あらすじ
第二十八話は、韓紫晴の失踪と救出劇を中心に展開します。君北月と百里尾生たちは、韓紫晴が砂に埋もれて亡くなったという事実を受け入れられず、狂ったように砂を掘り起こし、彼女を救出しようとします。君北月は体力の限界で倒れてしまいますが、離歌も捜索に加わります。
一方、韓紫晴は不思議な場所で目を覚まします。そこは毒草が生い茂る異世界でした。脱出しようと試みますが、失敗に終わります。そして、毒のある果実を誤って口にしてしまい、気を失ってしまいます。
君北月は意識を取り戻すと、韓紫晴が結界の中に閉じ込められていることを知り、すぐに影を夢族へ派遣し、結界を解くための助けを求めます。同時に、南照王も夢族の次男と三男を使って韓紫晴を見つけ出そうと企みます。
百里尾生は一人で結界の入り口を探し、離歌は夢族の長老の助けを得て体力を回復します。
そしてついに、夢族の次男と三男が、思いがけず君北月の部屋に結界の入り口を発見します。韓紫晴の救出に新たな希望の光が差し込んだのでした。
ネタバレ
砂に完全に埋もれてしまった紫晴だが、北月たちは諦めず掘り続けた。特に尾生は狂乱したように砂を掻き分け、そこに意外にも離歌が現れ、共に必死に紫晴を探した。誰も彼女の死を信じられなかった。しかし、北月はついに体力の限界を迎え、倒れてしまう。一方、十両は地面に落ちた紫晴のハンカチを見つけ、しっかりと握りしめた。
目を覚ました紫晴は、周囲の見慣れない植物に戸惑い、必死に逃げようとするが、何度走っても同じ場所に戻ってしまう。途方に暮れていると、毒草に捕らえられてしまう。そこに現れたのは大国師だった。彼は、孤島の人は現世に生きるべきではないと言い、紫晴を人傀儡に変えようとする。この毒草の世界は孤島人のためにあるのだと告げるが、紫晴は激しく抵抗し、自分は孤島の人でも韓紫晴でもなく、人傀儡にもなりたくないと叫ぶ。紫晴の予想外の抵抗に大国師は驚き、結界の入り口も消えてしまったため、一旦引き下がることにした。
北月は意識を失ったまま誰かに運ばれ、朦朧とする中で紫晴の手を握ったと思い込む。しかし、それは十両の手だった。十両は密かに微笑み、北月の手を握り返した。一方、尾生は鳴沙山に関する情報を探るため、典籍閣に忍び込む。金長老に見つかりそうになるが、典籍が焼けるのを恐れる金長老の弱点を利用し、うまく騙して逃走、重要な情報が記された典籍を手に入れる。しかし、逃げる際に金長老から七虫散を浴びせられ、金鱗のおかげで腕が無事だったものの、危機一髪だった。典籍には、求めていた手がかりがあった。一方、紫晴は毒草の世界からの脱出を試みるが、空腹に耐えかね、毒だと知りつつも果実を食べてしまう。結果、激しい腹痛に襲われ、気を失ってしまう。意識が薄れる中、紫晴は北月に助けに来てほしいと願った。
まるで紫晴の心の声を聞いたかのように、北月は目を覚ます。すぐに紫晴の行方を尋ね、探しに行こうとする。その時、尾生が駆けつけ、紫晴が結界に閉じ込められたことを伝える。その結界は夢族にしか開けられないと聞き、北月はすぐに影を夢族へ遣わした。
南照では、大国師が戻り報告をする。彼らは紫晴の死体を確認するまでは安心できないと考え、夢族を利用しようと企む。狙うは長老ではなく、父親に認められていない夢族の次男と三男だった。南照王は彼らを唆し、協力を得ることに成功する。
北月の遣いは夢族の長老に会うことができなかった。そこで尾生は自ら結界の入り口を探しに出かけ、離歌は夢族へ向かう。弱った体で長旅を続け、ついに長老の家の前で倒れてしまう。夢族の人々に助けられ、意識を取り戻した離歌が何かを言おうとしたその時、長老は彼を助けるには…と告げ、離歌は再び気を失う。長老は面倒事を避けようとしたが、見殺しにすることはできなかった。一方、結界の入り口を探していた夢族の次男と三男は、偶然北月の屋敷に辿り著く。司徒浩南は夢族の人物だと聞き、中へ招き入れる。すると二人は、結界の入り口が北月の部屋にあることを突き止める。尾生もまた、何かを発見したようだった。
第28話の感想
ハラハラドキドキの展開が続く第28話!紫晴の危機、北月の焦燥、そして尾生の活躍と、目が離せないシーンの連続でした。
特に印象的だったのは、砂に埋もれた紫晴を諦めずに探し続ける北月たちの姿。愛する人を失うかもしれないという恐怖と戦いながら、必死に砂を掘る姿には胸が締め付けられました。離歌の登場も意外で、彼の紫晴への想いが改めて感じられるシーンでした。
一方、紫晴は毒草の世界で孤独な戦いを強いられます。絶望的な状況の中でも、決して諦めない彼女の強さに心を打たれました。大国師の恐ろしい計画も明らかになり、今後の展開がますます気になります。
そして、忘れてはいけないのが尾生の活躍!機転を利かせて典籍閣に潜入し、重要な情報を入手する彼の姿はまさにヒーロー!七虫散の危機も金鱗のおかげで乗り越え、頼もしさが増しました。
つづく