あらすじ
第29話は、主に君北月と韓紫晴の救出劇、そして離歌と夢族との交流を描いています。
夢族の次男と三男は、結界の入り口が君北月の胸にあることを発見し、夜間に彼に術をかけようと企みますが、間一髪で阻止されます。離歌の要請で夢族の長老が現れ、邪悪な鏡の秘密を明かし、離歌の贖罪の考えに賛同します。君北月は長老の助けを借りて目を覚まし、結界に入り韓紫晴を無事に救出します。
同時に、皆は君北月が長老の孫であることを知ります。一方、百里尾生は毒に侵され、韓紫晴たちに看病されます。
こうした出来事を経て、君北月と韓紫晴の絆はより一層深まります。しかし、十両は新たな状況に落胆しています。
ネタバレ
夢家の次男と三男は、君北月の部屋に結界の入り口を見つけ、それが彼の胸にあることを知る。怪しまれないよう、司徒と老顧を一時的に部屋から出し、君北月を眠らせたままにする計画を立てる。司徒は二人に休む場所を用意する。
一方、昏睡状態だった離歌は目を覚まし、夢家の長老が結界術で命を救ったことを知る。結界が壊れなければ生き続けられるが、韓紫晴のために夢家に助けを求める。長老は邪悪な鏡は先祖が残したもので危険すぎるため、関わりたくないと思っていた。しかし、離歌の「贖罪は逃げるのではなく、向き合うべきだ」という言葉に心を動かされ、同意する。
夜、夢家の次男と三男は君北月の胸の結界に手をかけようとするが、誰かに気づかれ、翌日へ持ち越す。翌日、再び行動を起こそうとするが、その時、離歌が夢家の長老と共に帰ってくる。司徒と老顧は次男と三男に何かあると感づき、長老も異常に気づく。二人の息子を見て激怒し、厳しく罰しようとする。君北月の状態を確認した長老は、次男と三男が禁錮の術を使ったことを確認し、簡単に禁製を解いて君北月を目覚めさせる。長老は結界の入り口が君北月の胸にあることを指摘し、なぜ四皇子に既視感を持つのか不思議がる。そして韓紫晴を救うことを決意し、次男と三男も同行を願い出て、長老はそれを許す。
結界内で餓死寸前だった韓紫晴は、果樹の実を食べた後、気を失ってしまう。長老は皆を韓紫晴が消えた鳴沙山へ連れて行き、護法は君北月を結界内へ送り込む。百里尾生が駆けつけるが、君北月は既に結界の中だ。韓紫晴は自分の名前を呼ぶ声を聞き、君北月を見て駆け寄る。君北月は彼女を慰め、結界の外へ連れ出す。韓紫晴は皆に感謝し、立ち去る。離歌は彼女の後ろ姿を見つめ、韓紫晴に受け入れてもらえるよう努力することを決意する。
韓紫晴が無事に帰還した後、君北月は長老に感謝する。驚くべきことに、君北月は長老の孫であり、胸の封印は彼の母親が施したものだった。韓紫晴は君北月に親族が増えたことを喜び、二人はより一層互いを大切に思うが、彼女は別れの時が辛いので深入りしないよう自分に言い聞かせる。
百里尾生は重毒に侵されているが、韓紫晴が見舞いに来た時には平気なふりをする。しかし、すぐに倒れてしまう。老顧は彼が毒に侵されていると診断し、百里尾生は金鮫の身分を隠さなくなる。韓紫晴は南照へ人を送り、曉笙を百里尾生の看病に当たらせる。十両は百里尾生をしっかり看病すると話し、韓紫晴は以前君北月の世話をした十両に感謝する。君北月はこれからは十両に韓紫晴の専属の世話係をさせると言い、十両は少し落胆する。
第29話の感想
第29話は、物語の核心に迫る重要な展開が盛りだくさんのエピソードでした。まず、夢家の次男と三男の企みが発覚し、彼らの浅はかな行動が長老の怒りを買いました。禁錮の術を使うなど、一族の掟を破る行為は許されるものではなく、今後の彼らの立場が危うくなる可能性も示唆されています。同時に、この事件を通して、司徒と老顧の忠誠心が改めて確認され、君北月への信頼の厚さが伺えました。
そして、最も衝撃的だったのは、君北月と夢家の長老の血縁関係が明らかになったことです。胸の封印が母親によるものだったという事実は、君北月の出生の秘密、そして彼の持つ不思議な力の謎を解く鍵となるでしょう。韓紫晴もこの事実を知り、君北月への想いをさらに深めますが、同時に別れへの不安も抱えています。二人の関係が今後どのように変化していくのか、目が離せません。
また、離歌のひたむきな姿も印象的でした。韓紫晴への一途な想いを胸に、夢家の協力を得て彼女を救うために奔走する姿は、彼の変化と成長を感じさせます。韓紫晴はまだ彼を受け入れていませんが、彼の真摯な努力がいつか実を結ぶことを期待したいです。
つづく