あらすじ
第10話は、熊熙若が身分を疑われ、様々な噂に悩まされる様子と、李弘彬との関係が深まっていく様子を描いています。使用人たちは熊熙若の本当の身分について噂をし、偽物の「歓喜仙」の絵草紙を見つけてしまいます。熊熙若は絵草紙を探している最中に怪我をしてしまい、李弘彬は彼女を抱きかえて部屋に連れて帰り、介抱しようとしますが、誤解が生じて少し気まずい雰囲気になってしまいます。
その後、李弘彬は熊熙若を噂から解放してあげようと、気分転換に連れ出します。二人は山頂で美しい夕日を眺め、互いの気持ちが通じ合っていきます。町に戻ると、李弘彬は熊熙若に噂を払拭するために物語を作るように勧めます。熊熙若は見事にロマンチックな物語を創作することに成功します。
しかし、ある闘茶会で、熊熙若はお茶の腕前を披露するのを避けるため、仮病を使って倒れてしまいます。結局、李弘彬に見破られてしまいますが、二人の間の阿吽の呼吸と親密さが垣間見える場面となりました。
ネタバレ
使用人たちの間で、熊熙若が実は知府の娘ではないという噂が広まり、偽の画集を見た使用人たちは、誰が歓喜仙を装っているのかと疑い始める。熊熙若は梅香と共に画集を探しに行くが、数冊しか見つからず、足をくじいてしまう。それを見た李弘彬は、躊躇なく熊熙若を抱き上げて部屋に連れて帰り、怪我を見ようとするが、熊熙若に拒否される。李弘彬は、熊熙若が使用人たちと親しく話す一方で、自分を登徒子のように扱うことに戸惑いを覚える。熊熙若も怒り、使用人たちは自分を男だと思っているからだと説明する。李弘彬は自分の言葉が熊熙若を傷つけたことに気づき、梅香に薬を塗るように言い残して部屋を出ていく。
熊熙若は梅香に「奴婢」と呼ばれるのを嫌がり、真の悪人は偽の歓喜仙だと考える。三爺と宋沁は偽の歓喜仙として、再び偽の画集を作ろうとする。如児は偽の画集を見て、誰かが自分のために仕返しをしてくれたと思い、自分も協力することにする。熊熙若は葉知寒に金銭を渡して協力を依頼するが、葉知寒は熊熙若が李弘彬に危害を加えようとしていると勘違いし、逃げようとする。しかし、熊熙若に捕まり、実は花満楼の嫌がらせから母と姉妹を守るために金銭を届けてほしいという真意を聞かされる。熊熙若は持っていた金銀財宝をすべて葉知寒の服に入れ、自分は小さな金塊だけを残す。
李弘彬は使用人たちに熊熙若の噂話を禁じ、熊熙若に偽の画集について問いただす。熊熙若は自分が描いたものではないと否定し、以前に描いた李弘彬の肖像画を見せて潔白を証明する。李弘彬は画を見て安心し、部屋を出ていく。夜、部下は李弘彬に熊熙若の噂が広まっていることを伝え、李弘彬は以前熊熙若が言った「名門の娘ではないが、貞操を守る」という言葉 を思い出す。部下は気分転換に熊熙若を連れ出すことを提案する。李弘彬は乗り気ではなかったが、既に心の中では決めていたようで、熊熙若を連れて乗馬や舟遊びに出かけ、熊熙若をへとへとにさせる。
二人は山頂で夕日を見ながら、李弘彬が手作りした饅頭を食べる。熊熙若は慰められ、李弘彬に寄りかかる。町に戻ると、李弘彬は熊熙若に、偽の画集に対抗するために、二人の出会いをロマンティックに描いた物語を書くように勧める。熊熙若は素晴らしい物語を書き上げるが、そこに三爺が現れ、姨母に絵を描くように指示する。そして熊熙若に官府にある鶴の種類を尋ねるが、熊熙若は答えられない。李弘彬は三爺に熊熙若をこれ以上困らせないように頼み、三爺は李弘彬の頼みを聞き入れるが、熊熙若に李弘彬をいじめたら許さないと警告する。
李夫人は熊熙若にお茶会で茶芸を披露させ、教養を証明することで偽の画集の騒動を鎮めようとする。しかし、熊熙若は足の痺れを装い、李弘彬の腕の中に倒れる。熊熙若は意識を失ったふりを続け、葉知寒は自分の医術が熊熙若によって無駄になるのではないかと焦り、鍼を打とうとする。李弘彬は熊熙若を気遣い、李夫人を別の場所に連れて行き、李夫人が去るとすぐに熊熙若に演技をやめるように言う。その様子を見て、葉知寒は唖然とする。
第10話の感想
第10話は、熊熙若をめぐる様々な騒動と、李弘彬との関係が進展するエピソードでした。偽の歓喜仙による画集の流布で熊熙若の立場が危うくなる中、李弘彬は彼女を守るために奔走します。特に、噂を払拭するために熊熙若を連れ出し、美しい景色の中で一緒に時間を過ごすシーンは印象的でした。李弘彬の手作り饅頭を食べる熊熙若の姿は、二人の距離が縮まっていることを感じさせ、微笑ましいものでした。
しかし、三爺の登場により、再び緊張感が高まります。熊熙若の知識不足を露呈させるような質問は、彼女が偽物ではないかという疑念を改めて抱かせます。李弘彬は熊熙若をかばい続けるものの、三爺の警告は今後の展開に影を落とすでしょう。
また、熊熙若自身も、機転を利かせて様々な困難を乗り越えようとする姿が魅力的でした。梅香とのやり取りや、葉知寒への依頼など、彼女の頭の回転の速さと行動力は、見ていて爽快感があります。特に、李弘彬の腕の中で倒れる演技は、大胆ながらもどこかコミカルで、彼女のしたたかさを際立たせていました。
つづく