あらすじ
第四話は、韓紫晴と四皇子の複雑なやり取りを中心に展開します。韓紫晴は四皇子の前で病気を装い、必要以上の接触を避けようとしますが、一方で彼の腰に差した匕首に強い興味を示し、それを口実に距離を縮めようとします。老顧は診察後、韓紫晴が過去に毒を盛られた可能性を示唆し、彼女には解毒能力があるかもしれないと推測しますが、漠尋の毒を解ける可能性は否定します。
四皇子が韓紫晴を相府へ連れ帰り勅旨を受ける間、韓紫晴の病状は突如快方に向かい、彼女が病気を装っていたことが明らかになります。この急変に相府の人々は騒然となります。王妃は計略の失敗を王上に詫び、陳公子事件に対処するための新たな策を練り始めます。
四皇子の部下は、百毒不侵の体質を持つ孤島人に関する手がかりを見つけます。これは韓紫晴と関係があるかもしれません。
最後に、韓紫晴は自ら証拠を探すために行動を起こしますが、突然帰ってきた四皇子に見つかりそうになります。これらの出来事は、韓紫晴と四皇子との間にある緊張感と微妙な関係、そして宮廷闘争の複雑さを描き出しています。
ネタバレ
北月こと四王子が帰還するや否や、紫晴は病気を装い始めました。心配した北月はすぐに侍医を呼び、紫晴の脈を診させようとします。紫晴は「もう太医に診てもらったから大丈夫」と拒みますが、北月は引き下がりません。仕方なく老顧が脈を診ると、「肺癆」だと診断しました。紫晴は北月に触れられるのを避けようと必死に言い訳しますが、北月の腰に差した匕首に気づくと態度を一変。「この匕首、とても好き。小さい頃、見たことがある気がするの。見せてくれない?」と尋ねます。北月は「これは亡き母の遺品だ。王妃になったら見せてやろう」と拒否。紫晴は内心、「この芝居、続けなきゃいけないのね…」とため息をつきます。
老顧は紫晴が王妃に盛られた毒に当たったのではないかと疑っていました。しかし、体内に残っているのはごくわずかな毒素のみ。一体誰が解毒したのか?もし紫晴が解毒できるなら、漠尋の毒も自分で解いたのでは?しかし、老顧はそれは不可能だと考えます。北月の毒は王妃に移して解毒したもので、毒を移された者は必ず死ぬはず。だとすれば、王妃はそもそも毒に当たっていなかった…?
北月がいない間、紫晴は好き放題に過ごしていましたが、北月が戻ると途端に弱々しい様子になります。北月から相府へ帰還するよう命じられ、内心喜ぶ紫晴。しかし、北月は紫晴に寄り添い、「一緒に帰る」と言い出します。相府の門前には多くの人々が集まり、紫晴を出迎えます。汐兒は紫晴が帰還したことを快く思いませんが、嫡母は紫晴の病状が深刻なことに気づきます。北月に支えられながら、紫晴は屋敷へ戻ります。宣旨の役人はなかなか到著せず、野次馬だけがどんどん増えていきます。欧陽姉妹が到著し、続いて第二王子も現れます。王妃を迎えに来たと言いながら、実際は騒ぎを見物しに来ただけでした。北月はそんな第二王子を公然と叱責し、「母親に言葉遣いを教えてもらってこい」と追い返します。
ようやく宣旨の役人が到著。役人は紫晴の様子を気にしながら、北月に急かされます。そして聖旨を読み終え、紫晴が旨を受け取った瞬間、病はすっかり治ってしまいました。北月は「王妃の病、ずいぶん早く治ったな」と笑います。こうして相府の全員が、紫晴が病気を装っていたことを知ることになります。
王妃と宣旨の役人は王に謝罪します。王妃自身も、なぜ毒を飲ませたのに、しかも宣旨のタイミングも完璧だったのに、紫晴が無事なのか理解できません。しかし、聖旨は既に下され、取り消すことは不可能。しかも王は北月を必要としています。王は王妃に陳公子の事件を注視するよう命じます。王の意図を理解した王妃は、第二王子に以前の訴状を出すよう指示。第二王子は「これは一石二鳥だ」とほくそ笑みます。
一方、北月の部下は新たな情報を掴みます。それは、百毒不侵の孤島の人々。かつて孤島の人々は異変を起こし、南照王室によって追放されました。そして最近、彼らは孤島の人々の遺児を探しているというのです。北月は紫晴の元へ戻り、彼女の隣に横たわります。紫晴はもう寝たふりを続けることはできないと悟り、起き上がって匕首を見ようとします。しかし、北月は「床を共にしなければ真の王妃とは言えない」と言い放ちます。その時、国境から急報が届き、北月は部屋を出ていきます。紫晴はもはや待つだけではダメだと考え、匕首を盗もうと動き出します。しかし、何も見つからないうちに北月が戻ってきてしまいます。紫晴は慌ててベッドの下に隠れます。北月はベッドへ近づき、そのまま横たわりました。
第4話の感想
第4話は、紫晴の機転と演技力が光る、ハラハラドキドキの展開でした。病気を装う演技は、北月だけでなく、周りの人々も騙すほど巧妙で、彼女の頭の回転の速さと度胸に感心させられます。特に、北月の腰の匕首に目をつけ、話題をそらす場面は、彼女の機転の良さが際立っていました。
一方で、北月は紫晴の嘘を見抜けないほど鈍感なのか、それとも何か別の思惑があるのか、彼の真意が読めないのも、この物語の魅力の一つです。母の形見である匕首を簡単に見せようとしないあたり、紫晴に対してはまだ完全には心を許していないように見えます。
また、老顧の存在も重要です。彼は紫晴の異変に気づき、密かに真相を探ろうとするなど、物語の鍵を握る人物と言えます。彼が今後どのように物語に関わっていくのか、注目したいところです。
そして、忘れてはならないのが、王家内部の権力争いです。王妃と第二王子の企みは、紫晴だけでなく、北月をも巻き込む大きな波乱を予感させます。今後の展開がますます楽しみです。
つづく