あらすじ

第二十四話では、馨児けい児老二ろうにと王后に唆され、渋々韓紫晴かんしせいに酒を勧めることに同意しました。しかし、馨児けい児韓紫晴かんしせいの元へ着くと、君北月くんほくげつ馨児けい児に謝罪を要求し、韓紫晴かんしせいは酒を飲むことを拒否しました。すると君北月くんほくげつ馨児けい児にその酒を自分で飲むように命じ、怒った馨児けい児韓紫晴かんしせいの顔に酒を浴びせかけてしまいます。この馨児けい児の行動に激怒した君北月くんほくげつは、司徒浩南しどうこうなん馨児けい児を連れ去るよう命じました。

その後、韓紫晴かんしせいは問題のある胭脂を使ったことで顔に異変が生じ、その隙に何者かに連れ去られてしまいます。韓紫晴かんしせいを探しに出た君北月くんほくげつは、気絶した紅衣こういを発見し、韓紫晴かんしせいが拉致されたことを知ります。

一方、老二ろうに韓紫晴かんしせいを南照へ護送する途中、楚飛燕そひえんに遭遇します。楚飛燕そひえん韓紫晴かんしせいを救出しただけでなく、老二ろうにを殺害し、駆けつけた離歌りかも捕らえてしまいます。楚飛燕そひえん韓紫晴かんしせい離歌りかを連れ去り、韓紫晴かんしせいを虐待しました。楚天戈そ てんか楚飛燕そひえん韓紫晴かんしせいを殺すのを止めました。彼らは孤島の人々を利用する計画を立てており、東陵海域を通って西陵せいりょうへ戻る必要があったからです。離歌りかは抵抗できませんでしたが、昭汐しょうせきに会った際に血で記号を残しました。

最終的に、君北月くんほくげつ老二ろうにの遺体を持って宮殿に戻り、王后を問い詰めました。王后は息子の死を前に、全てを認めました。

ネタバレ

馨児けい児紫晴しせいを嫌っており、祝いの酒を注ぐ役目を渋っていたが、第二王子と王妃に唆され、渋々承諾する。北月ほくげつ馨児けい児の真意を見抜き、紫晴しせいにきちんと謝罪するよう命じる。馨児けい児は恭しい態度を見せるも、紫晴しせいは酒を受け取ろうとしない。北月ほくげつもまた、紫晴しせいはこの酒を飲む必要はないと言い、馨児けい児に自分で飲むように促す。これに腹を立てた馨児けい児は、隙を見て紫晴しせいの顔に酒を浴びせかける。激怒した北月ほくげつは、すぐに司徒浩南しどうこうなんを呼び、馨児けい児を連れ去らせる。紫晴しせい紅衣こういと共に著替えに向かった。

紫晴しせいの化粧は台無しになり、紅衣こういが出かけようとした時、侍女が化粧道具を届ける。第四王子からの贈り物だと言う。紅衣こういは確認後、紫晴しせいにそれを使うように渡した。しかし、それは王妃が仕組んだ罠だった。普段使いでは問題ないが、酒と混ざると仮応を起こす仕掛けが施されていたのだ。再び宮宴に戻った紫晴しせいの顔には異変が現れる。顔の図騰を見られてはいけないと悟った紫晴しせいは、その場から逃げ出す。北月ほくげつもすぐに追いかけるが、そこには気絶した紅衣こういの姿だけがあった。紅衣こういは、何者かに紫晴しせいが連れ去られたと北月ほくげつに伝えるが、犯人の顔までは確認できなかったという。宮宴では、安王あんのうが事態の隠蔽を提案し、王もそれに同意。情報統製が敷かれた。

一方、第二王子は紫晴しせいを南照へ連行しようとしていたが、道中で楚飛燕そひえんに遭遇し、紫晴しせいを奪われてしまう。抵抗する第二王子は、飛燕に殺されてしまう。駆けつけた離歌りかも飛燕に捕らえられ、共に連れ去られてしまう。王宮で紫晴しせいを見つけられなかった北月ほくげつは、安王あんのうに釘を刺されながらも、いんと共に城外へ捜索に向かう。十両じゅうりょう率いる紫晴しせいの兵団も捜索に加わった。

目を覚ました離歌りかは、全身に力が入らない。飛燕は、死に至らない程度の毒を盛っただけで、抵抗できないようにしただけだと告げる。抵抗できない離歌りかは再び薬を飲まされ、眠りに落ちる。飛燕は捕らえられた紫晴しせいの元を訪れ、鏡を差し出す。変わり果てた自分の顔を見た紫晴しせいは、それでも美しいと言い放つ。その傲慢さに激怒した飛燕は、紫晴しせいを鞭で打つ。それでも紫晴しせいは強気な態度を崩さない。飛燕は紫晴しせいを殺そうとするが、楚天戈そ てんかに止められる。孤島の人間を利用しようと企む天戈にとって、紫晴しせいは重要な存在だったのだ。しかし、西陵せいりょうへの輸送手段が問題となっていた。飛燕は天戈を昭汐しょうせきの元へ連れて行く。北月ほくげつによって陸路は封鎖されているため、東陵の海域を利用するしかないと考えたのだ。昭汐しょうせきの姿を見た離歌りかは、力を振り絞り、血で密かに痕跡を残す。

北月ほくげつは第二王子の遺体と共に王宮に戻り、王と王妃を問い詰める。息子の死に王妃は錯乱し、全ての罪を認める。しかし、その頃には飛燕は既に離歌りか紫晴しせいを連れ、出発しようとしていた。

第24話の感想

第24話は怒涛の展開で、息つく暇もないほどでした。馨児けい児紫晴しせいへの嫉妬からの行動は、あまりにも短絡的で、結果的に王妃の策略にまんまと嵌められてしまう様子は、見ていて歯がゆかったです。彼女自身も王妃に利用されていることに気づいていないようで、今後の動向が気になります。

一方、紫晴しせいはまたしても窮地に立たされます。せっかく北月ほくげつとの関係が良好になりつつあったのに、再び試練の時を迎えることになってしまいました。顔に異変が起きた時の彼女の恐怖は痛いほど伝わってきて、胸が締め付けられました。それでもなお、楚飛燕そひえんの前で毅然とした態度を崩さない彼女の強さに、改めて感服させられました。

北月ほくげつは、紫晴しせいを救うため、奔走する姿が印象的でした。冷静さを保ちながらも、その心中は焦りでいっぱいだったでしょう。紅衣こういの証言から紫晴しせいが連れ去られたことを悟り、すぐに捜索に向かう決断力はさすがです。安王あんのうとのやり取りからも、彼の強い意誌と覚悟が感じられました。

つづく