あらすじ

第37話は、君北月くんほくげつ韓紫晴かんしせいが鉄岩が西陵せいりょうに攻め込まれたという知らせを受け、芊芊せんせん浩南こうなんの安全を確保するため天闕てんけつに戻る決意をする場面から始まります。一方、鉄岩の反撃によって楚天戈そ てんかは部下の支持を失い、最後は暗殺されてしまいます。

天闕てんけつに戻った君北月くんほくげつ韓紫晴かんしせいは、負傷した芊芊せんせんと再会します。芊芊せんせん浩南こうなんの死と、軒轅離歌けんえんりか楚天戈そ てんかと共謀していた事実を二人に告げます。百里尾生ひゃくりびせい離歌りかがそんなことをするはずがないと信じ、離歌りかを問い詰めますが、肯定的な返答を受け取ってしまうのです。

その後、韓紫晴かんしせいたちは離歌りかと対峙し、激しい衝突が起こります。しかし、離歌りかは結界によって守られており、婉約えんやくに連れ去られてしまいます。

最後に、君北月くんほくげつは外祖父の葬儀のため夢潔島に戻り、そこで外祖父の死の真相を突き止めます。そして、陰謀を企て外祖父を殺害した夢家の次男と三男を処刑します。離歌りかは目を閉じて静養する婉約えんやくを襲おうとし、物語はここで謎を残したまま終わります。

ネタバレ

北月ほくげつ紫晴しせいは鉄岩が西陵せいりょうに攻め込まれた知らせを受け、芊芊せんせん浩南こうなんの身を案じ、すぐさま天闕てんけつへ戻ることを決めた。百里尾生ひゃくりびせいも同行し、曉笙しょうせいは別れを惜しみ、何度も彼らが戻ってくることを確認しながらも、涙を流した。

一方、楚天戈そ てんかは鉄岩の仮撃の報を受け、内乱中の鉄岩がなぜ仮撃できたのか理解できなかった。部下からの報告で雪域が背後で手を引いていることを知り、雪域を問い詰める。しかし、雪域は楚天戈そ てんかの非情な統治を非難し、部下に寝返りを促した。結果、民心を失った楚天戈そ てんかは部下に殺されてしまう。

天闕てんけつに戻った北月ほくげつ紫晴しせいは、西陵せいりょうが三界の地を通らずに鉄岩を攻撃できた理由を考えあぐねた。弥天深海の存在が浮かぶも、北月ほくげつは自ら訪れた経験から、大軍が通過するのは容易ではないと判断した。しかし、今は対策を練ることが先決と、安王あんのうと共に軍議に向かった。その頃、紫晴しせい芊芊せんせんが負傷して到著したとの知らせを受け、駆けつける。芊芊せんせん浩南こうなんが死んだと告げ、全ては軒轅離歌けんえんりか楚天戈そ てんかの仕業だと説明した。芊芊せんせんの証言によると、離歌りかはその後西陵せいりょうの王城も占領したという。全ては離歌りかの陰謀と思われたが、尾生は信じられず、離歌りかに直接問いただすため血徴を背負って向かった。

離歌りかは尾生の問いに対し、全て自分の仕業だと認めた。北月ほくげつ紫晴しせいの名を出されても動じず、北月ほくげつの出兵を待っていると告げ、曉夢に尾生を送り出させた。尾生は離歌りかの変わりように困惑する。間もなく、紫晴しせい一行が離歌りかのもとを訪れた。芊芊せんせんが先頭に飛び込み、続いて紫晴しせいが刀を突きつけ、説明すれば信じると迫った。しかし、離歌りかは復国のためだと主張し、本心からの行動だと譲らなかった。それを聞いた北月ほくげつは激昂し、離歌りかを攻撃する。離歌りかは負傷するも、音殺大兵が現れ、琴の音で北月ほくげつの精神を撹乱した。紫晴しせいは躊躇なく、離歌りかから教わった音殺で仮撃し、北月ほくげつは攻撃を再開する。しかし、離歌りかは結界に守られ、その背後から婉約えんやくが現れ、離歌りかを連れ去った。

北月ほくげつ婉約えんやくが現れたことから外祖父に異変が起きたと察し、夢潔島へ戻ることを決意。紫晴しせい天闕てんけつに残った。夢潔島に著いた北月ほくげつは、外祖父の死に目に会えなかった。夢の兄弟は族長の死因を病死と告げ、既に埋葬済みのため開棺は不吉だと止めたが、北月ほくげつは開棺を強行する。そして、外祖父の首に毒虫に噛まれた痕跡を発見し、夢の兄弟の仕業だと確信する。問い詰められた二人は大国師だいこくしに責任を押し付けようとしたが、北月ほくげつの怒りを買い殺されてしまった。

一方、意識を取り戻した離歌りかは、瞑想する婉約えんやくの姿を見て、襲いかかろうとする。

第37話の感想

第37話は怒涛の展開で、息つく暇もないほどでした。まず、楚天戈そ てんかの最期はあっけないものでした。これまで数々の悪事を働いてきた彼ですが、最後は部下に裏切られ殺されるという、因果応報ともいえる結末を迎えます。雪域の暗躍も気になるところです。鉄岩を裏で操り、楚天戈そ てんかを排除した彼らの真の目的は何なのでしょうか。今後の展開に大きく関わってきそうです。

そして、衝撃的だったのは軒轅離歌けんえんりかの豹変ぶりです。芊芊せんせんの証言、そして彼自身の告白から、浩南こうなんの死、西陵せいりょう侵攻の黒幕が離歌りかであることが明らかになりました。これまで仲間として共に過ごしてきた北月ほくげつたちにとって、これはあまりにも大きな裏切りです。一体なぜ彼がこのような行動に出たのか、彼の真意が掴めません。復国のためとはいえ、あまりにも非情なやり方に言葉を失います。百里尾生ひゃくりびせい離歌りかの変わりように戸惑い、信じられない様子でした。彼と離歌りかの関係にも変化が生じてしまうのでしょうか。

さらに、夢潔島での出来事も波乱を呼びました。北月ほくげつの外祖父の死、そして夢の兄弟の裏切り。北月ほくげつは大切な人を次々と失い、深い悲しみに暮れていることでしょう。彼の復讐心が今後どのようにいん響していくのか、心配です。

つづく