴は北月が自分のために狩りを口実にしていることを理解していた。紫晴は北月の身を案じながらも、自分の気持ちに蓋をした。
翌日、紫晴は北月の病気を理由に狩りに参加せず、百里尾生は一行が迷瘴穀へ向かうことを知り、師と共に後を追った。迷瘴穀で南照の役人が規則を説明した後、各自散らばっていった。沁妃はまた何か企んでいる様子だった。紫晴は兎に異変を感じ、芊芊を守るために罠に落ちてしまうが、自分の血が身を守る効果があることを偶然発見した。
第21話の感想
第21話は、紫晴の機転と策略、そして北月との息の合った連携が見どころでした。特に、琴の演奏でわざと下手なふりをし、楚飛燕の慢心を誘う場面は痛快でしたね。楚飛燕の高慢な態度とは裏腹に、紫晴は冷静に状況を分析し、南照王の好意を利用して楚飛燕に恥をかかせるという、見事な逆転劇を演じました。
一見、紫晴は楚飛燕に負けたように見えましたが、実際は完全に楚飛燕を出し抜いており、その知略の高さが際立っていました。一方、楚飛燕は自分の才能を過信し、紫晴を侮っていたため、まんまと罠にハマってしまったと言えるでしょう。この対比が、物語をより面白くしています。
また、北月と紫晴の信頼関係も印象的でした。北月は紫晴の意図を理解し、協力を惜しみませんでした。言葉は少ないながらも、互いを深く信頼し合っている様子が伝わってきて、二人の絆の強さを感じさせます。
つづく